ピート・クロウ=アームストロングが抱く米国代表の誇り…憧れた存在から憧れの存在となった今

2026.10.12

MLBシカゴ・カブスの若き人気スター、ピート・クロウ=アームストロング外野手は今季、45本塁打、40盗塁の活躍で史上7人目となる「40-40」の快挙を達成した。その他、119得点、長打率.570、OPS(出塁率+長打率).942はリーグ1位の成績で、今季のナ・リーグMVP最有力候補の呼び声が高い。名前の頭文字“PCA”の愛称で親しまれる若武者の足跡をたどると、米国代表ユニホームとともに成長を遂げてきた事実が浮かび上がる。

写真提供=Getty Images

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2026年は「40-40」の快挙を達成した若き人気スター

 MLBシカゴ・カブスの若き人気スター、ピート・クロウ=アームストロング外野手は今季、45本塁打、40盗塁の活躍で史上7人目となる「40-40」の快挙を達成した。その他、119得点、長打率.570、OPS(出塁率+長打率).942はリーグ1位の成績で、今季のナ・リーグMVP最有力候補の呼び声が高い。名前の頭文字“PCA”の愛称で親しまれる若武者の足跡をたどると、米国代表ユニホームとともに成長を遂げてきた事実が浮かび上がる。

 初めて米国代表チームに選ばれたのは2014年。U-12代表メンバーとして出場した「COPABE U-12パンアメリカ・チャンピオンシップ」で銀メダルを獲得した。PCAは「うれしくてワクワクしたのを覚えています。とにかく楽しみたいということで頭がいっぱいでした」と当時を振り返る。

 幼い頃、PCAにとって各世代の米国代表選手は憧れでもあった。「代表チームでプレーする年上のお兄さんたちは本当にカッコよかった。1学年上のU-12代表にはアンソニー・ボルピ(現ニューヨーク・ヤンキース)がいて、憧れの存在でした」。自分も同じ米国代表ユニホームを着てプレーしたい――。そんな想いが原動力となり、「代表チームに選ばれることが、自分にとって1つのモチベーションになりました」と明かす。

U-12から各世代代表に選出…最も印象深かった大会は?

 U-12代表を皮切りに、U-15代表、U-18代表にも選出されたが、決して容易いことではなかった。年齢が上がるにつれ、「全米各地から代表入りを狙うライバルたちとの競争も真剣さを増して、どんどんハイレベルで熾烈になってくる。だから、代表に選ばれるたびに“チームUSA”でプレーすることへの誇りが増したものです」。高い目標を掲げ、たゆまぬ努力を続けたことが、MLBへの道を切り拓く一助となった。

 プロ入り前に出場した国際大会の中で最も印象に残っているのが、2019年に韓国が舞台となった「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」だという。PCAにとって人生初のアジア訪問で、見るものすべてが「新鮮でした」と目を輝かせる。

「韓国は本当に美しい場所でした。釜山近郊にある球場の周りは緑が豊かで、山の中にすっぽりと入った別世界のような感覚がしました。宿泊ホテルでの食事は各国の食文化に合わせてくれていたので困ることはなかったです。ただ、食べ物で一番印象に残っているのは“ヌタウナギ通り”。専門店がズラリと並んでいて、ヌタウナギが捌かれる様子を見ていると、文字どおりヌタウナギの叫び声が聞こえてきそうでした。コロンビアやパナマに行った時も見たことがない光景で、本当に刺激的かつ興味深かったです」


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韓国で交流を深めたオーストラリア人選手が、のちに…!

 この大会には、野球日本代表「侍ジャパン」U-18代表として佐々木朗希投手(現ロサンゼルス・ドジャース)も出場していた。「剛速球を投げる選手がいると聞いていました」と対戦を楽しみにしていたPCAだが、オープニングラウンドで日本と対戦した際に佐々木投手は登板せず。PCAは1番打者として先制ホームを踏み、打点も記録する活躍だったが、米国は7-16で敗れた。

 国際大会では「対戦相手が何をきっかけに、何を目標に野球をプレーしているのか想像するだけで楽しくなる」というPCAは、「いろいろな価値観や考え方に触れたい」と他チームの選手たちと積極的に交流を図った。同世代のトップ選手たちと話をすることで、様々な刺激を受けていたという。

 その中でも忘れられない出会いがあった。オーストラリア代表のトラビス・バザーナ内野手(現クリーブランド・ガーディアンズ)だ。

「宿泊ホテルの食事会場で他チームの選手と交流するようになった中で、トラビスとは不思議と馬が合ったんです。僕とチームメートとでオーストラリア代表選手の部屋に行って、よく一緒に遊んでいました。そのトラビスが2024年ドラフトで全体1位指名を受け、今年メジャーデビューを飾ったなんて、すごい巡り合わせだと感じています」


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2026年は“最高峰”トップチームの一員としてWBCで準優勝

 2020年ドラフトでニューヨーク・メッツから1巡目指名を受け、高校からプロの門を叩いたPCAは、2021年にカブスへトレード移籍。2023年にメジャーデビューを飾って以来、目覚ましい活躍を続け、今年3月には米国代表として「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)に出場を果たした。惜しくも決勝でベネズエラに敗れたが、再び米国代表ユニホームの袖を通したことは大きな誇りとなった。

「WBCは誰もが知るスーパースターたちが集う最高の舞台。大型契約を結んでいる選手やワールドシリーズを制覇した選手、すでに大きな富を成し得た選手たちが、母国のためにユニホームを着て戦うわけです。野球というスポーツを普及・発展させる取り組みはどれも価値あるものですが、僕はWBCを最高の大会だと思うし、また機会があれば出場したいですね」

 各世代の代表を経て、トップチーム入りを果たした今、PCAには1つ願いがある。「子どもの頃の僕が代表選手に憧れていたように、今の子どもたちが僕のことを憧れの目で見てくれていたら嬉しいですね。また、それに相応しい選手であり続けたいと思います」。野球の未来を支える子どもたちを想いながら、これからも野球に対して真摯な姿勢で臨み続ける。

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