大学代表が総力戦で記念すべき初代王者! 新設大会決勝で延長11回の末に米国撃破
7月11日から台湾・台中で開催された「ワールド カレッジ ベースボール チャンピオンシップ」(WCBC)で野球日本代表「侍ジャパン」大学代表が見事、初代王者に輝いた。決勝では、予選ラウンドで惜敗した米国を相手に、延長の末に6-3で勝利。表彰式では総力戦で掴み取った優勝カップを手にし、チーム全員の顔に大輪の花が咲いた。
写真提供=Getty Images
今年から始まったWCBC…日本、米国、チャイニーズ・タイペイ、韓国が参加
7月11日から台湾・台中で開催された「ワールド カレッジ ベースボール チャンピオンシップ」(WCBC)で野球日本代表「侍ジャパン」大学代表が見事、初代王者に輝いた。決勝では、予選ラウンドで惜敗した米国を相手に、延長の末に6-3で勝利。表彰式では総力戦で掴み取った優勝カップを手にし、チーム全員の顔に大輪の花が咲いた。
WCBCは日本、米国、チャイニーズ・タイペイがコアメンバーとなり開催される大学野球界の新たな国際大会で、記念すべき第1回は招待チームとして韓国が参加。予選ラウンドでは4チーム総当たりで順位を決め、予選ラウンド1位vs4位、2位vs3位の準決勝、最終日に3位決定戦、決勝が行われる予定だった。だが、台風の影響で大会初日は全試合が中止に。そこで今回は準決勝は行わず、予選ラウンド上位2チームが決勝、下位2チームが3位決定戦を実施することになった。
今回大会から大学代表を率いるのは、関西国際大野球部の鈴木英之監督だ。かつて大学代表コーチを3度務めた経験が買われ、堀井哲也前監督(慶應大)から引き継いだ。就任直後の昨年12月に行われた代表候補強化合宿、そして今年6月の選考合宿を経て、全国から精鋭28選手をピックアップ。渡部海捕手(青山学院大)を主将に任命して臨んだ7月2日からの直前合宿では、グラウンド内外でチームの結束を強め、優勝に向けての意識を高めた。
意気揚々と台中へ乗り込んだが、大会初日の11日は台風の影響で全戦中止。予選ラウンド初戦となった12日の韓国戦は、台風一過の快晴で迎えることとなった。先発マウンドに上がったのは鈴木泰成投手(青山学院大)。初回に1死から中前打を許し、2回は失策や振り逃げで走者を背負ったが危なげなく無失点とすると、3回以降は走者を1人も出さずに三振の山を築いた。6回1安打14奪三振の快投を披露すると、打線もこれに呼応した。
初回に先頭の岡田啓吾内野手(明治大)が俊足を生かした右中間三塁打で先制機を作ると、1死から3番の榊原七斗外野手(明治大)の右前タイムリーで1点。この回に3点を先制すると、毎回安打の猛攻で10-0と7回コールド勝ちを決めた。
第2戦は悔し涙も、第3戦では実力発揮の7回コールド勝利
第2戦は未来のMLBスター候補が揃う米国との対戦となった。昨年の第45回日米大学野球選手権大会では日本が5戦全勝で優勝を飾っていたが、この日は終始、米国に主導権を握られることになった。先発の渡辺和大投手(慶應義塾大)は初回、2安打を許しながらも無失点としたが、2回に1死二、三塁から2連続タイムリーで2失点。3回1死一塁で降板すると、2番手・宮原廉投手(近畿大)が安打と犠牲フライで1点を失い、序盤に3点リードを許す展開となった。
打線は初回こそ得点圏に走者を置いたが、3回まで無得点。4回に2四死球などで1死二、三塁とすると、山里宝内野手(亜細亜大)が左前へタイムリーを放ち、1点を返した。山里選手は6回にも無死一、三塁の好機で中堅へ犠飛を放って1点を追加。だが、その直後から打線は沈黙。結局、1点届かずに2-3と惜敗した。
1勝1敗で臨んだ第3戦では開催国のチャイニーズ・タイペイと対戦。試合は初回から日本ペースで進んだ。1回表の日本の攻撃では、1死から赤堀颯内野手(國学院大)が左翼へ先制ホームラン。さらに連打と四球などで2死満塁とすると、今津慶介内野手(慶應義塾大)の打球が一塁内野安打となる間に2点目を挙げた。3点リードで迎えた4回には黒田義信外野手(東日本国際大)の右翼への2ランなどで4点を追加。6回と7回にも加点し、12-1で7回コールド勝利とした。予選ラウンドを2勝1敗とした日本は2位となり、決勝では1位の米国と対戦することになった。

予選ラウンドで惜敗した米国との決勝…3回に2点先制を許す
迎えた決勝戦。日本にとっては惜敗の2日後に訪れたリベンジのチャンスだ。両軍の先発・鈴木投手とトマス・ヴァリンキウス投手が上々の立ち上がりで、2回を終えて1安打ずつを許したのみ。だが3回、日本は失策をきっかけに米国に2点を先制された。鈴木投手はここで乱れず、4回を3者凡退とすると、5回に死球を当てたが、6回も3者凡退。6回を投げて3安打2失点(自責1)と粘り、勝機を繋いだ。
打線は7回にチャンスを引き寄せた。相手の失策が重なって無安打ながら1死三塁の絶好機を迎えると、山里選手の投手ゴロの間に三塁走者が生還。2死から井上和輝捕手(法政大)と中山優月内野手(大阪商業大)の連打で同点に追いついた。
試合は9回では決着がつかずに延長タイブレークへ突入。10回はそれぞれ1点ずつを加え、迎えた11回だった。先頭の黒田選手が送りバントを決めて1死二、三塁とすると、続く山里選手の打球を相手二塁手が送球エラー。この間に2点を加えると、2死一、三塁からは代打・西野啓也捕手(立命館大)が左前へタイムリーを放ち、試合を決めた。
最後は古堅鈴之輔投手(富士大)と藤本士生投手(國学院大)が無失点リレーでゲームセット。21選手を起用した日本は文字どおりの総力戦で見事、WCBC初代王者に輝いた。
打率.563、5打点の榊原七斗選手がMVP受賞
表彰式では、主将としてチームをまとめあげた渡部選手が優勝カップを受け取った。続いて、4戦すべてに「3番・中堅」として先発出場し、打率.563、5打点の活躍でチームを牽引した榊原選手がMVPを受賞。優勝に花を添えた。
海外で行われる国際大会、かつ新設の大会ということもあり、慣れない環境での試合とはなったが、大会スケジュールの変更にも動じず、チーム一丸となって掴んだ優勝の意味は大きい。代表選手の中には今秋のプロ野球ドラフト会議での指名が期待される選手も多く、プロ入り前に海外の同世代トップ選手たちと真剣勝負を繰り広げた経験は大きな刺激となったはずだ。短い期間ではあったが、大学代表で得た学びと経験をどう生かしていくのか。8月下旬から各地で始まる秋季リーグ戦での勇姿に期待したい。
記事提供=Full-Count
写真提供=Getty Images























