PL学園時代以来の国際大会 U-12代表・桑田真澄監督が掲げる育成像「強い人になる」

2026.7.6

小学生世代の野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表が、8月9日に中国・杭州市で開幕する「第12回 BFA U12アジア選手権」(以下アジア選手権)に出場する。今年新たに指揮官に就任した桑田真澄監督は、6月27、28日に東京都内で行われた「侍ジャパンU-12最終トライアウト」に参加。「合格したから偉い、選ばれなかったからダメというものではありません。野球を通じて自分で考えて行動できるようなきっかけの大会にしてほしい」と、未来ある球児たちへ温かいエールを送った。

写真提供=Full-Count

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8月9日に中国で「第12回 BFA U12アジア選手権」が開幕

 小学生世代の野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表が、8月9日に中国・杭州市で開幕する「第12回 BFA U12アジア選手権」(以下アジア選手権)に出場する。今年新たに指揮官に就任した桑田真澄監督は、6月27、28日に東京都内で行われた「侍ジャパンU-12最終トライアウト」に参加。「合格したから偉い、選ばれなかったからダメというものではありません。野球を通じて自分で考えて行動できるようなきっかけの大会にしてほしい」と、未来ある球児たちへ温かいエールを送った。

 初日は台風接近による悪天候の影響でグラウンドが使えず、室内練習場に変更となったが、動画選考「デジタルチャレンジ」を突破した精鋭33人の熱気が、会場の空気を一変させた。3時間に及ぶメニューでは、キャッチボール、ノック、ブルペン投球、20メートル走のほか、海外投手対策としてカーブマシンによる打撃練習などを実施。ブルペン投球で小学生離れした力強い速球を投げ込む投手や、20メートル走で3秒30の好タイムを叩き出す選手も現れるなど、北は北海道、南は沖縄から集まった逸材たちがポテンシャルの高さを見せつけた。

「最初は緊張で動きが硬かったですが、徐々に本来の動きができて楽しく取り組んでくれた」と桑田監督。技術面の評価もさることながら、選手たちには「時間厳守、ルール厳守」を徹底させ、日本代表としての規律や人間性、人間的成長の重要性を説いた。


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代表活動を通じて追い求めてほしい「強い選手になる、強い人になる」

 チームのテーマには、「強い選手になる、強い人になる」を掲げた。代表活動を通じて技術や体力だけではなく、思い通りのプレーができない場面でも粘り強く、我慢強く取り組める“忍耐力”の強化に期待を寄せている。

 桑田監督はPL学園高(大阪)時代、5季連続で甲子園に出場し、2度の全国制覇(1年夏、3年夏)を経験。1986年にドラフト1位で読売に入団後、チームの中心投手として長く活躍し、通算173勝をマーク。2007年にはピッツバーグ・パイレーツに移籍し、メジャー19試合の登板を果たした。

 現役引退後は早稲田大学大学院でスポーツ科学を学び、東京大学硬式野球部の特別コーチや読売の2軍監督などを歴任。今季からオイシックス新潟のCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)を務めながら、U-12代表監督の大役を引き受けた。「高校3年以来」となる「JAPAN」のユニホームに目をやりながら、「やはり責任を感じます。大事な役割を任されることになったので、彼らのロールモデルになれるように、我々も手本になるようなことをやっていきたい」と表情を引き締める。

「時代に即したベストな指導法を考え、彼らの成長に繋げたい」

 自身が身をもって体験してきた「昭和のスパルタ指導」は、令和の時代に通用しないことは重々承知している。

「我々の時はたくさん走って、たくさん投げて、辛いことを耐えて、という時代でした。水も飲んじゃいけなかったですから。そういう時代だったし、それが正しいと言われていた指導法でした」

 だからこそ、メジャーで活躍する大谷翔平選手や山本由伸投手(ともにロサンゼルス・ドジャース)、ダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス)、岡本和真内野手(トロント・ブルージェイズ)らを引き合いに出し、世界に羽ばたく選手を育てるためにも「今のベストを学ぶべき」と言い切る。

「辛いことをやっていた時代に、これだけ世界で活躍している選手がいましたか? 野球に限らず、サッカーやバスケ、ゴルフをはじめ、いろんなスポーツが世界に出ていって、勝っているんです。彼らは合理的、効率的な練習をして世界のトップに立っているわけです。今の若い選手たちは素晴らしいし、すごく頑張っている。我々も時代に即したベストな指導法を考え、彼らの成長に繋げたいと思っています」


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バッテリーを中心とした「守り勝つチーム」で2度目のアジア王者を目指す

 過去11回のU12アジア選手権で、日本の優勝は2016年のわずか1回のみ。長年勝負の世界に身を置いてきた指揮官は「勝負事ですから、やっぱり勝たなきゃいけない」と語気を強める。そのためにも、目指す形は「守り勝つチーム」だ。

「ガンガン打つチームではなかなか勝てないのは、長年野球をやってきて分かっています。足を使ったり、1点を守り切れるような、そういうチームを目指していきたいです」

 バッテリーを中心とした守備力、そして打撃では長打ではなくミート力を最優先に、チーム作りを行う方針を明確に打ち出した。そして、2日間の最終トライアウトを経て、15人の精鋭を選び抜いた。

「潜在能力を最大限発揮させてあげられるように、やっていきたいと思っています。選ばれた選手たちとベストを尽くして、1つでも上に行けるように頑張りたいです」

 球界のレジェンドが情熱と最先端の育成論を携え、アジアの頂点を目指す子どもたちと共に歩みを進める。

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