アジア大会で5連勝も…届かなかった金メダル 社会人代表が日本開催で示した“可能性”

2026.10.5

9月21日から愛知県(岡崎市・豊橋市)で開催された「第20回アジア競技大会」。32年ぶりの金メダルを目指し大会に臨んだ野球日本代表「侍ジャパン」社会人代表は、オープニングラウンドから5連勝で決勝に進出。韓国との決勝は1点を争う接戦となったが、最後は1-3で敗れ、銀メダルに終わった。

写真提供=Getty Images

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オープニングラウンドは3戦全勝で首位通過

 9月21日から愛知県(岡崎市・豊橋市)で開催された「第20回アジア競技大会」。32年ぶりの金メダルを目指し大会に臨んだ野球日本代表「侍ジャパン」社会人代表は、オープニングラウンドから5連勝で決勝に進出。韓国との決勝は1点を争う接戦となったが、最後は1-3で敗れ、銀メダルに終わった。

 2023年から社会人代表を率いる川口朋保監督は、昨年の「第31回BFAアジア選手権」でチームを2大会連続21度目の優勝へ牽引。そして、今回は社会人チームから選出された24人の選手とともに自国開催の大舞台に挑んだ。

 オープニングラウンドの初戦は中国と対戦。2回に先制を許したものの、4回に山田健太内野手(日本生命)の決勝打などで3点を奪い逆転した。中盤以降も打線がつながり、6回には一挙6得点。12安打11得点で快勝し、幸先のいいスタートを切った。

 続くパレスチナ戦も初回から打線が爆発。向山基生外野手(NTT東日本)、水谷祥平外野手(JR東海)の適時打などで5点を先制。2回にも6点を奪い、3回には山田選手が左翼席へ3ランを放った。投手陣も近藤壱来投手(JR四国)、松田航瑠投手(日本製鉄室蘭シャークス)、谷脇弘起投手(日本生命)の3人が走者を1人も許さない完全リレー。15-0の5回コールドで連勝を飾った。

 グループA首位通過が懸かったフィリピン戦では、長野健大投手(JFE西日本)が圧巻の投球を披露。7回を2安打11奪三振無失点にまとめた。打線は2回に矢野幸耶内野手(三菱重工East)の2ランで先制。3回にも熊田任洋内野手(トヨタ自動車)の適時打などで3点を追加した。6回には添田真海内野手(日本通運)が右翼席へ2ランを放ち、7-0で快勝。3戦全勝でオープニングラウンドを首位で突破した。


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プロ中心の韓国を完封、社会人野球で培った実力を発揮

 スーパーラウンド初戦の相手は、将来有望なプロ選手を中心に編成された韓国だった。相手先発は、今年3月のWORLD BASEBALL CLASSIC™にも出場したソ・ヒョンジュン投手。日本は3回、向山選手の適時二塁打で先制すると、相手のミスにも乗じて3点を奪った。

 投げては先発の樋口新投手(王子)が7回4安打無失点の好投。内野陣も堅実な守備で左腕を支えた。8回からの2イニングは嘉陽宗一郎投手、渕上佳輝投手(ともにトヨタ自動車)とつなぎ、韓国打線に二塁を踏ませず、5-0で完封勝利。投打にわたり緻密な日本野球を披露し、若手プロ選手で構成された韓国を寄せ付けなかった。

 勢いに乗る日本は、チャイニーズ・タイペイとのスーパーラウンド第2戦でも実力を発揮した。雨が降り続く難しいコンディションの中、初回に先制を許したが、3回に熊田選手の適時二塁打で同点。続く添田選手も適時打を放ち、一気に逆転した。

 1点差に迫られた7回には、代打の柴崎聖人外野手(王子)が2点適時二塁打。8回には丸山壮史内野手(ENEOS)が2ランを放ち突き放した。先発の近藤投手も6回1失点と試合を作り、7-3で勝利。無傷の5連勝で決勝に駒を進めた。


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韓国との再戦で惜敗…届かなかった32年ぶりの金メダル

 悲願の金メダルをかけた決勝では、再び韓国と激突。川口監督は、大一番のマウンドを左腕の樋口投手に託した。初回から得点圏に走者を背負う投球が続いたが、決定打は許さず。今大会3試合目の登板となった樋口投手は、3回1失点と粘りの投球を見せた。

 投手陣の粘りに応えたい打線だったが、韓国先発のクァク・ビン投手に苦戦。6回までに放った安打は、水谷選手の二塁打のみと抑え込まれた。打線が意地を見せたのは7回。1死一、二塁のチャンスを作ると佐藤勇基内野手(トヨタ自動車)が左前適時打を放ち、ようやく同点に追いついた。

 しかし直後の8回、4番手の近藤投手が2死一、三塁から連続適時打を浴びて痛恨の2失点。粘る打線は、8回に1死一、三塁の好機、9回も2死から得点圏に走者を進めたが、あと1本が出なかった。スーパーラウンドでは勝利した韓国にリベンジされ、32年ぶりとなる金メダルにあと一歩届かなかった。

 それでも、オープニングラウンドから5連勝。プロ選手を擁する韓国やチャイニーズ・タイペイにも勝利し、決勝でも宿敵の韓国を相手に粘り強く戦った。最後は敗れて終わったが、日本の社会人野球が誇る実力を、自国開催の国際舞台で存分に発揮した。

 アジアの頂点には届かなかったが、5勝をあげてつかんだ銀メダルと決勝で味わった悔しさは、選手たちにとって新たな財産となるはずだ。所属チームに戻った選手たちが、この貴重な経験を、それぞれの成長、そして今後の社会人野球へどう還元していくのかにも期待が集まる。

記事提供=Full-Count
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