侍ジャパンが初黒星　勝敗分けた4回の牽制プレーに稲葉監督「私の責任です」

野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」は11日、東京ドームで第3戦が行われ、侍ジャパンは3-7で敗れ、初黒星を喫した。先発の多和田真三郎投手（埼玉西武）がヤディエル・モリーナ捕手（セントルイス・カージナルス）に3ランを浴びるなど5回途中を5失点。第2戦まで合計19点を挙げた打線は、9回に反撃を見せたが追いつけず。試合後、稲葉篤紀監督は「今日は野球の流れを非常に悪い方に感じてしまった」と話し、勝負の分け目となったプレーとして、4回裏の牽制死をあげた。

同点に追いついた直後、追加点チャンスで上林が牽制死

　野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」は11日、東京ドームで第3戦が行われ、侍ジャパンは3-7で敗れ、初黒星を喫した。先発の多和田真三郎投手（埼玉西武）がヤディエル・モリーナ捕手（セントルイス・カージナルス）に3ランを浴びるなど5回途中を5失点。第2戦まで合計19点を挙げた打線は、9回に反撃を見せたが追いつけず。試合後、稲葉篤紀監督は「今日は野球の悪い流れを非常に悪い方に感じてしまった」と話し、勝負の分け目となったプレーとして、4回裏の牽制死をあげた。

　4回表に1点を先制された侍ジャパンは、その裏、2死一塁から外崎修太内野手（埼玉西武）のタイムリー二塁打で同点に追いつく。続く上林誠知外野手（福岡ソフトバンク）が四球を選び、2死一、二塁とチャンス拡大。一気に畳みかけて勝ち越し、試合の流れを引き寄せたい場面だった。打席に立ったのは岡本和真内野手（読売）。1ストライクから2球目がボールとなった直後だった。

　この日、MLBオールスターチームの先発マスクを被ったモリーナ捕手は、一塁走者だった上林外野手のリードが大きいと見るや、ホームから一塁へ矢のような送球。上林外野手は慌てて帰塁したが間に合わず、牽制死となり、攻撃の芽を摘まれた。その後、5回にモリーナ捕手の3ランなどで4点を奪われ、試合の流れはMLBオールスターに大きく傾いた。

　試合後、稲葉監督は「4回にモリーナ選手に刺されてしまったことで一気に流れが変わった。あそこが今日はすべて。あそこを徹底させてあげられなかった私の責任です」と振り返り、1つのプレーが勝敗に与える影響の大きさを感じずにはいられなかった。

モリーナが侍ジャパンのキーマンを抑える好リード「非常に勉強している」

　第2戦まで好調だった打線は、その後8回まで2点目を奪えず。9回こそ代打出場した山川穂高内野手（埼玉西武）のタイムリーなどで2点を返したが、追いつけなかった。現役メジャー最高捕手と呼ばれるモリーナ捕手は、2戦連続アーチを放っていた柳田悠岐外野手（福岡ソフトバンク）やリードオフマンとして攻撃の起点となっていた秋山翔吾外野手（埼玉西武）などキーマンに対して内角を厳しく攻め立てるなど仕事をさせず。稲葉監督は「モリーナ選手が非常に勉強されていて、いいリードをしているなと感じました」と脱帽するしかなかった。

　試合前には、東京ドームの3連戦では投手陣全員に登板機会を与え、調子や適性を見極めたいと話していた指揮官。この日は先発の多和田投手が3回まで1安打無失点と快投したが、4回に1点先制されると、5回には4失点して途中降板。2番手の岩貞祐太投手（阪神）は走者を背負いながらも1回2/3を無失点。3番手の成田翔投手（千葉ロッテ）は2死からの3連打で2失点すると、8回は高梨雄平投手（東北楽天）、9回は岡田明丈投手（広島東洋）がそれぞれ3者凡退で締め、それぞれ好不調が分かれる内容となった。稲葉監督は「投手に関しては一通り経験できた。その中で良かった選手、悪かった選手が見えましたので、それも含めて（13日の）広島からやっていこうと思っています」と話し、第4戦以降により実戦に即した投手起用を行う方針を示した。

　本気度を一気に高めたMLBオールスターチームの前に、第3戦は持ち味を生かし切れなかった侍ジャパン。この試合での反省を第4戦以降にどう反映させるかで、チームの真価が問われることになりそうだ。

写真提供＝Getty Images

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images