侍ジャパンU-15、左腕・及川がキューバ打線を7回零封 「いい投球ができた」

2016.7.31

181センチ、66キロのスラリとした左腕・及川雅貴が前回大会優勝国のキューバ打線を封じた。

写真提供=Getty Images

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2試合連続完封スタートに導く好投、「大事な試合での先発は嬉しい」

 181センチ、66キロのスラリとした左腕・及川雅貴が前回大会優勝国のキューバ打線を封じた。「第3回 WBSC U-15 ベースボールワールドカップ in いわき」の予選リーグ2試合目。先発で7回を投げ、4安打無失点。29日の試合前に2戦目の先発を告げられたという及川は「大事な試合で、先発で投げられるのは嬉しいこと。期待に応えられるように頑張ろうと思った」と気合十分だった。

 この日の昼前にキューバを映像でチェック。「ほとんどのバッターが流し打ちだったので内角を攻めて詰まらせようと思った」とインコースを使っていくプランを立てた。初回を3人で片付けると、2回は1死から四球を与えたものの、右飛と遊ゴロで切り抜けた及川。3回にも1死から振り逃げの走者を出したが、捕邪飛で2アウトを奪った後、自ら牽制で刺した。

 走者を背負っても冷静なマウンドさばきを見せた及川。直球が高めに浮いていたこともあり、3回以降は「低めに行くように工夫した」と変化球の使い方を変えた。

 4回には1死から3番のロイデル・チャペジに三塁打を許したが、遊ゴロ、一直で切り抜けた。6回は先頭を安打で出しながら、変化球を打たせてゲッツー。最大のピンチは7回だ。3番のチャペジ、4番のマルコン・ヌニェスと連打を浴び、無死一、二塁で5番のフラニー・コボスがバント。1死二、三塁とされたが、「絶対に抑えてやるぞという強気で投げた」と及川。しなる左腕から繰り出す、120キロ後半から130キロ前半の伸びるまっすぐでグイグイと押して一邪飛、二飛でピンチを脱した。

鹿取監督も絶賛「及川の内容がよかった。いい流れを作ってくれた」

 映像とさほどのズレはなく、キューバ打線を零封。特に警戒していたのは初戦で4安打の4番ヌニェスだったと話し、「意識して集中して投げた」と1打席目は見逃し三振、2打席目は遊ゴロに打ち取った。「普段はもうちょっと多い。今日はだいぶ、少なく投げられた」。7回を投げ、球数は86球。打たれたヒットはわずかに4本で、緩急を自在に操り、打たせて取った。

 鹿取義隆監督は「及川の内容がよかった。いい流れを作ってくれた。(キューバが)変化球を追いかけてくれたが、星子(海勢)のリードもよかった。作戦勝ち」とバッテリーに拍手を送った。

 初戦のオーストラリア戦は4投手で完封。この日は及川の後を不後祐将がしっかり抑え、チームに2戦連続の完封勝ちをもたらした。

「今日はいいピッチングができたと思う。これから疲れがたまってくると思うのでストレッチとかを入念にやって、すぐに投げらえるようにしたい」

 キューバ打線を抑えた自信を胸に、及川の快投はこの先も続く。

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