侍ジャパン稲葉監督が野球教室で伝えたかった思い 「野球熱を復活させたい」

2020.1.7

野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの稲葉篤紀監督、井端弘和内野守備・走塁コーチが2019年11月23日、さいたま市内で行われた日本通運主催の野球教室「日本通運×侍ジャパン 野球教室」に参加した。11月に開催された「第2回 WBSC プレミア12」で大会初優勝を飾り、日本を10年ぶりに世界一へ導いた、その6日後。多忙なスケジュールの合間を縫って、稲葉監督と井端コーチが103人の子供たちと触れあいの時間を持ったことには理由がある。それは「野球熱を復活させたい」「野球に興味を持つ子供たちを増やしたい」という熱い思いがあるからだ。

写真提供=Full-Count

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「プレミア12」初優勝を手に「日本通運×侍ジャパン 野球教室」で小学生103人を指導

 野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの稲葉篤紀監督、井端弘和内野守備・走塁コーチが2019年11月23日、さいたま市内で行われた日本通運主催の野球教室「日本通運×侍ジャパン 野球教室」に参加した。11月に開催された「第2回 WBSC プレミア12」で大会初優勝を飾り、日本を10年ぶりに世界一へ導いた、その6日後。多忙なスケジュールの合間を縫って、稲葉監督と井端コーチが103人の子供たちと触れあいの時間を持ったことには理由がある。それは「野球熱を復活させたい」「野球に興味を持つ子供たちを増やしたい」という熱い思いがあるからだ。

 野球は今でも日本で根強い人気を誇り、今季プロ野球の観客動員数はセ・パ両リーグを合わせて約2654万人を数え、史上最多を更新した。一方、プレーするスポーツとして子供たちの野球離れは進んでいるという。稲葉監督は自身が侍ジャパンの指揮を執る今だけではなく、この先も長く野球が愛されるスポーツであり続けることを願い、未来を担う子供たちが少しでも野球に関心を持つように働き掛けている。

 トップチームを率いる中で常日頃から意識しているのが、侍ジャパンが「子供たちに憧れられる存在であること」だ。侍ジャパン入りした選手には、日本球界を牽引する責任感に加え、子供たちの目標や手本であるように伝えているという。今回の「プレミア12」に先駆けて行われた7月の記者会見でも「熱い戦いをし、そして優勝することで、侍ジャパンのユニホームに憧れ、野球に興味を持つ子供が1人でも増えてくれることを、1人の野球人として願っています」と思いを明かしていた。

稲葉監督がティー打撃、井端コーチが守備を指導 身振り手振りを交えた実演も

 そして、その言葉通りに見事優勝して迎えた、この日の野球教室。稲葉監督が「世界一になれてから初めてのイベントということで、まだまだ子供たちの記憶には新しいですし、まだ野球熱が子供たちの中にありましたので、非常に聞く耳も持ってくれました。充実した時間を過ごせたと思います」と手応えを話したように、雨で室内練習場での開催となったが、子供たちに浮かぶのは晴れやかで元気な笑顔ばかりだった。

 日本通運野球部の選手たちと共にティー打撃を指導した稲葉監督は、坂本勇人内野手(読売)に似た構えをする子供を見つけると、うれしそうに「勇人にそっくりだな」と目を細める場面も。「いいスイングしてるね」「素晴らしい」「その調子で打っていこう」など、参加する子供たちに声掛けをしながら、時には身振り手振りを交えて、肩の力を抜いたバットの構え方やタイミングのいいボールの捉え方などを実演して見せた。

 現役時代は主に遊撃を守り、ゴールデングラブ賞を7度獲得した井端コーチは守備を担当した。自らグローブをはめて捕球のタイミングや体勢を示したり、捕球した後に送球するまでのステップの踏み方を教えたり、ハイレベルな技術も伝授。「(子供たちの)反応がものすごくよかった。教えたことを素直にやってくれるので、そのまま続けてくれれば野球が上達すると思います」と、まだまだ広がりを見せる子供たちの可能性に太鼓判を押した。

稲葉監督「野球を好きになってほしい。とにかく野球の楽しさを知ってほしい」

 野球教室に参加した子供たちの中には、数多くの女の子の姿もあった。指揮官は「女子にも野球をやりたいという子供はいますし、ジャパンもあります。女子も含めて、野球人口がこれから増えてくれればと思います」と、男女ともに幅広く野球人気が拡大することを願った。

 この日、稲葉監督が子供たちに伝えたかったのは「野球を好きになってほしい。技術的なことを教えるというよりも、とにかく野球の楽しさを知ってほしい」という思いだった。「プレミア12」で初優勝を果たし、「反響はすごく大きかった」と影響力の大きさを実感した指揮官は、2020年に向けても「金メダルを獲ることで、もう一度野球熱を復活させたい。野球に興味を持つ子供たちを増やしたいという思いでやっていきたいと思います」と決意を新たにした。

 野球教室に参加した103人の子供たちに「ぜひ各世代での侍ジャパン入りを目指してください。また、この中から1人でもプロ野球選手になれるように頑張ってください」とメッセージを送った稲葉監督。野球を愛する指揮官の思いは、しっかりと子供たちに伝わったに違いない。

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