侍ジャパン、代走周東が大仕事 二盗&三盗で同点呼び「そのために呼ばれている」

2019.11.12

野球日本代表「侍ジャパン」は11日、ZOZOマリンスタジアムで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド初戦でオーストラリアに臨み、3-2で逆転勝ちした。1点ビハインドで迎えた7回、侍ジャパンを同点に導いたのは、代走で出場した「切り札」周東佑京外野手(福岡ソフトバンク)だった。

写真提供=Getty Images

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1点を追う7回に代走出場、稲葉監督「まずは同点に追いつこうと」

 野球日本代表「侍ジャパン」は11日、ZOZOマリンスタジアムで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド初戦でオーストラリアに臨み、3-2で逆転勝ちした。1点ビハインドで迎えた7回、侍ジャパンを同点に導いたのは、代走で出場した「切り札」周東佑京外野手(福岡ソフトバンク)だった。

 出番は7回にやってきた。先頭の吉田正尚外野手(オリックス)が中前安打を放って出塁すると、稲葉篤紀監督は迷わず、周東外野手を代走で起用した。「まずは同点に追いつこうと、周東に準備してもらっていた。こっちが勝負に出たところを、選手たちが理解してくれた」。指揮官の明確な狙いに選手が応えた。

「絶対にこの回で、自分が帰って同点にしてやろうと思っていました」という周東外野手に課された使命は1つ。武器の走力で先の塁を狙い、1点をもぎ取ることだ。23歳の侍は、自らの役割を完璧に遂行してみせた。

 浅村栄斗内野手(東北楽天)への5球目でスタートを切った。「なかなかタイミングが合わなかった。失敗できないので慎重にいきました」。相手投手との間合いを計るために4球を要した。そして迎えた5球目。浅村内野手は空振り三振に倒れたものの、周東外野手は盗塁に成功。まずは得点圏に進んだ。

7回2死からの大胆三盗、光る冷静な状況判断「1アウトの時と違って打者に集中していた」

 さらに、松田宣浩内野手(福岡ソフトバンク)が空振り三振で2死となると、周東外野手は思い切った策に出る。源田壮亮内野手(埼玉西武)への3球目で三盗を仕掛けた。「投手もそうですし、野手もそうだったんですけど、1アウトの時と違って打者に集中していた。100%セーフになれると思った」という確信のスタート。そして、見事に三塁を陥れてみせた。

 その直後の4球目、源田内野手がセーフティバントで畳みかけた。三塁走者の周東外野手でさえ「するとは思ってなかったです。アッと思った」と驚いたというプレーだったが、スピード全開で本塁へと突進。打球を処理した相手投手のタッチをかいくぐって、同点のホームに触れた。

「僕が出る状況での失敗は勝ち負けに直結する。特に今日はそれがあったので、失敗できないと思っていました」と周東外野手。1点ビハインドの場面、しかも試合は終盤の7回だった。ここで追いつかなければ苦しくなるという状況で、冷静に判断しながら、大胆に攻めた。

 同点に追いついた侍ジャパンは、8回に押し出し四球で決勝点を掴んで逆転勝ちした。値千金の仕事を果たした周東外野手は試合後、「今日みたいな仕事ができるのが1番です。そのために呼ばれていると思っているので」と笑顔を浮かべた。まさに侍ジャパンの「切り札」に相応しい、勝利を呼び込む活躍だった。

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