1994年以来24年ぶり優勝へ―― 侍ジャパン社会人代表が日本通運野球部と練習試合

2018.8.7

8月26日から開催される第18回アジア競技大会(インドネシア・ジャカルタ)で優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」社会人代表。8月2日から3日間の強化合宿を行ったチームは、3日午後には日本通運と練習試合を行い、猛暑の中、終盤に巻き返しを図って4-2で逆転勝利を収めた。

写真提供=Full-Count

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8月26日から始まる第18回アジア競技大会への強化合宿を実施

 8月26日から開催される第18回アジア競技大会(インドネシア・ジャカルタ)で優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」社会人代表。8月2日から3日間の強化合宿を行ったチームは、3日午後には日本通運と練習試合を行い、猛暑の中、終盤に巻き返しを図って4-2で逆転勝利を収めた。18日から始まる直前合宿の前に、課題と収穫が見つかる貴重な実戦となった。

 都市対抗野球を戦い終えた侍戦士が、本番を3週間後に控え、再結集した。猛暑が続く東京都内だが、アジア競技大会の会場となるインドネシアのジャカルタも、同様の暑さが予想される場所。選手の体調管理を含め、本番により近い気候条件での強化合宿となった。石井章夫監督は、18日から始まる直前合宿を最終調整の場と位置づけ、今回の3日間で「去年とだいぶ戦力が変わった中で、試合の中でのサインであったり、打順の流れなど、チームとしての形を確認したかった」と明かす。

 都市対抗野球が終わり、一旦オフに入るチームが多い8月。日通野球部と組まれた練習試合は、想像以上に意味あるものとなったようだ。試合序盤に主導権を握ったのは日通だった。侍ジャパンは、左腕の富山凌雅投手(トヨタ自動車)が先発。2回と5回に味方の失策で出塁を許すなど毎回走者を背負ったが、5回を投げて5安打2失点と力投した。

 打線は、小刻みな継投をする日通の作戦に苦戦。2点の先制を許した直後の4回裏、2死満塁の好機で6番・松本桃太郎外野手(Honda鈴鹿)が三塁フライに倒れ、6回無死一、三塁の好機からは1得点にとどまるなど、決め手の1本に欠けた。

 だが、6回のマウンドに上がった荒西祐大投手(Honda熊本)が打球を受けて負傷するアクシデントが発生しながらも、緊急登板の高橋拓已投手(日本生命)が好投。8回からは勝野昌慶投手(三菱重工名古屋)が走者を出しながらも無失点に抑えると、8回裏に打線が応えた。

 1-2の8回裏、1死から2連打と四球で満塁とすると、ここで代打の地引雄貴内野手(東京ガス)がフルカウントからファウルで粘った10球目を左翼へ鋭く弾き返した。打球は左翼手のグラブを弾く走者一掃の二塁打となり、侍ジャパンは一気に逆転に成功。投打の粘りで4-2の白星を手に入れた。

実戦だからこそ見えた課題と収穫

 試合後、石井監督は「今日もだいぶミスが出ましたが、試合をしないと分からないものばかり。今日はミスが出てよかった。チームを高めるためのいい材料が見つかったと思います」と話した。昨年優勝した第28回BFAアジア選手権でもチームを率いたが、代表24人のうち11人がプロ入り。約半分のメンバーが入れ替わったことで、「個々の経験は生きるけれど、チームとしての機能が変わった」という。新たなチームとして個の力を十二分に発揮するためにも、それぞれの役割、戦術を確認する貴重な機会となった。

 この日、先発マスクをかぶった木南了捕手(日本通運)も、実戦ならではの収穫を口にする。

「それぞれのピッチャーの球を受けたことはあるんですけど、打者に対してどう投げるか、打者がどんな反応をするのか、ピンチや重要な場面でどんな球が来るのかは、実戦でなければ確認できないこと。投手のスタミナという部分でも、何回くらいまで持つかというのは、普段組んでいないと分からない部分でもあるので、いい緊張感の中でいろいろ知ることができました」

 また、都市対抗野球では打率.524の活躍でチームを優勝に牽引し、橋戸賞を獲得した近本光司外野手(大阪ガス)はこの日も4打数2安打2盗塁の活躍。自チームでは5番だが侍ジャパンでは3番を任されることが多く、「場面によって臨機応変に対応していきたい。勝負強さはもちろん、自分の特徴でもある足を使った攻撃で、積極的なプレーを侍ジャパンでも見せていきたいです」と意気込む。

 本番まで残された時間はあとわずか。1994年以来24年ぶり、6大会ぶりの優勝にかかる期待は高い。石井監督は「優勝したいです。でも、私以上に選手が1994年以来の金メダルを獲りたいと思っていますし、獲ってくれると思います」と自信をこめる。18日からの直前合宿を経て、侍ジャパン社会人代表がいよいよアジア競技大会に乗り込む。

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