元甲子園球児の父に導かれて野球の道へ 山下真輝が強敵・韓国戦で躍動

2016.12.11

中国・広東省で行われている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は10日、大会2日目を迎え、侍ジャパンU-12代表は韓国に11-1の5回コールド勝ちを収めた。前回大会3位の韓国から11点を奪った日本。7番・右翼でスタメン出場した山下真輝も3打数2安打2打点でコールド勝ちに貢献した。

写真提供=Getty Images

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韓国戦で3打数2安打2打点、コールド勝ちに貢献した山下

 中国・広東省で行われている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は10日、大会2日目を迎え、侍ジャパンU-12代表は韓国に11-1の5回コールド勝ちを収めた。前回大会3位の韓国から11点を奪った日本。7番・右翼でスタメン出場した山下真輝も3打数2安打2打点でコールド勝ちに貢献した。

 序盤に3点を奪ったものの、4回に1点を返された侍ジャパンU-12代表。再び、流れを引き寄せたい失点直後に山下のバットが口火を切った。「回の先頭だったので自分が出ないといけないと思いました。早くから捉えられて良かったです」と、1ストライクからの2球目にバットを振り抜くと、打球は相手左翼手の頭上を超えて二塁打となった。

「1打席目は緊張してタイミングが合わなかったので、体の力を抜いて打席に立ちました」と前打席の反省も活かした。続く8番・砂頼人がバントをすると、相手捕手が一塁に送球エラー。山下はその間にホームを踏んだ。さらにこの回、日本は1点を追加し、再びリードを広げた。

 3番・内間究から始まった5回の攻撃では打線が途切れず、無死満塁で山下に打席が回ってきた。「前の打席で打っていたので、リラックスをして、前の打席と同じように打とうと思いました」。初球をレフト前に運び、2人を返した。この回の大量点に結びつける貴重なタイムリーであり、コールド勝ちにつなげる一打になった。「大事な試合だと言われていたので、大差で勝てて、いい試合になりました」と安堵した。

 初戦は代打で登場するもチーム唯一の三振に倒れた。「少ないチャンスの中でアピールしないといけないのに、アピールできませんでした。今日はスタメンで使ってもらったので、打ってアピールし、ずっとスタメンで出られるようにしたいと思いました」と、前日の反省を生かし、2安打を放ってチームに貢献。守備では3回、無死一塁でライト前に飛んだ捕球判断が難しい打球を捕って、一塁走者の動きを確認してセカンドベースに送球。9-6のフォースアウトを完成させ、進塁させなかった。仁志敏久監督は「守備が心配でしたが、ちゃんと守ってくれたし、打ってくれた」と称えた。

元甲子園球児の父に背中を押され、野球の道へ

 山下が野球を始めたきっかけは甲子園だ。小学1年の夏。父・真二さんに連れられ、高知県から甲子園球場に観戦に行った。

「甲子園を見せたら気が変わるのではないかと思ったんです」と話すのは、父・真二さん。山下はサッカーをやりたがっていたそうだが、2つ上の兄が野球をやっていた上、父・真二さんは高知商高で甲子園に2度、出場がある元高校球児で30歳まで社会人野球・三菱重工三原でプレーした。真二さんは高校3年夏、1年生の桑田真澄、清原和博を擁するPL学園に準々決勝で敗れた。「清原は野球をやっていて一番のカルチャーショック。1年でこんなやつがおるんやって。化け物ですね。センターを守っていましたが、右に左にずっと走っていました」と懐かしむ。

 真二さんは「甲子園に行ったらサッカーボールを買ってやる」と約束しつつ、自身の青春の思い出が詰まった聖地で気が変わってほしいとも思っていた。その思惑通り、「バックネット裏から甲子園球場に入った瞬間、『すげー』と感動していましたね。そして、『甲子園は見るところやない。この中に入って、プレーせなアカン』って言って。帰る時には『野球を始める』と言って、サッカーボールではなく、『グラブを買って』となりました」。

 そこからは野球にのめり込み、どんどん上達。4年生からレギュラーで試合に出るようになった。侍ジャパンU-12代表の選考合宿も父の勧め。「チャンスがあるなら受けてみたいと思いました」と山下。合格を手にし、「テレビで見るユニホームを着て、日の丸を背負っているので、今までと同じようにやっていてはダメだと思っています」と代表としての自覚もしっかりと持っている。

 韓国をコールドで下し、グループBの2位以内が決定。準決勝進出も決まった。優勝を目指す侍ジャパンU-12代表。山下は「自分の結果も大事だけど、チームが勝つことが大事。今日もいい試合ができたので明日も今日のようにみんなと協力して戦いたいです」と意気込んだ。

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