井端監督らが小学生120人に野球の魅力を伝授 「NXグループ×侍ジャパン野球教室」開催

2023.12.22

12月とは思えない暖かな陽気となった10日、埼玉県さいたま市内にあるNIPPON EXPRESS浦和ボールパークで「NXグループ×侍ジャパン野球教室」が開催された。野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督、金子誠ヘッドコーチ、吉見一起投手コーチが講師として小学生約120人を指導。日本通運野球部の澤村幸明監督やコーチ、選手たちもユニホーム姿でサポートし、会場は子どもたちの歓声に包まれた。

写真提供=Full-Count

写真提供=Full-Count

金子・吉見両コーチに加え、日本通運野球部メンバーもサポート役で参加

 12月とは思えない暖かな陽気となった10日、埼玉県さいたま市内にあるNIPPON EXPRESS浦和ボールパークで「NXグループ×侍ジャパン野球教室」が開催された。野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督、金子誠ヘッドコーチ、吉見一起投手コーチが講師として小学生約120人を指導。日本通運野球部の澤村幸明監督やコーチ、選手たちもユニホーム姿でサポートし、会場は子どもたちの歓声に包まれた。

「子どもたちが楽しそうだったことが一番良かった。普段野球をやっていない子も結構参加してくれていたので、明日以降、野球に興味を持ち、野球チームに入ってくれる子が増えればいいなと思います」。井端監督が目を細めて語ったように、子どもたちの中には20人ほど野球初心者も含まれていた。

 小学4年生の久保田耀太郎くんは少年ラグビーに熱中しており、この日も桜をあしらったラグビー日本代表のジャージを着て参加。井端監督に直接、ゴロを捕球する際のグラブの角度を直してもらい、「捕りやすくなりました。楽しかったです」と頷いた。

 久保田くんは普段は野球をやらないが、今年3月の2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(WBC)をテレビで観戦し、侍ジャパンの戦いぶりに興味を引かれた。準決勝で村上宗隆内野手(東京ヤクルト)が放った逆転サヨナラ2点二塁打と、決勝で大谷翔平投手(現ロサンゼルス・ドジャース)が最後の打者となったマイク・トラウト外野手(ロサンゼルス・エンゼルス)を空振り三振に仕留めたシーンは、DVDで何度も繰り返し見ているという。WBCで蒔かれた“種”に、今回の野球教室で“水”が与えられ、野球に取り組む子どもが増えるなら素晴らしいことだ。


写真提供=Full-Count

井端監督は守備担当、子どもたちのレベルに応じた柔軟な指導を披露

 子どもたちは4つのグループに分かれ、「守備パート」「バッティングパート」「キャッチボールパート」「トレーニングパート」の4か所で20分ずつ指導を受けながら、回った。

 守備パートの指導を担当した井端監督は、上級者の子どもには軽くノックを行い、身振り手振りを加えながら熱心に指導。一方、初心者が多く含まれているグループでは「野球チームに入ると『ゴロは前に出ながら捕れ』と言われますが、みなさんはまだ前に出なくていいです。しっかり捕ることだけに集中してください」と声を掛けた。

「動きながら捕るのは難しいので、まず100球なら100球、全部を捕れるようになったら、1歩前に出て捕ってみて、それもできたら2歩出てみる。そういう風にやっていく方が確実に早く上手くなります。急がなくていいからね」と説明。十把一絡げではなく、それぞれの現状に合わせた丁寧な指導を行った。

 キャッチボールを教えた吉見コーチも、初心者には「最初はボールを捕れなくてもいいから、グラブに当てることから始めよう」とアドバイスを送った。上級者はペアを組んで交互に捕手役を務め、10球のうちストライクを何球投げられるかに挑戦。現役時代、針の穴を通すほどの正確な制球力を誇った吉見コーチが「僕は指ではなく、肘でコントロールするイメージで投げていました」と秘訣を披露する一幕もあった。

 打撃指導を行った金子コーチは、子どもたちに伸び伸びとスイングするように声を掛けるなどバッティングの基礎を伝授。日本通運野球部の選手が手本としてバッティングを披露し、打球が外野のフェンスを越えると子どもたちから大歓声が上がる場面もあった。


写真提供=Full-Count

井端監督「野球をやる以上は侍ジャパンを目標にしてほしいです」

 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。侍ジャパンコーチ陣による技術的な指導が終わった後には、トークショーと質問タイムを開催。子どもたちから活発に質問が寄せられ、侍ジャパン講師陣らとの交流が図られた。じゃんけん大会では講師陣のサイン入りグッズが当たった子どもが大喜びする場面も。野球指導はもちろん、レクリエーションの部も子どもたちの記憶に残る時間となったようだ。

 また、この日は野球教室を主催するNXグループの企業メッセージ「We Find the Way」になぞらえ、参加した子どもたちに「将来の夢」と「その夢を叶えるために頑張ること」を書き込むメッセージボードを配付。子どもたちがそれぞれに夢を書き込みながら、大きな可能性が広がる将来に思いを馳せる場面もあった。

 侍ジャパンにはU-12代表からトップチームまで8つのカテゴリーがあり、子どもたちにも積極的に国際経験を積んでもらいたいと体系だった取り組みに臨んでいる。11月に開催された「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」に出場した侍ジャパン26選手のうち約半数が、アンダー世代の代表経験者でもあった。

 今夏までU-12代表監督を2年務め、トップチームの監督就任時にはU-15代表監督の兼務も発表された井端監督もまた、各世代において侍ジャパンが目標となる存在であることを願っている1人だ。「野球をやる以上は侍ジャパンを目標にしてほしいです。子どもたちはまず、U-12代表、U-15代表を目指してくれてもいい。最終的にトップに入りたいという気持ちでやってもらえたら嬉しいなと思います」と想いを語った。

 この日の野球教室で井端監督、金子コーチ、吉見コーチと触れ合ったことをきっかけに、将来、侍ジャパンのユニホームに袖を通す子どもたちが生まれたら……。こうした活動を通じて、野球という文化のバトンが次世代へと繋がれることに期待したい。

記事提供=Full-Count
写真提供=Full-Count

NEWS新着記事