U-12代表がアジア選手権で2大会連続3位 代表15選手に届いた仁志監督のメッセージ
野球日本代表「侍ジャパン」トップチームが東京ドームで「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の熱戦に火花を散らしていた11月23日。四国・愛媛ではU-12代表が「第11回 BFA U12アジア野球選手権」の開幕を迎えていた。チームを率いるのは、5年ぶりの復帰となった仁志敏久監督。デジタルチャレンジ、合同トライアウトを経て選ばれた15選手とともに、2016年の第9回大会以来となる2度目の優勝を目指し、大会に臨んだ。
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11月23日から愛媛で「第11回 BFA U12アジア野球選手権」開催
野球日本代表「侍ジャパン」トップチームが東京ドームで「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の熱戦に火花を散らしていた11月23日。四国・愛媛ではU-12代表が「第11回 BFA U12アジア野球選手権」の開幕を迎えていた。チームを率いるのは、5年ぶりの復帰となった仁志敏久監督。デジタルチャレンジ、合同トライアウトを経て選ばれた15選手とともに、2016年の第9回大会以来となる2度目の優勝を目指し、大会に臨んだ。
大会には8チームが参加し、日本は中国、フィリピン、インドと同じグループAでオープニングラウンドを戦った。中国との初戦で先発マウンドを任されたのは福田周吾選手(IBCレイカーズ)。初回を3者凡退とすると、その裏に打線が爆発。中村豪志選手(枝吉パワーズ)の中前2点タイムリーや石﨑悠士郎選手(本郷北学童野球クラブ)の左翼3点弾など打者一巡で5点を先制。2回以降もこの流れが続き、結局、投げては4投手がノーヒットノーランで継投し、打線は16点を挙げて、4回コールド勝ちを収めた。
オープニングラウンドは日本が圧倒的強さで首位通過
続くフィリピン戦では、先攻の日本が初回、2死一、二塁の好機を生むが得点できず。2回は2死二塁、3回は2死満塁を迎えたが1点が遠かった。それでも、先発の立岩駿選手(古高松ブルースターズ)から始まる無失点リレーを繋ぐと、4回に四球で出塁した池田夏唯選手(下馬ジュニアクラブ)が盗塁を決めるなどして先制ホーム。これで流れをたぐり寄せると、8安打9得点で完封勝利を飾った。
第3戦のインド戦では、初回から打線が大暴れ。打者一巡で6点を挙げると、7点リードで迎えた3回には俊足の峰岸走太朗選手(菱・境野フューチャーズ)がランニング本塁打を放つなど、打者2巡で15点を加えた。投手陣は一寸木健翔選手(西湘シーホース)から始まる4投手のリレーで打者12人から11奪三振。4回コールド勝利した日本は、オープニングラウンド3勝全勝の首位で、スーパーラウンドに駒を進めた。
スーパーラウンドでは韓国、チャイニーズ・タイペイを相手に打線が苦戦
スーパーラウンドには、グループAから日本と中国、グループBから韓国とチャイニーズ・タイペイが進出。日本はまず、グループB首位の韓国と対戦した。試合は4回まで0−0と拮抗。どちらも得点圏へ走者を置きながら、あと1本が出なかった。だが、5回2死からマウンドに上がった日本の3番手、一寸木選手が連打で先制を許すと、味方失策も重なり2失点。6回の攻撃は3者凡退に終わり、日本は悔しい完封負けを喫した。
勝った方が決勝進出という条件で臨んだチャイニーズ・タイペイ戦は、一歩も譲らぬ接戦となった。悪天候により、試合会場が松山市の坊ちゃんスタジアムから今治市営球場に変更となるハプニングにもめげず、選手たちは思いきり戦い抜いた。大一番で先発を任された石崎選手は、毎回走者を背負いながらも味方守備に助けられ、4回を無失点。鈴木陽士選手(松島ジュニアクラブ)、古畑太誠選手(深川ジャイアンツ)と繋いで6回を終えて「0」とした。
だが、この日は打線がチャイニーズ・タイペイ先発投手の前に手も足も出ず。初回に2四球で出塁したものの、6回に先頭の福田選手が放った遊撃内野安打がこの日の初ヒット。試合は6回を終えて0-0のまま、延長タイブレークへと突入した。7回にスクイズで1点を失った日本は、その裏に反撃を期するが及ばず。0-1で敗れ、3位決定戦に進むこととなった。
2大会ぶり優勝ならずも、全力で手に入れた銅メダル
3位決定戦では、オープニングラウンドで大勝した中国と再戦。決勝進出の悔しさが募る中での試合となったが、しっかり気持ちを切り替えた選手たちが集中力を見せる。打線は初回から相手投手陣を捉え、4回を終えて7得点。投げては、立石選手、鈴木選手、惣宇利銀河選手(神明サンダーズ)が5回をノーヒットノーランで繋いだ。5回の攻撃でも先頭打者から畳みかけ、3点を加えたところでコールドゲームが成立。日本は10-0で勝利し、2大会連続となる銅メダルを手にした。個人では石崎選手が最優秀防御率とベストナイン(指名打者)、漆崎一輝選手(ドラゴン中藤スポーツ少年団)がベストナイン(一塁手)に輝いた。
目標とした2大会ぶりの優勝には手が届かなかったが、11月初頭の強化合宿、大会直前の事前合宿、そして大会を通じて、互いに切磋琢磨し、全力を出し切った15人の代表メンバーたち。大会前、仁志監督は「選手たちには『チームに貢献するためには何をすべきか』を常に考えていてほしい。自分の意思で発言し、行動できる人間になれるように、今大会がきっかけになればと思います」と話していたが、指揮官の想いは、しっかり選手の心にも届いたはずだ。この経験を生かして、今後も大きく羽ばたきたい。
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