球春到来! 侍ジャパン経験を持つ新人5選手が1軍スタート 開幕1軍へアピール
今年も2月1日から宮崎と沖縄でプロ野球春季キャンプがスタートした。プロとしてのキャリアをスタートさせる新人選手は12球団合わせて120人を超えるが、そのうち17選手が野球日本代表「侍ジャパン」の経験を持つ。

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侍ジャパン経験を持つ17人の新人選手のうち、大学生5人が1軍スタート
今年も2月1日から宮崎と沖縄でプロ野球春季キャンプがスタートした。プロとしてのキャリアをスタートさせる新人選手は12球団合わせて120人を超えるが、そのうち17選手が野球日本代表「侍ジャパン」の経験を持つ。
「新人選手」と一言で表しても、高校生から社会人まで年齢も経験も幅は広い。かつては即戦力として期待される選手がドラフトで上位指名されることが多かったが、最近では1軍デビューを焦らせることなく、チーム独自の育成プログラムに合わせ、デビューの時機をうかがうことが多い。
そのため、新人選手の多くは2軍(B組)で春季キャンプを迎えるが、中には1軍でスタートする選手も。今回はプロ入り前に侍ジャパンでプレーした経験を持つ17選手のうち、1軍でキャンプインした5選手を紹介したい。
救援として期待の高い横浜DeNA・篠木、千葉ロッテ・西川は大先輩の背番号を継承
昨季はセ・リーグ3位ながら、クライマックスシリーズ、日本シリーズと破竹の快進撃を見せ、26年ぶりの日本一に輝いた横浜DeNAでは、ドラフト2位指名の篠木健太郎投手が主力メンバーの揃うA班スタートとなった。群馬県出身の篠木投手は木更津総合高(千葉)に進み、1年の夏に第100回全国高等学校野球選手権記念大会に出場。だが、3年の夏は新型コロナウイルス感染症の流行により、夏の甲子園が開催されない悔しさを味わった。
法政大学に進学すると、最速157キロに達するストレートを持ち味に活躍。2022年には2年生ながら侍ジャパン大学代表に選ばれ、「第30回 ハーレムベースボールウィーク」に出場。2試合(2回)に登板し、3安打5奪三振無失点と好投した。4年生になると再び大学代表入りし、昨夏の欧州遠征に参加。特に「第31回 ハーレムベースボールウィーク」では初戦の米国戦で3回1/3を無失点とする好救援で勝利投手となると、決勝でも同じく米国を相手に1回無失点とし大会2勝目をマーク。力強いストレートとキレのあるスライダー、フォークが魅力で即戦力として期待される。
昨季パ・リーグ3位だった千葉ロッテでは、ドラフト1位指名の西川史礁外野手が1軍選手が集まる石垣島組となった。昨年3月の「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に大学生ながらトップチーム入り。試合でも第1戦は途中出場ながら2安打1打点と結果を出し、スタメン出場した第2戦では好守備でも魅せた。
和歌山県出身で龍谷大学付属平安高校では2年春に第91回選抜高等学校野球大会に出場。青山学院大では3年から外野のレギュラーとなり、東都大学野球リーグで4季連続優勝の立役者となった。4年時には全日本大学野球選手権大会、明治神宮野球大会も制して、4冠を達成。思いきりのいいスイングながら広角にも打てる打撃が魅力の右打者で、大学の大先輩でもある井口資仁元監督の背番号「6」を継承。走攻守の3拍子が揃った外野手として注目される。
東北楽天は大型遊撃手の宗山、広角に打てる長打が魅力の外野手・吉納が1軍スタート
昨季リーグ4位だった東北楽天では、侍ジャパン経験を持つ2選手が1軍でキャンプインした。ドラフト1位指名の宗山塁内野手は西川選手と同様に、昨年3月に大学生としてトップチームに選ばれたが、練習中に負傷し、試合には出られなかった。だが、同じ遊撃手として活躍した井端弘和監督からの評価は高く、守備に関しては「欠点を見つけるのが難しい」とも話したほどだ。
広島県出身で地元・広陵高校から明治大へ進み、1年春からレギュラーとして活躍。2年生で大学代表に選ばれ、「第30回 ハーレムベースボールウィーク」に出場している。大学通算打率は.334と打撃にも定評があり、将来は東北楽天のみならず、日本を代表する遊撃手として期待する声も多い。
同じく東北楽天ではドラフト5位指名の吉納翼外野手が1軍メンバー入りした。愛知県出身で東邦高校では2年春の第91回選抜高等学校野球大会で優勝を経験。早稲田大に進むと2年春から外野のレギュラーとなり、4年時には東京六大学野球リーグで春秋の2季連覇を達成した。大学通算13本塁打で広角に打てる長打が魅力の外野手。選球眼の良さや守備力、走塁にも定評がある。
埼玉西武では大学代表の3番打者・渡部聖弥が新人唯一の抜擢
最後は、リーグ最下位からの巻き返しを期す埼玉西武にドラフト2位指名された渡部聖弥外野手だ。新人選手としては唯一の1軍スタートで、パワー溢れる打撃と強肩、俊足を武器にアピールする。広島県出身で広陵高校では宗山選手とチームメートとし、三遊間を組んだ。大阪商業大では2年生の時に関西六大学野球連盟の秋季リーグで5本塁打を放ち、シーズン最多本塁打記録を塗り替えた。3年、4年時に大学代表入りし、2024年の欧州遠征では3番打者を任され、11試合に出場して通算打率.295、9打点の成績で、主軸として存在感を光らせた。
はたして5選手の中から開幕1軍入りを掴む選手が現れるのか。はたまた、2軍スタートだった選手がアピールに成功し、開幕1軍入りを射止めるのか。侍ジャパンの一員として積んだ国際大会での経験を生かしながら、それぞれがどのようなキャリアを歩んでいくのか、楽しみに見守りたい。
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