ドラフト会議をにぎわせた侍ジャパン経験者たち 最多は大学代表からの15人

2023.11.6

「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が10月26日に行われ、支配下選手として72人が指名を受けた。続いて行われた「育成選手選択会議」では50人が育成選手として指名され、合計122人がプロとして一歩を踏み出す権利を得た。今年は1位指名された12人のうち、9人が大学生という結果に。2位以下でも大学生が目立ったドラフト会議だったが、この中には野球日本代表「侍ジャパン」の世代別代表を経験した選手も数多くいた。

写真提供=Full-Count

写真提供=Full-Count

プロ野球ドラフト会議では支配下72人、育成50人が指名を受ける

「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が10月26日に行われ、支配下選手として72人が指名を受けた。続いて行われた「育成選手選択会議」では50人が育成選手として指名され、合計122人がプロとして一歩を踏み出す権利を得た。今年は1位指名された12人のうち、9人が大学生という結果に。2位以下でも大学生が目立ったドラフト会議だったが、この中には野球日本代表「侍ジャパン」の世代別代表を経験した選手も数多くいた。

 中でも、今年7月に開催された「第44回 日米大学野球選手権大会」からは出場選手26人のうち15人が指名され、さらに7人が1位指名という結果になった。同大会で日本は2大会連続20回目の優勝を飾ったが、米国開催に限ると2007年以来史上2度目の優勝という快挙でもあった。

 3球団が競合し、埼玉西武の松井稼頭央監督が交渉権を引き当てたのは、好救援で優勝に貢献した武内夏暉投手(國學院大)だ。長身から投げ下ろすストレートが武器の左腕で、カーブやチェンジアップなどで打者のタイミングをずらす投球が魅力だ。2球団から指名を受けた常廣羽也斗投手(青山学院大)は、抽選の結果、広島東洋の新井貴浩監督が交渉権を得てガッツボーズ。力強いストレートを武器に大学代表では先発に加えて抑えも担い、決勝では胴上げ投手となった。日米大学野球では3戦3勝の好投でMVPに輝いた下村海翔投手(青山学院大)は阪神から1位指名を受けた。

大学代表の野手で唯一の1位指名となった上田は千葉ロッテ

 中日は草加勝投手(亜細亜大)、東北楽天は古謝樹投手(桐蔭横浜大)、北海道日本ハムは細野晴希投手(東洋大)を1位で指名した。7人のうち唯一の野手でもある上田希由翔内野手(明治大)は、千葉ロッテが指名した左の強打者。勝負強さを持ち、大学代表ではクリーンアップの一角を任された。

 日米大学野球では全5試合で先発マスクを被った進藤勇也捕手(上武大)が北海道日本ハム、上田大河投手(大阪商業大)が埼玉西武、岩井俊介投手(名城大)が福岡ソフトバンクから2位指名。廣瀬隆太内野手(慶應義塾大)は福岡ソフトバンク、辻本倫太郎内野手(仙台大)は中日、宮崎一樹外野手(山梨学院大)は北海道日本ハムから3位指名を受けるなど、大学代表からの上位指名が多かった。

 この他、福岡ソフトバンク4位で村田賢一投手(明治大)、東北楽天6位で大学代表主将を務めた中島大輔外野手(青山学院大)が指名されている。メジャーリーグ選手の卵が多くひしめく米国代表と対戦し、勝利した経験は、これからプロの土俵で戦う15人にとってかけがえのない財産になったはずだ。

3球団競合の横浜DeNA1位・度会はU-15代表経験者

 武内投手と同じ3球団から1位指名を受けた度会隆輝外野手(ENEOS)は、高校時代を過ごした横浜を本拠地とする横浜DeNAが交渉権を獲得。横浜高3年時にはドラフト指名を受けない悔しさを味わったが、3年越しでの1位指名に涙を光らせた。意外にも社会人代表経験のない度会選手だが、2017年に開催された「U-15 アジアチャレンジマッチ2017」にU-15代表として優勝を経験。打撃で大活躍し、最優秀選手賞に輝いている。同じくU-15代表経験者では、星野恒太朗投手(駒澤大)が福岡ソフトバンクから育成5位で指名を受けた。

 その福岡ソフトバンクから1位指名を受けたのが、U-18代表の前田悠伍投手(大阪桐蔭高)だ。8月に台湾で開催された「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」ではエースとしてチームを牽引。米国戦、韓国戦、そして決勝のチャイニーズ・タイペイ戦で先発を任され、3試合でわずか1失点の快投を披露した。

 二刀流の武田陸玖投手(山形中央高)は横浜DeNA、木村優人投手(霞ヶ浦高)は千葉ロッテ、山田脩也内野手(仙台育英高)は阪神から3位指名。一塁手として出場し、6打点を挙げた寺地隆成捕手(明徳義塾高)は千葉ロッテから5位指名を受け、ワールドカップ初優勝を飾ったU-18代表メンバーからは5人がプロの門をくぐることになる。

読売2位指名の森田はU-18代表と社会人代表で侍ジャパンを経験

 10月に開催された「第19回 アジア競技大会」に社会人代表として出場したのは、読売から2位指名を受けた森田駿哉投手(Honda)だ。大会では中国戦に先発し、3回を1失点という成績。富山商業高3年時の2014年にはU-18代表入りを果たし、「第10回 BFA 18Uアジア選手権」に出場した経験も持つ。

 その他、社会人からは2022年の「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」優勝メンバー2人が指名を受けた。福岡ソフトバンクから5位指名を受けた澤柳亮太郎投手(ロキテクノ富山)は救援として5試合に登板。オリックスから7位指名された権田琉成投手(TDK)は抑えとして7試合に投げ、防御率1.00の好投で大会MVPと救援投手部門のベストナインに選ばれた。

 今年もまた、侍ジャパンのユニホームを身につけ、国際大会の経験を積んだ選手たちが数多くプロの門を叩く。プロ入り前に味わうことができた貴重な機会をどう生かすのか。近い将来、この中からトップチームの一員として再び侍ジャパンのユニホームをまとう選手が出ることを期待したい。

記事提供=Full-Count
写真提供=Full-Count

NEWS新着記事