9日に「2018日米野球」が開幕 稲葉監督の言葉から探る侍ジャパンの注目点は?

2018.11.5

野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」が11月9日から開催される。9~11日に東京ドームで3試合を行い、13日は広島のマツダスタジアム、14、15日はナゴヤドームと計6試合が行われる予定。NPBのトッププレーヤーとメジャーリーガーの“真剣勝負”が繰り広げられる。

写真提供=Getty Images

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MLBオールスターチームを相手に計6試合、絶好の“腕試し”に

 野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」が11月9日から開催される。9~11日に東京ドームで3試合を行い、13日は広島のマツダスタジアム、14、15日はナゴヤドームと計6試合が行われる予定。NPBのトッププレーヤーとメジャーリーガーの“真剣勝負”が繰り広げられる。

 すでに、両チームとも出場メンバーを発表済み。MLBオールスターは、メジャー最強捕手の呼び声高いヤディエル・モリーナ捕手(セントルイス・カージナルス)、ナ・リーグ新人王を争うロナルド・アクーニャJr.外野手(アトランタ・ブレーブス)、フアン・ソト外野手(ワシントン・ナショナルズ)らに加え、ロサンゼルス・ドジャースの2年連続ワールドシリーズ進出に貢献した前田健太投手らが参戦する。元広島東洋の前田投手はかつての本拠地マツダスタジアムのマウンドに上がる可能性もありそうだ。

 一方で、稲葉篤紀監督が率いる侍ジャパンも今季活躍した選手を中心に本気の顔ぶれ。メジャーリーガー相手に絶好の“腕試し”となる。稲葉監督はいったいどのような意図で今回のメンバーを選出し、どのような戦いを目指しているのか。メンバー発表会見の言葉から紐解いてみよう。

 まずは、日本が世界に誇る投手陣。若手中心のメンバーの中で目を引くのが、東北楽天の岸孝之投手だ。33歳の右腕は今季23試合登板で11勝4敗、防御率2.72の好成績をマーク。これまでも日本代表の候補に入ったことはあったが、国際大会とは縁がなかった。稲葉監督はベテランの域に達した右腕に対する期待を隠さない。

「岸投手は以前、ジャパンの候補にも入っていたことがありますが、アメリカのボールが少し合わないという理由などでなかなかジャパンに入ることができなかったというのがあります。今回、(東京)オリンピックも含めて日本に近いボールになるということで(選出したが)、私も(打者として)対戦していますが、球にも力があり、タイミングが取りづらい。メジャーリーガーと戦う中で岸投手のボールがどれだけ通用するのか、それを見てみたい」

 キレのある直球に加えて、大きなカーブも武器とする岸投手。日本球界屈指の実力者として活躍を続ける右腕はメジャーリーガーをも手玉に取ってしまうのか、注目が集まる。

 また、先発投手では今季ブレークした上沢直之投手への期待も大きい。北海道日本ハムのエースに成長し、25試合登板で11勝6敗、防御率3.16と活躍。まさに飛躍の1年となった。

 稲葉監督は「上沢投手は非常に気持ちも強い選手です。また、ゆったりとしたフォームから力強い球も投げる初見では打ちづらい投手です。彼の持っているフォークもメジャー選手相手にどこまで通用するのか見ていきたいと思っています」と話す。日本人投手がメジャーリーグに挑戦する時、大きな武器となるのが縦に変化するボール。国際大会で上沢投手のフォークが効果的だと確認できれば、今後に向けて大きな収穫となる。

野手では4番の岡本内野手、強打の森捕手に注目

 一方、野手では読売の岡本和真内野手が侍ジャパンに初選出された。今季は読売の4番を務め、全143試合出場で打率.309、33本塁打、100打点というハイレベルな数字をマーク。史上最年少での「打率3割、30本塁打、100打点」を達成した。稲葉監督も今季の活躍を絶賛する。

「岡本選手は今年1年、非常に成長した選手だと思います。ジャイアンツの4番を任され、結果を残し、精神的にも強さを持っていると感じました。ジャパンというチームに入るのも初めてでしょうけど、自分の力をジャパンで思い切って発揮してほしいと思っています」

 将来の主砲候補として期待されるが、2017年の「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」で4番を務めた筒香嘉智外野手(横浜DeNA)が今回辞退しただけに、早速、主軸を任される可能性も出てきた。稲葉監督は「当然ジャイアンツで4番を打っていますので、4番候補になり得る可能性はありますけども、まだジャパンに初めて入るということで、あまりプレッシャーをかけないほうがいいのかなというのもいろいろ考えながらやっていきたいと思います」と慎重な姿勢を崩さなかったが、その力が現段階でメジャーリーガー相手にどこまで通用するか、しっかりと見ておきたいところだろう。

 また、「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」からガラリと顔ぶれが変わったのがキャッチャー陣だ。森友哉捕手(埼玉西武)、會澤翼捕手(広島東洋)、甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)というメンバーの中で、打撃をストロングポイントとしているのが森捕手、會澤捕手の2人。埼玉西武の10年ぶりパ・リーグ制覇に貢献した森捕手の豪快な打撃は国際大会でも大きな武器となりそうだ。

「キャッチャーというのは、守ることが一番大事だと私は思っていますけども、特に国際大会は点を取らないと勝てないという部分では当然、キャッチャーも打てたほうがいいと思います。その中で(今年の森捕手は)打つほうは期待通りの活躍でした。キャッチャーとして今年1年どうなのかなと見ていましたが、非常にブロッキングも安定していますし、リード面でもピッチャーをうまく引っ張っていってくれているなと。経験も積んできましたし『これから』という意味でも非常に楽しみな選手だと思います」

 日本は2006年の第1回WBCは里崎智也氏、2009年の第2回WBCは城島健司氏という強打の捕手を擁して世界一に辿り着いた。選手としてもWBC制覇を経験している稲葉監督は、森捕手のプレーに熱視線を送ることになりそうだ。

「金メダルを取るにあたって、アメリカは避けて通れない相手。勝っていかなくてはいけない。その中で、この日米野球を通じて、選手たちがどこまで通用するかを見ていきたいなという部分があります。2020年のオリンピックに向けて(選手)選考はギリギリになる。オリンピックの戦いは始まっている。選手に意識を持って戦ってほしい」

 大きな目標に向かい、着々と歩みを進めている稲葉ジャパン。この「2018日米野球」が大きな経験値となることは間違いない。一流メジャーリーガーが揃う相手に確かな手応えをつかみたいところだ。

※出場選手は11月5日時点

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次回:11月12日20時頃公開予定

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