侍ジャパン社会人代表、快勝で2大会ぶりアジア制覇! 石井監督「選手がよくやってくれた」

2017.10.9

侍ジャパン社会人代表が出場している「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)は8日、決勝が行われ、日本はチャイニーズ・タイペイに6-1で勝利。2大会ぶり19度目の優勝を果たした。

写真提供=Getty Images

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チャイニーズ・タイペイに快勝で2大会ぶり19度目のアジア選手権優勝

 侍ジャパン社会人代表が出場している「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)は8日、決勝が行われ、日本はチャイニーズ・タイペイに6-1で勝利。2大会ぶり19度目の優勝を果たした。石井章夫監督は「選手がよくやってくれた。スターティングメンバーも後から出る選手も全員が機能した」と喜びを語った。

 少ないチャンスをものにした。日本打線は3回まで無安打に抑えられていたが、0-0の5回、均衡を破った。左打者の7番・伊礼翼内野手(王子)に代わって送られた若林晃弘内野手(JX-ENEOS)が四球で出塁。8番・山内佑規捕手(東京ガス)が犠打を決めたが、9番・佐藤旭外野手(東芝)が空振り三振に倒れた。

 2死二塁。ここで3打席目を迎えた1番・田中俊太内野手(日立製作所)は「1打席目、2打席目で凡退していたが、攻め方がイメージできた。前の打席は迷いがあったが、変化球が頭にあったので絞っていた」と、カウント1-1からの変化球を中前にはじき返した。二塁走者の若林が先制のホームイン。先制点を挙げた。

 これでチャイニーズ・タイペイは緊張の糸が切れたのか、なおも2死一塁で2番・北村祥治内野手(トヨタ自動車)の打席ではカウント1-1から4連続牽制。それでも、一塁走者・田中が3球目で果敢に盗塁。捕手の送球が逸れ、一気に2死三塁とし、暴投で2点目を奪った。2-0とし、北村はカウント3-2からの内角直球にフルスイング。打った瞬間にそれと分かる当たりは、左翼席に吸い込まれていった。「おまけです」とおどけながらも、「久々に完璧の当たりでした」と破顔一笑のソロ本塁だった。

最後は開幕投手の谷川が締めて優勝、石井監督「最後はいい投手を持って行こうと思っていた」

 4回にチーム初安打を放っていた3番・藤岡裕大内野手(トヨタ自動車)が左中間への二塁打を放ったところでチャイニーズ・タイペイは投手交代。しかし、4番・笹川晃平外野手(東京ガス)が四球で歩き、無死一、二塁とすると、9番・菅野剛士外野手(日立製作所)の中飛をチャイニーズ・タイペイの中堅手が落球。2人がかえり、5-0とリードを広げた。6回には若林が中前打を放って盗塁を試みると、またもや捕手の失策が出て無死三塁。代打・福田周平内野手(NTT東日本)の中犠飛で1点を追加した。

 先発は9月30日の練習で頭に送球を受けた影響から、今大会はここまで登板がなかった今秋のドラフトで上位指名が予想される田嶋大樹投手(JR東日本)だった。2日前、宿舎で石井監督の部屋を訪ね、「残りの2日間、いつでも行けるように準備をしておきます」と伝えた。そして昨日、決勝の先発を告げられた。待ちに待った登板。初回、1番打者を146キロの直球で空振り三振、2番打者を149キロの直球で見逃し三振、3番打者を変化球で遊飛に打ち取り、3者凡退でスタートした。

 2、3回は四球や安打で走者を背負う苦しい投球になった。それでも、2回は1死一、三塁で二塁手の田中が二塁ベース付近に飛んだ打球を捕球し、自ら二塁ベースを踏んで併殺に。3回は1死満塁でショート・藤岡が中前に抜けそうな打球をに飛びついて好捕。6-4-3の併殺で切り抜けた。ピンチがありながらも5回を無失点に抑えた田嶋は「最低限のことはできた。ああいう内容になったが、守備の方のバックアップもあって無失点という形で終われて良かった」と感謝した。

 2番手・渡邉啓太投手(NTT東日本)が1点を失ったものの、3番手・平尾奎太投手(Honda鈴鹿)が連投ながら2イニングを抑えた。9回は開幕投手を務め、韓国戦で8回を無失点と好投を見せた谷川昌希投手(九州三菱自動車)がマウンドへ。「どんなに点差があっても何があるか分からない。最後はいい投手を持って行こうと思っていた」と石井監督。谷川は先頭に中安を浴びたが、ゲッツーで2死を奪うと、最後は三ゴロに打ち取りゲームセット。2大会ぶりのアジアNo.1に輝いた。
 
【了】

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