侍ジャパン社会人代表、韓国撃破で決勝進出! 石井監督「苦しいゲームだった」

2017.10.6

侍ジャパン社会人代表が出場している「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)は6日、スーパーラウンドに突入した。日本はセミファナル1戦目で韓国と対戦し、3-0で勝利。8日の決勝進出を決めた。石井章夫監督は「苦しいゲームだったが、勝てて良かった。(先発の)谷川もよく投げて、周りもよく守った」とナインを称えた。

写真提供=Getty Images

写真提供=Getty Images

終盤8回に3得点で勝利、谷川が25歳誕生日に好投

 侍ジャパン社会人代表が出場している「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)は6日、スーパーラウンドに突入した。日本はセミファナル1戦目で韓国と対戦し、3-0で勝利。8日の決勝進出を決めた。石井章夫監督は「苦しいゲームだったが、勝てて良かった。(先発の)谷川もよく投げて、周りもよく守った」とナインを称えた。

 2年前の前回大会でサヨナラ負けを喫し、リベンジに燃えていた日本。しかし、韓国の先発した左腕・KIM JEONG BINの前に、3回まで3者凡退が続き、なかなか好機を作れなかった。4回、1番・田中俊太内野手(日立製作所)がストレートの四球で歩き、2番・佐藤旭外野手(東芝)が犠打で二塁に進めたが、3番・藤岡裕大内野手(トヨタ自動車)は空振り三振、4番・笹川晃平外野手(東京ガス)は左飛に倒れ、得点はならなかった。

 5回まで無安打で無得点。6回、9番・北村祥治内野手(トヨタ自動車)が内野安打を放ったが、続く田中が併殺に打ち取られ、7回も3者凡退に抑えられた。苦しい展開だが、先発・谷川昌希投手(九州三菱自動車)が粘り強く投げていた。そして、0-0で迎えた8回、1死から6番の指名打者・大城卓三捕手(NTT西日本)がフルカウントから四球を選んで出塁。打席に向かう7番・伊礼翼内野手(王子)に石井監督は「最低、進めろ」と指示した。伊礼は「代打も控えていたので、とにかく二塁に進めて、一発勝負という感じだったと思う」と、進塁を意識。すると、1ボールからの2球目を捕手が弾き(捕逸)、一走・大城が二塁に進んだ。「だいぶ、楽になった」と伊礼。ここで日本は代走・福田周平内野手(NTT東日本)を送った。

 韓国のタイムが解け、プレー再開。「とにかく低い打球を引っ張る。思ったより詰まったが、意識的にはライト方向を狙っていた」。伊礼は内角直球にバットを振り抜くと、打球は狙い通りに右前へ。「打った瞬間、落ちると思った。(走者は)帰ってくれと思っていた。相当、嬉しかったです」と笑顔が弾けた。二走・福田は「いきなりでした」と言いながらも、「心の準備はしていた。外野が深かったので、これは外野に飛んだら確実に回らないといけないなと思いながらリードをした。準備もしっかりできていたので、すごくいいスタートが切れました」と振り返った。

佐竹「明後日、勝ってこそ、本当のリベンジ」

 待望の1点をもぎ取り、なおも1死二塁で8番・山内佑規捕手(東京ガス)に代打・神里和毅外野手(日本生命)を送った。「右ピッチャーが来たら、自分が行くだろうと思っていた。右ピッチャーが来て、待っていましたという感じだった」と神里。カウント1-1から真ん中直球を引っ張った。韓国の右翼手・KIM MIN HYEOKが飛びついたが、捕球できず。伊礼の代走・若林晃弘内野手(JX-ENEOS)が2点目のホームを踏んだ。

 さらに9番・北村の痛烈な遊ゴロも外野に抜けた。「正面だったのでショートゴロかなと思ったが、ちょうど、ランナーも走ってくれていた。打球とランナーが被ってショートは見づらかったと思う。ツイていました」と北村。二走・神里が3点目のホームイン。7回まで我慢が続いた日本だが、絶好機を逃さずにたたみかけた。

 5回まで無安打に抑えられた韓国の先発・KIM JEONG BINについて、石井監督は「もっと打ちやすいと思ったが……。チェンジアップとかカットボールとかズレてくるボールに手こずったと思う」と言えば、ベンチから見ていた神里は「うまく狙い球を絞りきれていなかったと思う」と分析。実際に3打席立ち、均衡を破る先制打を放った伊礼は「真っすぐに力があって、普段は捉えているはずの打球が押されてファウルになったり、下を振らされてフライになったと思う。2打席目に見逃し三振をしたが、遠く低く見えた。だけど、ミットに入ったら普通にストライクだった。思ったより、下を振ってしまうようなボールだった」と語った。

 投げては、先発・谷川の投球が光った。この日、25歳の誕生日を迎えた右腕は初回、2死からヒットと死球で走者を出したが、5番・KIM MIN HYEOKから空振り三振を奪ってしのぐと、2、3回を3人で終わらせた。4回以降は安打や失策で走者を背負ったが、「先に点をやらないように。焦りはなく、いつかは取ってくれるだろうと思っていた」と味方を信じて粘り強く投げた。9回は2年前の韓国戦で先発した佐竹功年投手(トヨタ自動車)が先頭の5番・KIM MIN HYEOKにヒットを許したが、続く、LEE HO YEONを併殺に打ち取り、最後は投ゴロでゲームセット。同じトヨタ自動車の細山田武史捕手とのバッテリーで「いつも通りの感じで投げられた」と振り返り、「明後日(決勝)、勝ってこそ、本当のリベンジ」と気持ちを切り替えた。

 韓国に勝利し、8日のファイナル進出が決定。7日はセミファイナル2戦目で台湾と対戦する。

【了】

記事提供=Full-Count
写真提供=Getty Images

NEWS新着記事