侍ジャパン、牧田が好救援で勝利投手に 「これからも自信を持って投げ込める」

2017.3.13

野球日本代表「侍ジャパン」は12日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の2次ラウンド初戦でオランダに延長11回タイブレークの末に8-6で快勝し、無傷の開幕4連勝を飾った。9回に同点に追いつかれるも、11回に中田翔内野手(北海道日本ハム)の2点タイムリーで勝ち越し。10回から登板した牧田和久投手(埼玉西武)が3者凡退でリズムを作り、中田のタイムリーが飛び出した後の11回もオランダの強力打線を無失点に抑えた。

写真提供=Getty Images

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強力打線のオランダを撃破し無傷の4連勝、小久保監督も牧田を絶賛「よく抑えてくれた」

 野球日本代表「侍ジャパン」は12日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の2次ラウンド初戦でオランダに延長11回タイブレークの末に8-6で快勝し、無傷の開幕4連勝を飾った。9回に同点に追いつかれるも、11回に中田翔内野手(北海道日本ハム)の2点タイムリーで勝ち越し。10回から登板した牧田和久投手(埼玉西武)が3者凡退でリズムを作り、中田のタイムリーが飛び出した後の11回もオランダの強力打線を無失点に抑えた。

 まずは悪い流れを止めた。9回に則本昂大投手(東北楽天)が1点差を追いつかれ、10回の攻撃では1死満塁の絶好機で青木宣親外野手(アストロズ)がニゴロ併殺打。オランダが勢いに乗り始めた場面で、牧田がマウンドに上がった。

 先頭のリカルドを空振り三振に仕留めると、Ra・オドュベルをニゴロ。そして、バリバリのメジャーリーガーであるシモンズも二ゴロに打ち取り、難なく無失点に抑えた。すると、試合は規定により11回からタイブレークに突入。攻撃が無死一、二塁から始まるルールで、日本は1死二、三塁としてから中田が2点タイムリーを放った。

 その裏、当然、日本も無死一、二塁のピンチから守備に就いた。「いつも以上にテンポを遅く、丁寧に投げていた。一発のあるチームなので、投げ急ぎで投げミスは一番ダメ」。牧田はこう振り返る。

 日本は11回の攻撃で先頭の鈴木誠也外野手(広島東洋)にバントをさせ、1死二、三塁とすることを選んだが、オランダは先頭のプロファーがそのまま打って一飛。牧田は続くボガーツを三ゴロに仕留めると、最後は途中出場のサムスを捕邪飛に打ち取った。貴重な1勝。打者6人を完璧に打ち取った牧田が勝利投手となった。

「浮き上がるボールを胸元に投げればホームランはない」

 試合後、オランダのヘンスリー・ミューレンス監督は11回のタイブレークでバントという方法を取らなかったことについて、「(先頭打者の)プロファーは主軸だったので、バントは考えなかった。残念ながら望むような結果にはならなかったが、プロファーは長打を期待できる打者なので。あとは、プロファーの後を打つボガーツの調子があまり良くなかったのも理由です」と説明。レンジャーズで活躍するプロファーの力を信じたが、牧田がそれに勝ったことになる。本調子ではないとはいえ、続くレッドソックスの主軸ボガーツも三ゴロとサブマリン右腕は見事に抑えた。

 小久保裕紀監督は「頼りになる5番(中田)がしっかり仕事をしてくれて、その後、牧田がよく抑えてくれた」と絶賛。そして、この激戦を「一生忘れられないゲーム」と振り返った。牧田の投球がなければ、この最高の勝利を手にすることもできなかった。

 前回大会でもクローザーを務めた牧田も、この日の投球で自信を深めた様子だ。

「(オランダは)打撃練習から強い打球を打っているなと思っていたんですけど、僕の特有の浮き上がるボールを胸元に投げればホームランはないと思いました。イメージ通りの投球が出来た。マウンドに上がる前は『臆病』じゃないですけど、『打たれたらどうしよう』と思っていたんですけど、実際にマウンドに上がったら自分のボールで差し込めていて、『これは行ける』と思いました。これからも強いチームと当たりますが、自信を持って投げ込んでいける」

 海外には少ないアンダースローで、メジャーリーガーのタイミングを外し、堂々と抑え込んだ牧田。世界一奪回へ向けて、この先もその働きが重要になってくる。


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【了】

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