侍ジャパン、接戦でオーストラリアに勝利 山崎武司氏が分析「日本らしい、いい試合」

2018.3.4

野球日本代表「侍ジャパン」は3日、「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」の第1戦(ナゴヤドーム)に2-0で勝利した。投手陣が無失点リレーで繋ぐと、6回に3番・柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)、4番・筒香嘉智外野手(横浜DeNA)とクリーンアップの2人が貴重なタイムリーを放ち、そのまま逃げ切った。

写真提供=Getty Images

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稲葉監督が就任後初の“フルメンバー”、筒香の適時打には「大したもの」

 野球日本代表「侍ジャパン」は3日、「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」の第1戦(ナゴヤドーム)に2-0で勝利した。投手陣が無失点リレーで繋ぐと、6回に3番・柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)、4番・筒香嘉智外野手(横浜DeNA)とクリーンアップの2人が貴重なタイムリーを放ち、そのまま逃げ切った。

 昨年11月に開催された「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」(アジアCS)は、原則24歳以下、入団3年目以内(オーバーエイジ枠3人を含む)という規定の中で行われたため、稲葉篤紀監督が就任してから初めて年齢制限のないトップチームで臨んだ試合。オーストラリアの投手陣にやや苦戦したものの、しっかりと勝利を収め、野球解説者の山崎武司氏は「日本らしい、いい試合だった」と振り返った。

 日本は先発の千賀滉大投手(福岡ソフトバンク)、2番手の今永昇太投手(横浜DeNA)、3番手の東浜巨投手(福岡ソフトバンク)が、それぞれ2イニングを無失点でつなぐ。すると、5回まで元楽天東北の先発、トラビス・ブラックリーに抑え込まれていた打線が、6回に2番手のスティーブン・ケントをつかまえた。

 先頭の秋山翔吾外野手(埼玉西武)が粘って四球を選び、2番の菊池涼介内野手(広島東洋)がきっちりと犠打。1死二塁とチャンスをお膳立てし、クリーンアップにつなぐ。ここで柳田外野手がセンター前に運ぶタイムリー。均衡を破った。さらに、続く筒香外野手はライトオーバーのタイムリーツーベース。貴重な追加点を奪った。

 やや重苦しい雰囲気の中、3、4番が貴重なタイムリー。山崎氏は「まだ(開幕前で)全体的にバッターの仕上がりが十分ではない中で、オーストラリアのピッチャー陣もすごくいいというわけではなかったですが、なかなか打てなかったですからね」と2人を評価した上で「筒香選手も変化球を上手くさばいて打っていたと思います。大したものですね」と4番の働きぶりを称えた。

国際試合で日本が勝つために「ロースコアで競っていかないと」

 稲葉監督が就任してから、初めて年齢制限のないトップチームで臨んでいるとはいえ、今後を見据えて若手も多く選出されたメンバー構成。それだけに、昨年3月の「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」で不動の4番に座った主砲の役割は大きい。

 山崎氏は「調子が上がってくれば、山田哲人選手(東京ヤクルト)あたりも入ってくるでしょうし、もっといい打線になるかもしれない。今回は若い選手中心で、2020年を見据えたメンバーだと思いますので。それも考慮すべきでしょう。でも、筒香選手は(2020年も)変わらないと思います」と、この先しばらく侍ジャパンの主軸として活躍する選手だと見ている。

 一方で、打線の並びについては、今後は少し考えていく必要もあると指摘する。「1番から、左(秋山外野手)、右(菊池内野手)、左(柳田外野手)、左(筒香外野手)となっていますが、基本的には(左右)ジグザグにしたいですね。国際試合では、いい左ピッチャーが出てくると、なかなか打てないので。打てるものも打てなくなる」。この試合では柳田外野手、筒香外野手と3、4番に並んだ左打ちの2人が結果を残し、勝利を掴んだが、2点しか取れなかったという事実もある。それだけに、右打者を挟むという選択肢もあっていいという。

 もっとも、こういったロースコアでの接戦で犠打を使ってリードを奪い、勝利をもぎ取る展開こそが「日本の野球」だとも山崎氏は言う。

「日本ではスーパースターでも、世界にいけばパワーでは劣ります。でも、日本には技術がありますから。やっぱり日本はロースコアで競っていかないと。そういう意味では、日本らしい、いい試合だったと思います」

 収穫と課題が出たゲーム。4日の第2戦(京セラドーム大阪)につなげ、実りある2試合としたいところだ。


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【了】

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