近藤健介が語るWBCへの思い「出なきゃいけない」 開催まであと1年…滲ませる責任

2025.2.24

日の丸を背負いたいではなく、背負わないといけない。福岡ソフトバンクの近藤健介外野手は、そう責任感を滲ませる。来年3月に迫った「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)で野球日本代表「侍ジャパン」の主力として期待されているが、「まだまだ衰えたくもないので」と静かな闘志を燃やす。

写真提供=Getty Images

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第5回大会では世界一… 日本では「プレッシャーは相当あった」

 日の丸を背負いたいではなく、背負わないといけない。福岡ソフトバンクの近藤健介外野手は、そう責任感を滲ませる。来年3月に迫った「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)で野球日本代表「侍ジャパン」の主力として期待されているが、「まだまだ衰えたくもないので」と静かな闘志を燃やす。

 2023年の第5回WBCで侍ジャパンは、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手やサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手ら錚々たるメンバーを揃え、決勝で米国代表を2-0で下して世界一に輝いた。近藤選手は全試合で2番に座り、打率.346、1本塁打5打点の好成績を収めたが、日本に戻って高熱を出したことも。「プレッシャーは相当ありましたね」と当時を振り返る。

 北海道日本ハムから移籍直後のWBC出場。調整は大変だった。さらに、日本では宮崎キャンプから連日ファンが押し寄せる大熱狂。「日本ラウンドの方が緊張感ありましたね。負けられないっていうのは」。

1次ラウンドの韓国戦では逆転勝利の立役者に

 そんな中、韓国戦では2点を追う3回無死一、三塁で中越え適時二塁打。さらに、逆転後の5回先頭ではリードを広げる1号ソロを放って勝利に貢献した。最終的に全勝で1次ラウンドを突破。準々決勝ラウンドでもイタリアを下し、米国で行われる決勝ラウンドに駒を進めた。

 プレッシャーが常に付きまとっていた日本とは違い、米国では純粋に野球を楽しむことができた。米国代表にはロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト外野手、ドジャースのムーキー・ベッツ外野手ら、MLBトップクラスの選手が名を連ねた。

「やっぱり違いましたね。楽しかったですね。決勝なんか特に」


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MLB挑戦を考えたことは「全然ない」も「WBCが1年早かったら…」

 2022年に海外フリーエージェント権を行使。複数球団から熱烈なオファーが届く中、熟考の末に福岡ソフトバンクと7年契約を結んだ。MLB挑戦を考えたことは「もう全然ないですね」と明かす一方で、少しだけ本音も覗かせる。

「WBCが1年早かったら、ちょっと分からなかったですけど。興味、行きたいっていうのはあまりないですかね。(MLBに)行っているか分からないですけど、ちょっと話を聞きたいな、というのはあったかもしれないです」

 WBC直後の2023年には本塁打と打点の2冠王、2024年には首位打者に輝き、パ・リーグMVPも受賞した。年々求められるハードルも上がる。

「楽しみが大きいですね。いろいろなことを試しながらやるんで、毎年毎年。どういう成績になるんだろうっていう楽しみもありながら。プレッシャーもありつつっていう感じですね」

井端監督の下で目指すWBC連覇「選ばれるような成績ではいたい」

 侍ジャパンは井端弘和監督が指揮を執る2026年の第6回大会で連覇を目指す。井端監督は「日本で最高のバッター。昨年は怪我があったので、そこだけ気をつけてやってくれれば」と主力の1人として期待するが、近藤選手自身は、まず2025年に焦点を合わせる。

「本当に今年の成績だと思いますし、まだまだ衰えたくもないので。選ばれるような成績ではいたいですけど」

 今年で32歳。ベテランと呼ばれる域に差し掛かり、自分の役割への理解が深まり、責任感も増してきた。

「そういった成績が残せたら出なきゃいけないのかなっていう方が大きいかもしれないですね」

 日の丸を背負いたいではなく、背負わないといけない。もちろん、覚悟はできている。

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写真提供=Getty Images, Full-Count

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