日本代表が野球を続けるモチベーションに 田嶋大樹「今を精一杯やっていきたい」
日の丸を背負うことをモチベーションにマウンドに立ち続けている男がいる。世界の頂点に立つ、という命題を背負って始動した野球日本代表「侍ジャパン」。稲葉監督は2020年に向けて、これまでの中心メンバー以外にも新たな若手も招集する可能性を口にしている。侍ジャパン社会人代表に選出され、今季オリックスにドラフト1位指名で入団した田嶋大樹投手は「目標は2020年です。そこを目指して今を精一杯やっていきたい」と力を込めた。
写真提供=Full-Count
中学、社会人で“日の丸”を経験「日本代表になってこそ野球をやっている意味がある」
日の丸を背負うことをモチベーションにマウンドに立ち続けている男がいる。世界の頂点に立つ、という命題を背負って始動した野球日本代表「侍ジャパン」。稲葉監督は2020年に向けて、これまでの中心メンバー以外にも新たな若手も招集する可能性を口にしている。侍ジャパン社会人代表に選出され、今季オリックスにドラフト1位指名で入団した田嶋大樹投手は「目標は2020年です。そこを目指して今を精一杯やっていきたい」と力を込めた。
2017年の「第28回BFAアジア選手権」では、台湾との決勝戦で5回3安打無失点の好投で、日本を2大会ぶりの優勝に導き、大会MVPを獲得した。これまで中学、社会人で日の丸を背負った男は「日本代表になることで、僕の野球をやっている価値観がやっと出るかなと。最終目標は日の丸を背負って日本を代表して世界各国と戦うこと。野球をやるモチベーションを保ち続けることができた理由の1つです。自分の中では日本代表になってこそ野球をやっている意味があるなって」と日の丸への思いを熱く語った。
初めて代表に選ばれたのは、中学時代の2011年にメキシコで行われた「第15回 U-16世界選手権大会」だ。監督は鹿取義隆氏が務め、主戦投手として世界を相手に2試合に登板した。アメリカ、キューバなど規格外のパワーに圧倒されたが「パワー、技術の違いはビックリしたけど、面白かったですね」と、異国の地で対戦する海外選手との勝負を心から楽しんだ。
どんな状況でも試合を楽しむことに重点を置く田嶋は、日の丸の重圧を感じたことはないという。
「僕はどちらかというと楽しい方向にいってしまう。アマチュアの時はそれがはっきりしていて。オープン戦で観客もいない何もない状態で投げるのと、都市対抗みたいに大歓声の時とは、全然自分の出せる力が違う。お客さんがたくさん入っていて、ワイワイしているところで投げるのが好き。普段は見られるのは好きではないですが、マウンドに上がった時だけは見られて投げた方が楽しくなる。それが世界になった時には、色々な人が見ているじゃないですか。見ていると思ったら楽しく投げられる。プレッシャーは全くないですね。一番モチベーションを高く持って投げられる場所ですね」
日本とは違う環境の中でプレーすることで得た知識
中学でメキシコ、社会人では台湾など海外でプレーしたことで、日本では感じることができなかった様々な経験も得た。滑るボール、硬いマウンド、砂利まみれの球場……。厳しい環境の中でも柔軟に対応することで自身をよりレベルアップできたという。「投げづらいマウンドでも、それにあった投げ方を試合の中で見つけられる。その中で対応が上手くできる。そういったことは、今の野球人生の中でも身になっている。その日のベストの投げ方を見つけることができる。これまでの経験が糧になっていますね」
毎日、同じ投げ方をすることはできないと田嶋は断言する。体の疲労、筋肉の質、肩ひじの張り具合などを感じ取り、その日その日にあった投球フォームを見つけ打者と対峙する。日の丸を背負い、世界と戦うことで一番得たものは、自身の体を知り、その日にあったフォームでいかに投げることができるか探る能力だった。プロに入った今でも「体のことは自分で分かるようになった。例えば、神経1つでも。今日はここの神経が触れて痛いとか。だから今日はこの部分をケアすればいい。自分でケアをする場所が分かっているから余計なことをやらなくて済む。それはこれまでに得た能力ですね」と語る。
日本代表で投げることを一番のモチベーションと考える左腕は、プロの世界に入っても変わることはない。最大の目標は、侍ジャパン入りだ。「今は2020年を狙っている。そのためにはまず強化試合に選ばれないといけない。そこに呼んでもらえるように今をしっかりと頑張っていきたい」。2年後に日の丸を背負い世界の強打者相手に投げることを目標に、田嶋はマウンドに上がり続ける。
【了】
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次回:5月21日20時頃公開予定