侍ジャパン女子代表が5戦全勝で初代アジア王者、橘田監督「たくましくなった」
「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」(香港)は6日、大会5日目が行われ、日本はインドに17-0の4回コールドで完勝した。前日の香港戦で勝利を収め、優勝を決めていた日本。最終戦は初回から12点を挙げる猛攻と4投手による“完全リレー”で圧倒。初開催のアジアカップを5戦全勝で締めくくった。
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試合前に飛んだ監督の喝に刺激、最終戦はインドに完全勝利を収める
「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」(香港)は6日、大会5日目が行われ、日本はインドに17-0の4回コールドで完勝した。前日の香港戦で勝利を収め、優勝を決めていた日本。最終戦は初回から12点を挙げる猛攻と4投手による“完全リレー”で圧倒。初開催のアジアカップを5戦全勝で締めくくった。
「ここを締めないと優勝にふさわしいチームになれない。最終戦だし、しっかり踏ん張って、切り替えてやっていこうと思いました」と吉井温愛主将(履正社高)。すでに優勝を決めながらも、最終戦を前にチームは気を引きしめた。
先発は2戦目のチャイニーズ・タイペイ戦以来となった水流麻夏(神戸弘陵高)。「チャイニーズ・タイペイ戦で(日本)唯一の失点をしていたので、悔いが残っていました。今日は自分らしい打たせて取るピッチングでリズムよくいい流れに持っていこうと思いました」と、先頭打者を三ゴロに打ち取ると、二飛、中飛と3者凡退に抑えた。試合前に橘田監督から飛ばされた檄で目が覚めた。「神戸弘陵では元気や声を出すこと、グラウンド内でのダッシュなど当たり前のことができていましたが、ここではできていない時がありました。監督さんから試合前に喝を入れてもらって、自チームの時のようにメリハリをつけてやることができました」と振り返った。こうして水流がリズムを作ると、その裏の攻撃で日本の打線が爆発した。
1番・蛭田菜月(埼玉栄高)は中安で出塁すると、すかさず二盗を決めた。2番・吉井は遊ゴロに打ち取られたが、インドの遊撃手が一塁へ悪送球。3番・渡辺那奈(作新学院高)が四球で歩き、無死満塁とすると、大会を通じて好調の4番・緒方佑華(折尾愛真高)の左前適時打で先制した。さらに暴投で追加点を挙げると、1死二、三塁で6番・遠藤佳菜子(作新学院高)がセンターオーバーの2点適時二塁打。7番・池本歩莉(埼玉栄高)もレフトオーバーの適時二塁打で続いた。インドは投手を交代したが、その後も日本の攻撃は止まらず、打者16人で12点を奪った。
8番・阿部希(福知山成美高)の中安から始まった2回の攻撃は、6連打で4得点。3回には2死二塁から田中志緒梨(埼玉栄高)が中前適時打を放ち、ダメを押した。「ボール球に手を出さないでストライクをしっかり振っていくことができている選手が多かったので、今日は安心して見ていられました」と橘田監督。前日の香港戦でフライアウトが多かった反省を、しっかりと生かした。
堅実な守備で貢献した阿部「チームが1つとなって試合に臨めた」
投手陣は、水流の後を杉本みな(蒲田女子高)、田中、大野七海(福知山成美高)とつないだ。いずれも持ち味を発揮して1イニングずつを3者凡退に抑え、4投手による無安打無四球無失点の“完全リレー”を見せた。
橘田監督による試合前の喝もあり、引き締まった試合でラストゲームを飾った日本。指揮官は「試合の入りがとにかく大事と、選手に話をして挑んだ中、自分たちの役割を確認しながらやってくれた。最後の最後に気付いてくれて、自分たちでアクションを起こしてくれたんじゃないかなと思います」と称えた。堅実な守備を見せた阿部は「(橘田監督が)おっしゃっている通りで気が抜けている部分がありました。自分がどういう役割をしないといけないのかというのを再認識させてもらい、チームが1つとなって試合に臨めたのでよかったなと思います。自分たちで雰囲気が作れるようになっていかないと、この先は難しいと思いますが、今日は指導者の皆さんのおかげでいい試合運びができたと思います」と感謝した。
大会中は雨による試合時間の変更などのハプニングに見舞われた。パキスタンにはトスバッティングを教え、この日、インドとは一緒にウォーミングアップをしてから試合に入った。試合はもちろん、様々な経験をしながら日々、成長を遂げた選手たち。フル代表が出場する大会に18歳以下の高校生で挑み、最終戦をしっかりと締めくくった。5戦全勝での優勝に「とにかく、ホッとしています」と安堵した橘田監督。試合直後のミーティングでは「初めて代表監督をさせていただいて、君たちのお陰で、全勝で終えることができました」とナインに感謝した。
海外選手との対戦、5日間連続での実戦など、国内では滅多にできない経験を積んだ20人の若きマドンナジャパン。橘田監督は「たくましくなったと思います。(これから)国内で頑張っている姿を見られることを楽しみにしたいと思います」と、今後に期待を寄せた。
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