開幕1軍入りしたルーキーは15人 その中で侍ジャパン経験を持つのは何人?
3月29日、日本プロ野球(NPB)の2024年シーズンが幕を開けた。2月1日のキャンプインから争った開幕1軍登録の座。開幕前日に発表された12球団で合計334人の1軍出場登録メンバーの中には、15人のルーキー選手の名前があった。その中でも今回は、野球日本代表「侍ジャパン」に選出され、国際大会に出場した経験を持つ4選手に焦点を当てたい。
写真提供=Full-Count
セ・リーグから1人、パ・リーグからは3人が開幕1軍を掴む
3月29日、日本プロ野球(NPB)の2024年シーズンが幕を開けた。2月1日のキャンプインから争った開幕1軍登録の座。開幕前日に発表された12球団で合計334人の1軍出場登録メンバーの中には、15人のルーキー選手の名前があった。その中でも今回は、野球日本代表「侍ジャパン」に選出され、国際大会に出場した経験を持つ4選手に焦点を当てたい。
まずは、横浜DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手だ。度会選手は佐倉シニア(千葉)に所属した2017年に、元読売の清水隆行監督が率いたU-15代表メンバーに選出。「U-15 アジアチャレンジマッチ2017」に出場すると、大2戦のオーストラリア代表戦と第3戦のチャイニーズ・タイペイ戦で3番打者を任され、2試合合わせて7打数6安打5打点2四死球という活躍を見せた。チームは優勝し、度会選手は最優秀選手賞を受賞している。
その後、横浜高(神奈川)に進学。3年時の2020年にプロ志望届を提出するも指名漏れし、社会人野球の強豪・ENEOSへ進んだ。ENEOSでは1年目からレギュラー外野手となり、巧みなバットコントロールと俊足を生かして活躍。社会人代表入りのチャンスこそなかったが、2022年には都市対抗野球大会で4本塁打、打率.429を記録して、チームを9年ぶりの優勝に牽引し、自身も橋戸賞、若獅子賞、打撃賞の3冠に輝いた。
2023年のドラフト会議(新人選手選択会議)では中日、千葉ロッテ、横浜DeNAの3球団から1位指名を受け、抽選の結果、横浜DeNAの三浦大輔監督が交渉権を引き当てた。そして、今年のオープン戦ではバット技術を存分に生かし、出場16試合で打率.434をマークして新人ながらオープン戦首位打者と最多安打に輝いた。
迎えた開幕戦では「1番・右翼」で先発出場。さらには、第2打席で広島東洋の九里亜蓮投手からプロ初安打となる3点本塁打を放った。これは2024年のNPB第1号ホームランでもあった。続く第2戦でも2点本塁打を右翼席に運び、新人選手として開幕戦から2試合連続アーチをかけたのはNPB史上3人目という快挙を達成。華々しいデビューを飾った。
福岡ソフトバンクは新人3投手が開幕1軍入り
残るはいずれも福岡ソフトバンクの投手で、ドラフト2位の岩井俊介投手、同4位の村田賢一投手、そして同5位の澤柳亮太郎投手となっている。
愛知県出身の岩井投手は京都翔英高から名城大へ進み、同大OBで元中日・東北楽天の山内壮馬コーチに師事。最速156キロのストレートを武器に、2年春から頭角を現した。4年生になった2023年6月に大学日本代表候補合宿に参加。7月には「第44回日米大学野球選手権大会」(以下、日米大学野球)のメンバーに選ばれ、第2戦と第5戦に投げて優勝に貢献した。
ドラフト2位指名を受けて福岡ソフトバンクに入団すると、春季キャンプはB組からスタート。オープン戦から1軍に合流し、4試合(7回1/3)に投げて防御率6点台と苦しんだが開幕1軍を勝ち取った。プロデビューとなったのは、4月4日の千葉ロッテ戦。9回に4番手として登板し、わずか9球で3者凡退とする好投を披露したが、翌日には疲労を考慮して出場選手登録を外れた。
岩井投手と同じく「第44回日米大学野球」に出場したのが村田投手だ。千葉県出身の村田投手は春日部共栄高(埼玉)に進むと、2年秋からエースとして活躍。3年春には第91回選抜高等学校野球大会に出場した。明治大では右肘の手術も経験したが、3年時には東京六大学野球リーグで春秋連覇に貢献。4年春にはエースとして7試合に投げ、防御率0.80の好成績でチームを3季連続優勝に導いた。
日米大学野球では第3戦に1イニングを投げたが、1安打1四球2失点と本領を発揮できず。同年ドラフト会議で福岡ソフトバンクに4位指名され、プロの門を叩いた。春季キャンプはB組でスタートし、先発として調整を続けたが、リリーフ左腕の長谷川威展投手が体調不良で開幕には間に合わず、開幕戦2日前に急遽1軍合流が決まった。4月10日現在、1軍での登板はまだない。
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社会人出身の澤柳は「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」で世界一に貢献
明治学院大出身の澤柳投手は、社会人野球のロキテクノ富山に所属した2022年に「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」に出場し、決勝進出を決めたスーパーラウンド第3戦のメキシコ戦を含む5試合に登板。2イニングを投げたメキシコ戦こそ2失点を喫したがセーブをマーク。それまでの4登板はいずれも無失点という好投で、3大会ぶり2度目の優勝に大きく貢献した。
ドラフト5位で福岡ソフトバンクに入団すると、新人合同自主トレで膝に違和感を覚え、春季キャンプはC組からスタート。最終クールでB組に加わると、オープン戦中盤から1軍に合流し、開幕1軍入りを果たした。4月4日の千葉ロッテ戦でのプロデビューは1イニングを無失点。プロ2戦目となった同7日の東北楽天戦では敗戦投手となり、プロの厳しさを味わった。
2022年のU-23ワールドカップには、読売のドラフト4位ルーキーで開幕1軍入りを果たした泉口友汰内野手(当時NTT西日本)も選出されていたが、コンディション不良で辞退している。
開幕登録では4人だった侍ジャパン経験者のルーキーたちだが、シーズンが進むに連れ、また1人、また1人とプロデビューを果たす機会を掴むだろう。侍ジャパンを経験してプロ入りした選手の中から、トップチーム入りを果たす選手が誕生するのか、楽しみにしておこう。
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