プロ入り前に戦ったW杯で自信 ロッテ平沢大河がU-18代表チームで受けた刺激

2022.4.18

今年でプロ7年目。千葉ロッテの平沢大河内野手は「気付いたらもう7年、という気持ちの方が強いですね。早いなと思います」と、がむしゃらに駆け抜けた月日の長さに少し驚いた表情を浮かべた。

写真提供=Full-Count

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甲子園で3本塁打の活躍も「プロに行けるか、微妙なライン」

 今年でプロ7年目。千葉ロッテの平沢大河内野手は「気付いたらもう7年、という気持ちの方が強いですね。早いなと思います」と、がむしゃらに駆け抜けた月日の長さに少し驚いた表情を浮かべた。

 宮城の強豪・仙台育英高校からドラフト1位で入団したのが2016年のこと。今季は「9番・三塁」で初めて開幕スタメンに名を連ねたが、4月10日に登録抹消。1軍再昇格を目指し、2軍で泥臭く白球を追いかけている。

 高校3年の時、春夏連続出場を果たした甲子園でインパクトを残した。特に夏の大会では3本塁打をかっ飛ばし、エースの佐藤世那投手(元オリックス)を盛り立て、準優勝を飾る原動力ともなった。走攻守3拍子揃った期待の高校生として高く評価されていたが、「過剰評価されているというのが僕の印象でした」と当時の気持ちを打ち明ける。

「夏の県予選では全然打てなくて、プロに行けるかどうか、僕の中ではかなり微妙なラインだと思っていました。甲子園ではたまたまホームランを打ちましたけど、確実性や打率は高くなかったので、まだまだやらなければいけないことは多いなと」

初めて身にまとう日本代表のユニホーム「すごくうれしかった」

 不安な想いを抱いていた平沢選手がプロ入りに向けて自信を深めたのが、2015年8月に開催された「第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」だった。日本が舞台となった世界大会で、初めて日本代表のユニホームに袖を通した。

「ジャパンでプレーすることは1つの目標だったので充実感がありましたし、すごくうれしかったです。あの縦縞のユニホームはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でプロ選手が着ていたものと同じで、格好いいなと素直に思いました。それと同時に、日本はしばらくU-18ワールドカップで優勝していなかったので世界一になりたいという想いが強くありました」

 8月28日に行われた初戦のブラジル戦から9月6日の決勝・米国戦までの10日間で9試合を戦うハードスケジュール。平沢選手はこのうち8試合に遊撃手としてスタメン出場し、ベンチスタートとなったファーストラウンド第4戦のチェコ戦も代打として出場した。

 打順はファーストラウンドでは3番、スーパーラウンドと決勝では5番を任された。通算31打数8安打で打率.258、10打点の働きで、遊撃手としてベストナインに選出。目まぐるしく駆け抜けた9試合の中で、深く記憶に刻まれているのが決勝の米国戦だという。

忘れられない決勝での悔しさ「あそこで打っていれば」

「僕はやっぱり決勝で負けたことを一番覚えていますね。逆転のチャンスで僕に打席が回ってきたのに凡退した。その場面はすごく覚えています。あそこで打っていれば、流れが変わって勝てる試合だったと今でも思います」

 その場面は6回の攻撃だ。2点を追う場面で、日本は2死三塁から浦和学院・津田翔希内野手(現Honda)のライト前タイムリーで1点を返す。そこから連打で繋いで2死満塁。絶好機で打席を迎えたのが平沢選手だった。鋭い打球は一二塁間を抜けるかと思われたが、一塁手の好守に阻まれてアウト。日本は涙を呑んだ。

 決勝で敗れる悔しさを味わったが、木製バットで実戦に臨んだり、海外の投手と対戦したり、貴重な経験を積むこともできた。「木製バットである程度の結果を残せたこと、ボールがよく動く海外のピッチャーを打てたことは自信になりました。プロ入りする前に、ストレートだけではないツーシームや速い変化球を体験できたことは大きかったと思います」と振り返る。

同世代から受ける刺激「もっともっと盛り上げたい」

 チームメートとして戦った同世代のトップ選手たちからも大きな刺激を受けた。この時のメンバーには、後にプロで同じチームになる成田翔投手の他、小笠原慎之介投手(現中日)、森下暢仁投手(現広島東洋)、清宮幸太郎内野手(現北海道日本ハム)、オコエ瑠偉外野手(現東北楽天)らが名を連ねた。

「僕自身は全然プロを目指せるレベルにないと感じていた中で、全国レベルの選手たちと一緒にプレーできたのはすごく刺激になりましたし、もっと頑張らないといけないと思いました」

 同級生たちの存在は、プロ入り後の今も励みになっている。「活躍していたら目に留まりますし、他の世代に比べると1軍で活躍する選手が少ないので、もっともっと盛り上げていきたいと思いますね」。

 勝負の年と位置づける今季。自分の置かれた立場は決して甘くはないと理解している。優勝を目指すチームの原動力となるため、そして同世代を盛り上げるためにも、1日も早く1軍復帰を果たし、持てる力を存分に発揮したい。

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