シドニー戦士が「天才型ですよ」と絶賛 侍ジャパンのマルチ選手、近藤健介の可能性
野球日本代表「侍ジャパン」の常連となっている北海道日本ハムの近藤健介外野手は、2011年のU-18代表に始まり、U-21代表、そしてトップチームと、「JAPAN」のユニホームに袖を通し続けてきた選手だ。そしてシドニー戦士として知られる田中幸雄氏は、北海道日本ハムのコーチ時代に入団まもない近藤選手を見て、才能に驚かされた1人でもある。
写真提供=Full-Count
北海道日本ハムOBで元1軍打撃コーチの田中幸雄氏が才能を分析
野球日本代表「侍ジャパン」の常連となっている北海道日本ハムの近藤健介外野手は、2011年のU-18代表に始まり、U-21代表、そしてトップチームと、「JAPAN」のユニホームに袖を通し続けてきた選手だ。そしてシドニー戦士として知られる田中幸雄氏は、北海道日本ハムのコーチ時代に入団まもない近藤選手を見て、才能に驚かされた1人でもある。
今夏、近藤選手が渋く、勝利を引き寄せる働きを見せたのは、7月28日のことだった。ドミニカ共和国との試合で、日本は2点を追う形で9回を迎えた。1死から柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)が一塁内野安打で出塁。ここで代打に立った近藤選手は右前に狙いすましたかのような安打を放って好機を広げ、サヨナラ勝利へと続く道を作った。
侍ジャパンでは攻守に様々な役割を期待される“ジョーカー”的存在
2017年にはシーズン231打席ながら打率.413を残すなど高い打撃技術で知られ、所属する北海道日本ハムではポジションを変えながら、常に中軸の一角を担ってきた。一方、侍ジャパンでは攻守に様々な役割を期待される“ジョーカー”的役割を担う。田中氏は近藤選手がプロ入りした2012年に1軍打撃コーチを務めており、その成長過程を見てきた。
入団してきた時から魅力あふれる選手だったという。「天才型ですよ。あのバッティングがあって、守備も名手ではないかもしれませんが、どこでもそこそこやるところが可能性を広げていますよね」。特に2019年、20年とパ・リーグで最高出塁率を記録した“眼”の確かさは折り紙付きだ。
素早く自分のゾーンを設定し、打つべきボールをしっかり待てる打撃
国際大会で成績を残すには、初めて対戦する投手や審判の傾向をつかみ、対応していかなければならない。田中氏も自らの経験から「審判にも癖があって、その日によって(ストライクを)取るところが微妙に変わります。それを試合の中で観察しながら察知していかないといけない」と指摘する。自身に与えられたストライクゾーンを測るスピードは、成績に大きく関わる。近藤選手はここで必要な“空間認識能力”がとてつもなく高いのだ。
「例えば(打撃が)アバウトな人、ブンブン振る人は、真っ直ぐを狙うと決めてもボール球のスライダーが来たら振ってしまう。でも、近藤にはそういうところがないんです。甘いところ、自分がしっかり打ち返せるボールを狙って打ち始めますからね。あとは追い込まれてからのボールの見極めが相当、精度が高い。ボールとの距離感をすぐにつかめるんです」
「運動神経いい」と才能を絶賛 「勝手に良くなっていくんです」
イメージは入団当初から変わっていない。だから、指導と言っても技術ではなく、高校生の体からプロのそれへと変えていくことに主眼を置いていた。「あれくらいの選手には(指導は)何にもしていませんよ。体力、(バットを)振る力がついてくれば、勝手に良くなっていくんです」。
金属バットで打っていた高校生がプロに入って苦しむことの多い「ボールにバットをしっかり当てる技術」も、何の心配もなかった。
「器用ですよ。何でもできちゃう。運動神経いいと思うんで。投手以外何でもできるんじゃないですか。肩も強いし、外野の守備も下手じゃない」
実際に近藤選手はチーム有数のゴルフの腕を誇り、ボウリングもプロ級だ。捕手で入団し、内野、外野とこなしてきた経験も、ベンチ入りの人数が限られる国際大会では大いに生かされる。決して派手ではないかもしれないが、まだまだ侍ジャパンに欠かせぬ戦力として活躍してくれそうだ。
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