世界一経験の相川亮二氏が語る、日米野球への期待 侍ジャパンで注目すべき選手は?
11月9日に「2018日米野球」が開幕する。10月10日には野球日本代表「侍ジャパン」のメンバー28人が発表され、パ・リーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武から6人が選ばれたほか、読売の若き主砲・岡本和真内野手が初選出された。
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第1回WBCで世界一経験、読売の後輩・岡本に期待「更なる飛躍に繋がる可能性も」
11月9日に「2018日米野球」が開幕する。10月10日には野球日本代表「侍ジャパン」のメンバー28人が発表され、パ・リーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武から6人が選ばれたほか、読売の若き主砲・岡本和真内野手が初選出された。
稲葉篤紀監督が率いる「侍ジャパン」にとって、最高の腕試しとなるMLBオールスターとの対戦。注目ポイントはどこになるのか。2004年のアテネ五輪で銅メダル、2006年の第1回WBCで金メダルを獲得し、2013年の第3回WBCにも出場した相川亮二氏に、注目している選手や、自身と同じポジションの捕手への期待などを聞いた。
相川氏は今回選出されたメンバーについて「若い選手が多いな。という印象を受けました。東京五輪が行われる2年後に、今軸になっている選手に何があるか分からない。だから、まだ伸びる可能性がある選手を起用したのだろうと思います」と話す。
その中でも、注目しているのは今季史上最年少で「3割30本100打点」を達成し、今回が初選出となった岡本内野手だ。読売時代の後輩で、2軍でともにプレーしたことがある相川氏はここまでの活躍は予想しておらず、ブレークに驚いたという。
「高卒で入ってきてすぐにプロの球に対応するのは難しいのですが、1年目からスイングが崩されていませんでした。それでいてボールが飛んでいく。すごいものを持っているけど、これを1軍で爆発させるためにどうするのかな。と思って見ていました」
今年、バッテイング練習を見た時には更に飛距離が出ていたという。何かを掴んだのではないかと予想する。
「きっかけを掴んで、大化けをする選手をたくさん見てきました。岡本選手もどこかにきっかけがあったと思います。侍ジャパンも一流選手の集まりなので、参考になる技術論は絶対にある。ここでまた何かを掴み、更なる飛躍に繋がる可能性も十分にあると思います」
若い侍ジャパンの捕手陣に求めるものは…
また、自身も3年間在籍した読売では“常勝”というチームのプレッシャーをいつも感じており、その名門球団の4番を務めていることは侍ジャパンでもプラスになると期待する。
「『ジャイアンツの4番』という重圧の中でプレーし、今年1年間戦った。そういう選手は、侍ジャパンのプレッシャーの中でも、いつも通りの成績を残せるメンタルを持っている。シーズンと短期決戦は異なる部分もありますが、重圧のかかる中でプレーしている選手は強い。これから、日本を代表する選手になってほしいですね」
また、自身の現役時代のポジションである捕手には會澤翼捕手(広島東洋)、甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)、森友哉捕手(埼玉西武)が選出された。甲斐捕手は26歳、森捕手は23歳と若いが、年齢が上の投手にもどんどん話しをしてコミュニケーションを取ってほしいという。
「こういうカウントではどういうボールを投げたいかとか、カウントの悪い時はどの球種だと投げやすいとか、自分が思っていることとは全然違う時がある。コミュニケーションを取らなければ分からないことはたくさんあります。『勝ちたい。いいピッチングをさせたい』と思ったら、ある程度言いたいことを言わなくてはいけない。それをピッチャーに『もういいよ』と言われたら『勝つ気がないのかな』と思ってしまう。わざわざ負けてもいいことに怒ったりはしません。意見を言うことも、怒ることも『勝ちたい』と思っているから。まだ遠慮しているうちは、その気持ちが足りないんだと思います」
当然、メジャーリーガーと対戦することはとてもいい勉強になる。それだけに、経験を積むいい機会にしてほしいと、相川氏は後輩たちにメッセージを送る。
「外国人選手はプレーが雑なイメージがありますが、力だけではなく技術もある。今回来日するヤディエル・モリーナ選手(セントルイス・カージナルス)は、グラブさばきがびっくりするくらい上手いキャッチャーです。でも、ただ『すごいなー』と思って見ているだけでは駄目。そういう目を持ってみないと吸収できません。試合に勝つことも大事ですが、プレーに精一杯にならず、技術を楽しみながら盗んでやろうという気持ちを持って、野球人として更なるプラスを得てほしいです」
【了】
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次回:10月29日20時頃公開予定