侍ジャパンU-15代表、大会3連覇中のチャイニーズ・タイペイに快勝 無傷の3連勝!

2017.11.3

静岡県伊豆市・志太スタジアムで行われている「第9回 BFA U-15アジア選手権」は3日、大会3日目を迎え、侍ジャパンU-15代表は大会3連覇中のチャイニーズ・タイペイに挑んだ。今大会最大のヤマ場だったが、投打がかみ合い、3-0で勝利。開幕からの連勝を「3」に伸ばした。

写真提供=Getty Images

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優勝へ向けて最大のライバル撃破、最終回を締めた寺西「素直に嬉しかった」

 静岡県伊豆市・志太スタジアムで行われている「第9回 BFA U-15アジア選手権」は3日、大会3日目を迎え、侍ジャパンU-15代表は大会3連覇中のチャイニーズ・タイペイに挑んだ。今大会最大のヤマ場だったが、投打がかみ合い、3-0で勝利。開幕からの連勝を「3」に伸ばした。

 3番手・寺西成騎(石川・根上中)が投じたスライダーに、ラストバッターのバットが空を切った。内山壮真捕手(石川・星稜中)が最終回から一塁に入った高橋凌(千葉・七林中)に送球。21個目のアウトを確認した選手たちは喜びを爆発させた。寺西は「緊張がほぐれて、素直に嬉しかったです」と笑顔を見せた。

 チャイニーズ・タイペイの先発は191センチの長身から速球を繰り出す李晨薰。初回は3者凡退に抑えられたが、2回のチャンスを逃さなかった。4番・平尾柊翔(埼玉・大石南中)、5番・加藤陸久(神奈川・文命中)が連続四球で出塁すると、6番・山田将義(東京・駿台学園中)は左飛に打ち取られたが、7番・長谷川優也(新潟・黒埼中)も四球で歩き、1死満塁とした。

 8番・米永大基(埼玉・城南中)は初球でスクイズを決められず、一邪飛。場面は2死満塁となり、9番・神里陸(沖縄・南星中)に打順が回った。カウント3-2からの6球目。弾き返した打球は二塁ベース左、遊撃手のグラブの下を通り抜けて中前へ。2死だったことから二塁走者もホームにかえり、2点を奪った。

 伊藤将啓監督はベルト上のボールの見極めを指示しており、「そこは対応できていた」としながらも、「チャイニーズ・タイペイのピッチャーはランナーが出ると球速が遅くなる。足も絡め、プレッシャーをかけながらと確認していたが、うまく回らなかったところもあった」と振り返った。2回のスクイズ失敗やエンドランが決まらず、「プレッシャーがない状況で、自分たちでミスをしてしまったのはもったいなかった」と、その後の無得点を悔やんだ。

 かみ合わないところもあったが、2-0で迎えた6回。チャイニーズ・タイペイが投手を交代。日本は再び2つの四球からチャンスを作った。1死一、二塁で代打・宮本拓実(宮城・仙台育英秀光中)は「初球から積極的に振ることを心がけていた」と、1球目からスイングし、ファウルとなったがタイミングを計った。カウント1-2からの4球目の外角球を逆らわずに左中間へ。貴重な追加点を奪い、「自分たちにもう1回流れを持ってくることができた」と胸を張った。

6回にはセンター功刀がスーパープレー「がむしゃらなプレーが自分の持ち味」

 投手を中心に粘り強く守り抜いたことも勝利につながった。先発・荻原吟哉(石川・星稜中)は「チャイニーズ・タイペイということでちょっと緊張した」と、先頭打者への内角球が外れて四球。さらに2番打者にボールが2球続いたところで伊藤監督がマウンドに向かった。「監督は『ビビってんの?』と言って、和ませてくれた」と荻原。「ビビってないです」と答え、アウトを1つずつ取っていくことを確認した。

 この間で落ち着きを取り戻した荻原。2番打者がバントをすると、捕手の内山が一塁走者を確認している間にセーフ(記録は内野安打)となり、無死一、二塁とされたが、左飛、遊ゴロ、見逃し三振でピンチを切り抜けた。2回にも先頭を内野安打で出したが、リードが大きかったため、捕手の内山が一塁に送球してアウト。その後も好守があり、チャイニーズ・タイペイに付け入る隙を与えなかった。荻原は「星稜中でもピンチの場面はたくさん経験してきたので、その経験があったから抑えられたと思う」と、走者を背負いながらも無失点で切り抜けた要因を話した。

 5回からは根本悠楓(北海道・白翔中)がマウンドへ。「荻原には3回か4回までと言ってあった。仕事を果たしてくれたので」と伊藤監督は予定通りにスパッと交代させた。「吟哉がいい流れを作ってくれたので、それに続こうと思った」と、根本は2イニングを3者凡退に抑えた。

 6回の3アウト目は中堅手・功刀史也(山梨・白根巨摩中)のスーパープレーで奪った。「身長が大きいバッターだったので、越されないように後ろに守っていた。そしたら、(打球が)前に来て、ここで塁に出したら点を取られると思ったので、勝負に行きました」と功刀。内野手は打球の弾み方に対応するため、前に守っており、内野と外野の間が広く空いていた。ちょうどそこに打球が上がったが、功刀が猛然とダッシュ。最後は左手を伸ばして飛びつき、捕球した。

「(手を)伸ばしたら、入った!みたいな感じでした。ピッチャーが頑張っていたので、なんとか捕ってやろうと思った。がむしゃらなプレーが自分の持ち味なので」と笑顔を見せた。最後は寺西が締めて、3-0で勝利。伊藤監督は「よく3人が投げてくれたと思う」と称えた。

 この日はムードメーカーとなっている濱田世(高知・高知中)を中心にウォーミングアップから盛り上がりを見せ、大事な一戦に臨んだ。「18人、それぞれに役割がある。試合に出ている9人だけではなく、ベンチ、スタッフを含めて全員で戦う」と指揮官。前日のミーティングでは「負けの責任はこちらにある。とにかく、一生懸命、躍動してやればいい」と伝えた。3連休も始まり、ギャラリーも増えた中、チーム一丸となり、存分に力を出し切って宿敵に勝った。

【了】

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