侍ジャパンで広がった視野と経験 広島東洋・会沢翼が未来へ繋ぐ野球界への熱い思い

2024.2.26

2007年に広島東洋へ入団し、球団史上初のセ・リーグ3連覇に貢献した会沢翼捕手。日本を代表する捕手となり、2021年からは日本プロ野球選手会の会長も務める。2019年に開催された「第2回 WBSC プレミア12」(プレミア12)では野球日本代表「侍ジャパン」の正捕手として活躍した。世界一を勝ち取った5年前の大会について「一流の選手が集まる場所なので、やりがいを感じてプレーしていました」と振り返る。

写真提供=Full-Count

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第2回プレミア12では侍ジャパンの正捕手として世界一に貢献

 2007年に広島東洋へ入団し、球団史上初のセ・リーグ3連覇に貢献した会沢翼捕手。日本を代表する捕手となり、2021年からは日本プロ野球選手会の会長も務める。2019年に開催された「第2回 WBSC プレミア12」(プレミア12)では野球日本代表「侍ジャパン」の正捕手として活躍した。世界一を勝ち取った5年前の大会について「一流の選手が集まる場所なので、やりがいを感じてプレーしていました」と振り返る。

 プレミア12で代表に選出された捕手は、会沢選手のほかに甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)と小林誠司捕手(読売)。当初は3人の併用と考えられていたが、攻守に存在感を示した会沢選手が稲葉篤紀監督の信頼を勝ち取り、正捕手に。韓国との決勝戦でも先発マスクをかぶり、優勝の歓喜を味わった。

 捕手として「リードで苦労したことはなかったです。とにかく良い投手ばかりで楽しかったのを覚えています」と話す。普段はバッテリーを組んでいない投手ばかりだったが、「練習の時も食事の時もなるべく話すようにしていました。中でもブルペンで球を捕った後の会話は、一番大切にしていました」といい、密なコミュニケーションを図りながら、投手の持ち味を引き出していった。

「決勝も思い出に残っていますが、(グループB・第3戦の)チャイニーズ・タイペイ戦が一番印象深いですね。先発した今永(昇太)投手(当時横浜DeNA、現シカゴ・カブス)が試合を作ってくれて、完全アウェーの雰囲気の中で勝つことができた。あの試合を勝ちきれたことで自信を深めることができました」

代表選出されるも怪我で出場辞退「勝ってくれと思いながら…」

 プレミア12での活躍が評価され、2021年の東京でも代表入りを果たした。しかし、大会前に左ふくらはぎを痛めて無念の出場辞退を余儀なくされた。選んでもらいながらの怪我。悔やんでも悔やみ切れない思いを抱える会沢選手の心中を察してか、稲葉監督から何度も連絡があったという。

「実はその前から痛めていた箇所があり、『慌てさせてしまったかもしれないね』と心配してくださいました。稲葉さんは選手ファーストで物事を考えてくださる監督で、プレーしやすかったですし、コミュニケーションもとりやすかったです。いい経験をさせてもらったと感謝しています」

 侍ジャパンは初戦から決勝まで5連勝という破竹の勢いで勝ち進み、野球が正式競技となってから初の金メダルを獲得。日の丸を背負って戦う仲間たちの勇姿は、テレビ画面を通して見守り続けた。「勝ってくれと願いながら応援していました」と、心はチームと一緒にあった。

「金メダルを獲って当たり前の雰囲気で勝ちきるのはすごく大変だし、相当なプレッシャーだったと思います。それが分かるだけに、金メダルが獲れて本当に良かったと思いましたね」


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2021年に日本プロ野球選手会の会長に「やる以上、覚悟と責任が生まれる」

 広島東洋の正捕手として、2016年からの3連覇を戦い抜き、2018年から2シーズンは選手会長の重責を担った。プレーヤーであり、リーダーでもある。その2つの役割を状況に応じて演じ分けながら、プロ18年目の今季も大黒柱としてチームを支える。

「言わないといけないことはしっかりと伝えるようにしています。正直、リーダーシップをとる選手ではないと自分では思っています。周りを見ながら動くことが大事だと思っているので、そこは意識しています」

 頭に描くリーダー像は「名前を出すなら、(現広島東洋の)新井(貴浩)監督と石原(慶幸1軍バッテリー)コーチ」。背中を追いかけた2人の先輩には「お2人が現役の頃からいろんな話を聞かせてもらっていますし、チームのことを考えて行動される姿をずっと見てきたので、学ばせてもらったことは数多いです」と感謝を忘れない。

 2021年からは日本プロ野球選手会の会長を務める。新たな肩書が加わっても「プレッシャーは感じていません」と前を向く。「ただ、大変な仕事なのは分かっていますし、それをやる以上、覚悟と責任が生まれると思うので、そこはしっかりやっていきたいと思っています」と、これまで同様、堅実に任務と向き合っていく心構えだ。

見据える野球界の未来「子どもたちに選んでもらえるスポーツに」

 昨年3月に開催された「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(WBC)」で、日本は3大会ぶりの優勝を果たした。社会現象ともなった王座奪還の興奮は、1年が経とうという今でも鮮明に覚えている。

「WBCの優勝は凄かったですね。もちろん、プレーヤーとしてあの場所にいたかったという気持ちもありますが、やっぱりうれしかったです。日本の野球は凄いんだぞ、というところを見せてくれたと思いますし、あの優勝は日本の野球界にとって大きなプラスになったと感じています」

 日本プロ野球選手会の会長就任以降、野球を盛り上げるためにできることはないかと考えることが増えた。「365日、野球のことを考えない日はありません。プレーヤーのこと、カープのこと、そしてプロ野球界全体のこと、考えることはたくさんあります」と、野球と向き合いながら毎日を過ごす。

「子どもたちに選んでもらえるスポーツになるように、選手会としても取り組んでいきたい。そのためにも日本のプロ野球をもっと盛り上げて、いいものにしていきたいですね」

 高校から飛び込んだプロ野球の世界。これまで17年間で経験した全ての出来事が会沢選手の財産となっている。野球に対する熱き思いをたぎらせながら、プレーヤーとして、そしてリーダーとして、日本球界の未来を作っていく。

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