カテゴリー別代表の経験を生かした13人 井端ジャパンのアジチャン2連覇達成に貢献

2023.12.4

11月16日から19日まで東京ドームで開催された「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ」では、野球日本代表「侍ジャパン」が2大会連続優勝を飾った。就任間もない井端弘和監督の初陣を飾る優勝に貢献した26人の侍戦士たちの半数にあたる13人は、かつてカテゴリー別代表などに選ばれた“侍ジャパン経験者”だった。

写真提供=Full-Count

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新生・井端ジャパンに選ばれた26選手のうち半数が侍ジャパン経験者

 11月16日から19日まで東京ドームで開催された「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ」では、野球日本代表「侍ジャパン」が2大会連続優勝を飾った。就任間もない井端弘和監督の初陣を飾る優勝に貢献した26人の侍戦士たちの半数にあたる13人は、かつてカテゴリー別代表などに選ばれた“侍ジャパン経験者”だった。

 今大会への参加資格を持っていたのは、24歳以下または入団3年目以内の若手選手たち。これに加えて、オーバーエイジ(OA)枠として29歳以下の選手を3人まで登録することができた。井端監督はOA枠として、田口麗斗投手(東京ヤクルト)、今井達也投手(埼玉西武)、坂倉将吾捕手(広島東洋)の3人を選出。そして、3月の「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(WBC)」優勝メンバーからは、参加資格を持つ牧秀悟内野手(横浜DeNA)が加わった。

 日本は予選リーグでチャイニーズ・タイペイ、韓国、オーストラリアと対戦し、3戦全勝で19日の決勝戦へ駒を進めた。決勝戦では韓国と接戦となり、2?2の同点でタイブレーク制による延長10回へ突入。韓国に1点を勝ち越されたが、門脇誠内野手(読売)のサヨナラ打で劇的な逆転勝利を飾った。


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初戦にはU-15代表経験を持つ3選手が出場

 初戦のチャイニーズ・タイペイ戦では5投手が完封リレーで繋いだ。このうち、5回2死二塁の場面で二番手としてマウンドに上がり、打者1人を空振り三振に斬った及川雅貴投手(阪神)はU-15代表経験者。2016年に第3回WBSC U-15ベースボールワールドカップに出場し、準優勝となった経験を持つ。及川投手は同年に日本で開催された第40回日米大学野球選手権大会の第3戦で始球式のマウンドにも上がった。

 その及川投手からバトンを受け、6回から3番手として登板した根本悠楓投手(北海道日本ハム)も同じくU-15代表経験者。2017年の第9回BFA U15アジア選手権に出場し、優勝を飾っている。

 もう1人のU-15代表経験者は、初戦に2番・遊撃でスタメン出場した小園海斗内野手(広島東洋)だ。小園選手は2015年のU-15アジアチャレンジマッチに出場。その後、報徳学園高に進むと2年生から2年連続でU-18代表に選出されるなど、アンダー世代の頃から縦縞のユニホームを着て世界の舞台で戦っていた。

 7回に先制アーチを放ち、9回には右前打で追加点の好機を演出した森下翔太外野手(阪神)は大学代表の経験を持つ。2019年には1年生ながら大学代表入りを果たし、第43回日米大学野球選手権大会に出場。4年生だった2022年には第30回ハーレムベースボールウィークでも活躍した。

 2019年の日米大学野球で森下選手とチームメートだったのが、当時は中央大3年生だった牧選手だ。2021年にプロの門を叩くと、いきなり打率.314を記録する大活躍で同年セ・リーグ連盟特別表彰として新人特別賞を受賞。2022年の侍ジャパンシリーズ2022「日本 vs オーストラリア」からトップチームに選出され、今年3月にはWBCで3大会ぶり優勝の原動力となった。

 5番・三塁で先発出場した佐藤輝明内野手(阪神)も大学代表の経験者で、2018年に第41回日米大学野球選手権大会に出場し、未来のメジャーリーガーたちとしのぎを削った。

 今大会を通じて守護神を任された田口投手は、U-18代表として2013年に第26回AAA世界野球選手権大会に出場。2014年に読売入りすると、プロ4年目の2017年には第1回アジアプロ野球チャンピオンシップに出場するトップチームに選ばれ、優勝メンバーとなった。2019年には第2回WBSCプレミア12で世界の頂点に立ち、今回も含め、トップチームとして戦った国際大会は3大会すべてで優勝を飾ったことになる。


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第3戦先発の早川と決勝先発の今井は2016年U-18代表のチームメート

 第3戦のオーストラリア戦で5回パーフェクト投球と圧巻だった早川隆久投手(東北楽天)は2016年にU-18代表に選出され、第11回BFA U-18アジア選手権で優勝した経験を持つ。早稲田大3年生だった2019年には日米大学野球に出場。この時に同じ代表チームでプレーしたのが、筑波大2年生だった佐藤隼輔投手(埼玉西武)だ。早川投手がバッテリーを組んだ古賀悠斗捕手は2017年の第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップに出場し、4番手としてマウンドに上がった清水達也投手(中日)も一緒に同大会を戦った。

 同じく2017年にU-18代表に選出されたのが、大阪桐蔭高2年生だった藤原恭大外野手(千葉ロッテ)。同学年の小園選手とともに2018年もU-18代表として世界の舞台で活躍した。

 大事な決勝戦で先発マウンドを任された今井達也投手(埼玉西武)もU-18代表経験者で、2016年に早川投手とともにアジアチャンピオンを勝ち取っている。

 カテゴリー別代表経験者13人の内訳は、複数のカテゴリーで選出された選手が4人いるため、トップチーム2人、大学代表5人、U-18代表7人、U-15代表3人となっている。アンダーカテゴリーの頃から国際大会を経験し、独特の雰囲気やプレッシャーの大きさなどを知る選手が多かったこともまた、優勝を果たした要因の一つとなったのだろう。

 井端監督がトップチームだけではなく、U-15代表の指揮も執ることもあり、侍ジャパンではこれまで以上に系統立った育成に取り組むことができそうだ。5年後、10年後のトップチームには、さらに多くの侍ジャパン経験者が名を連ねるようになるかもしれない。

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