「二刀流が貴重な戦力になる」MLBも注目したU-18代表候補合宿 アジア選手権Vに向けた岡田監督の狙い
国内トップクラスの高校球児41人を招集し、「侍ジャパンU-18代表候補選手強化合宿」が4月3日から5日まで、奈良県内で行われた。9月に台湾で開催される「第14回BFA U18アジア野球選手権」(以下、アジア選手権)を見据えたもので、日本のプロ野球界から9球団、さらにMLBからも9球団のスカウトが足を運び、各選手をチェック。それほど、レベルの高い素材がめじろ押しの合宿だった。
写真提供=Full-Count
日本プロ野球から9球団、MLBからも9球団のスカウトが集結
国内トップクラスの高校球児41人を招集し、「侍ジャパンU-18代表候補選手強化合宿」が4月3日から5日まで、奈良県内で行われた。9月に台湾で開催される「第14回BFA U18アジア野球選手権」(以下、アジア選手権)を見据えたもので、日本のプロ野球界から9球団、さらにMLBからも9球団のスカウトが足を運び、各選手をチェック。それほど、レベルの高い素材がめじろ押しの合宿だった。
3月の選抜高等学校野球大会で2年生ながら大阪桐蔭高の優勝の原動力となった“怪物左腕”川本晴大投手、横浜高(神奈川)の最速154キロ右腕・織田翔希投手(3年)、昨夏の甲子園で沖縄尚学高を全国制覇に導いた末吉良丞投手(3年)ら、実力も知名度もある若武者がズラリ。テキサス・レンジャーズの環太平洋地域ディレクターを務める古河有一氏が「最近は高校から日本のプロ野球や大学を経ず、直接メジャーリーグ入りを志す選手が増えていますから」と目を光らせていたのも、無理はなかった。
一昨年のアジア選手権、昨年のワールドカップではいずれも準優勝
U-18代表を率いる岡田龍生監督(兵庫・東洋大姫路高監督)も「全体的に投手と捕手はレベルが高い。これだけバッテリーがいて、負けたら怒られますね」とレベルの高さを実感した。9月のアジア選手権本番では、今回の合宿参加者以外も含めた中から出場メンバー18人を選出しなければならないとあって、「ここからどう絞るのかが本当に難しい」と嬉しい悲鳴を上げた。
もっとも、侍ジャパンU-18代表は近年、一昨年のアジア選手権、昨年の「第32回WBSC U-18野球ワールドカップ」ではいずれも決勝で敗れ、準優勝に終わった。それだけに、今年はなおさら頂点への思いが強い。岡田監督は「まずは投手陣が頑張ってくれることが前提。特にアジア選手権は7イニング制なので、先制点が大事。先にビッグイニングを作られると、なかなか取り返せない」と戦術を描く。
二刀流歓迎「出場メンバーの数が少ない中でありがたい」
合宿ではシート打撃を行い、「無死一、二塁」などのシチュエーションやボールカウントの設定を変えながら、より実戦的な練習に時間を割いた。「各選手の対応力を見たくて、僕の要望で実戦練習を多めにさせていただいた」と岡田監督。「ライバルの韓国や台湾には、150キロ以上の球速の投手が複数いると聞いている。そう簡単に点は取れないと思う。スピードを活かし、小技も使っていきたい」と説明し、盗塁、バント、ヒットエンドランなど“スモールベースボール”を重視する意向を強調した。
一方で、指揮官は「出場メンバーの数が少なく、球数制限があって、なるべく投手をたくさん選びたい中で、(投手と野手の)両方をできる子は貴重な戦力になり、ありがたい」と強調。“二刀流”を歓迎する。「(岐阜・中京高の)鈴木悠悟くん(3年)はショート、外野の経験があり、シート打撃では素晴らしい投球もしていた」と名前を挙げた。シート打撃では横浜高・池田聖摩選手(3年)もショートと投手、花巻東高(岩手)・萬谷堅心選手も外野と投手を両方務めていた。

後輩の大阪桐蔭・川本と交流「話しかけられやすい先輩でいたい」
全国から選手が招集された中で、抜群のコミュニケーション力を見せたのが、横浜高の織田投手だった。合宿初日の正午過ぎに宿舎ホテルに集合し、午後2時から約3時間半の練習を終えて報道陣の取材に対応する頃には、もう「(41人の)ほぼ全ての選手と会話することができました」と事もなげに明かしていた。特に後輩の大阪桐蔭高・川本投手をキャッチボールの相手に指名し、ストレッチ中に笑顔で言葉を交わすなど、初対面ながら、あっという間に仲が良くなった様子だ。
織田投手は「自分は普段から先輩・後輩を気にしていませんし、話しかけられやすい先輩でいたいと考えています。川本も怖がらずにコミュニケーションを取ってきてくれるので、関わりやすかったです」とうなずく。それでいて、192センチ、95キロの体格を誇る川本投手を「多分、自分自身のことをまだ理解していなくて、なんとなくやっていると思います。これから自分のことを知り、野球の研究をしていけば、世代ナンバーワンの素晴らしい投手になると思います」と先輩らしい目線で評していた。
「夏の甲子園大会で終わりではなく、その先も見据えてほしい」
和気あいあいとしたムードの中で、アドバイスを送り合い、積極的に情報交換が行われた合宿。岡田監督は「彼らはこれから夏の甲子園大会の地区予選を目指すけれど、そこで終わりではない。その先に侍ジャパン(U-18)があり、進路決定もある。この3日間、いろいろな面で刺激を受けたと思うので、先を見据えて頑張ってほしい」と目を細めた。
9月にはここから強い侍ジャパンU-18代表が生み出され、さらに世界へ飛び出す人材が現れそうだ。
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