侍ジャパン、いざ出陣 WBC3度目優勝を目指し、史上最強チームが決戦に臨む
いよいよ「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(以下WBC)」が開幕する。3大会ぶりの世界一奪還を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は9日から始まる「カーネクスト 2023 WBC™ 東京プール」初戦で中国と対戦。続いて、韓国、チェコ共和国、オーストラリアと戦い、まずは上位2チームに入って16日の準々決勝進出を目指す。
写真提供=Full-Count
日本は9日の中国戦からスタート、1次ラウンドは上位2チームが準々決勝へ
いよいよ「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(以下WBC)」が開幕する。3大会ぶりの世界一奪還を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は9日から始まる「カーネクスト 2023 WBC™ 東京プール」初戦で中国と対戦。続いて、韓国、チェコ共和国、オーストラリアと戦い、まずは上位2チームに入って16日の準々決勝進出を目指す。
栗山英樹監督の熱いラブコールを受けて集まった30人の侍戦士たち。“史上最強”の呼び声高い侍ジャパンの中で、最大の強みとなるのは日米を代表する豪華投手陣だろう。先発の軸となるのは、2009年WBC優勝メンバーでもあるダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス)と、2021年ア・リーグMVPの二刀流・大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)だ。
ダルビッシュ投手は2月17日から始まった宮崎キャンプにも参加し、投手陣はもちろん野手陣とも積極的に交流を図りながら、チームの士気を高めてきた。今季でプロ19年目。これまでに培ったピッチング技術や野球に対するアプローチを惜しげもなく伝授する一方、ブルペンでの投球練習には投手陣が揃って見学をし、学ぶ姿が話題になった。球速160キロにも迫る直球と多彩な変化球を操りながら打者を翻弄する姿は頼もしい。
他国が脅威に感じるダルビッシュ&大谷の2大看板
自チームのキャンプに参加していた大谷投手は、現地2月28日のオープン戦で今季からオークランド・アスレチックスに移籍した藤浪晋太郎投手との投げ合いを終えてから、プライベートジェットで帰国。3日に満を持してチームに合流した。仕上がりは順調なようでオープン戦では最速158キロの直球など持ち球すべてを投げ、「どの球種も良かったんじゃないかなと思いますし、そこそこ良かったんじゃないかなと思っています」と手応えを得ている。
これまで国際大会になるとたびたび日本の壁となったのが、ボールの違いだ。国際大会で使用されるボールはメジャー公式球と同等のもので、日本プロ野球(NPB)で使用されるものよりやや大きく滑りやすい。今回選ばれた侍投手陣も早い段階からWBC公式球に慣れる努力を重ねているが、メジャーで活躍するダルビッシュ投手と大谷投手にとっては使い慣れたもの。いまやメジャーを代表する2投手の存在は日本にとってこの上なく大きく、他チームにとっては脅威となるはずだ。
さらに、2年連続で沢村賞に輝いた山本由伸投手(オリックス)、史上最年少で完全試合を達成した佐々木朗希投手(千葉ロッテ)らNPBを代表する投手たちもズラリ。球数制限がある中、栗山監督が全幅の信頼を置く吉井理人投手コーチが、いかに第2先発や巧みな継投術を使うのか。甲斐拓也、中村悠平、大城卓三の3捕手とのコンビネーションにも注目だ。
走攻守揃った野手陣にも期待、面白い存在となるヌートバーにも注目
野手も走・攻・守で日本を代表するメンバーが揃った。打撃では昨季史上最年少で3冠王になった村上宗隆内野手(東京ヤクルト)に加え、山川穂高内野手(埼玉西武)、岡本和真内野手(読売)、吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)ら長打を期待できるパワー打者が中軸に並ぶことになりそうだ。同じくパワーを生かした得点力を持つ鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)は、残念ながら左脇腹を痛めて出場辞退。追加招集された牧原大成内野手(福岡ソフトバンク)は内外野を守れるユーティリティプレーヤーで「誰が加われば一番勝ちやすい形になるかを考えました」と栗山監督も期待を寄せる。
機動力では、2020年パ・リーグ盗塁王の周東佑京外野手(福岡ソフトバンク)と2021年セ・リーグ盗塁王の中野拓夢内野手(阪神)という2人の韋駄天がカギを握る。俊足で相手守備をかき回し、試合序盤での先制点につなげてペースを握りたいところだ。守っては、華麗なグラブさばきで鉄壁の守備を誇る源田壮亮内野手(埼玉西武)が遊撃に就き、二塁を守る山田哲人内野手(東京ヤクルト)や牧秀悟内野手(横浜DeNA)と屋台骨ともなるセンターラインを強化する。
野手で興味深い存在となるのが、ラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス)だろう。米国ロサンゼルス近郊で生まれ育ち、日本人の母を持つ25歳。侍ジャパンでは初の日系人選手となる。パワーと選球眼の良さが光る外野手で、俊足と強肩を生かした守備範囲の広さが持ち味。先発出場する機会が多くなりそうだが、チーム内にどのような化学変化をもたらすかが楽しみでもある。
東京プールから米国が舞台となる決勝ラウンドへ進めるのは2チームのみ。侍ジャパンはどんな戦いぶりで勝ち抜き、世界の頂点に返り咲くのか。宮崎キャンプや強化試合を積み重ね、チームの結束力は増し、最高の準備が整った。侍ジャパン、いざ出陣。いよいよ、2週間にわたる決戦の火蓋が切って落とされる。
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