「いろいろ聞きました」―埼玉西武の右腕が甲子園優勝直後に日本代表で手にしたもの

2020.3.9

昨季、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで敗退したものの、2年連続パ・リーグ制覇を成し遂げた埼玉西武。入団3年目でローテーションの一角を担い7勝を挙げた今井達也投手は、高校3年の夏には栃木・作新学院高で甲子園制覇を果たし、大会後にはU-18「侍ジャパン」に選出。台湾・台中で行われた2016年の「第11回 BFA U18アジア選手権」に出場し、チームの優勝に貢献した。今井投手は、甲子園、そして日本代表でも優勝を成し遂げた高校3年の夏は「野球をするのがとにかく楽しかった」と笑顔で振り返る。

写真提供=Full-Count

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高校3年の夏に甲子園を制覇した今井達也、直後の侍ジャパンU-18代表は「とにかく楽しかった」

 昨季、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで敗退したものの、2年連続パ・リーグ制覇を成し遂げた埼玉西武。入団3年目でローテーションの一角を担い7勝を挙げた今井達也投手は、高校3年の夏には栃木・作新学院高で甲子園制覇を果たし、大会後にはU-18「侍ジャパン」に選出。台湾・台中で行われた2016年の「第11回 BFA U18アジア選手権」に出場し、チームの優勝に貢献した。今井投手は、甲子園、そして日本代表でも優勝を成し遂げた高校3年の夏は「野球をするのがとにかく楽しかった」と笑顔で振り返る。

 今井投手にとって「第11回 BFA U18アジア選手権」が初の侍ジャパン選出となったが、快進撃を続けていた甲子園の期間中には、すでに代表入りを意識していたという。

「甲子園が始まった当初は考えていなかったんですが、バッターで活躍していた入江(大生)と、準々決勝くらいから『可能性があるんじゃないか』という話をしていました。部長から2人が選ばれたと聞いた時は、すごくうれしかったです」

 大会は甲子園で優勝した直後の8月30日から行われた。疲労が残っていたことに加え、舞台となった台湾は暑く、食欲も落ちて痩せてしまったという。だが、代表のチームメートからは学ぶことが多く、貴重な体験ができたと語る。

「日の丸を背負うプレッシャーはあまりなかったです。それよりも、いい選手がたくさんいる中で野球ができることが楽しかった。堀瑞輝(北海道日本ハム)や藤平尚真(東北楽天)、寺島成輝(東京ヤクルト)、高橋昂也(広島東洋)ら、僕の代はいいピッチャーが多かったし、チームの雰囲気も良かったので、変化球の握りや、投げる時に何を意識するなど、いろいろ聞きました」

「この時の練習に対する意欲は、今も忘れてはいけないと思っています」

 大会では予選リーグ、決勝でいずれもチャイニーズ・タイペイを相手に先発。予選リーグは4回1/3を6安打無失点に抑えると、決勝では5回1安打の好投。2番手でマウンドに上がった堀投手と完封リレーを演じ、チームを優勝に導いた(1-0で勝利)。見事アジアの頂点に輝いたが、初めてだった海外の選手との対戦には苦労した。

「韓国の選手は体が大きいだけでなく、普段から木製バットに慣れているので、『ピッチャー全員で頑張らないと』とチーム内で話をしていました。チャイニーズ・タイペイは日本のスタイルに近い野球をします。1、2番は機動力を使い、クリーンアップは少し球が高いとスタンドまでもっていく力がある。一人ひとり打ち取るのが難しかったです」

 そんな中で掴み取った優勝はもちろんうれしかったが、体力的には苦しかったという。しかし、野球をすることがとにかく楽しく、何でも吸収しようとしていた当時の気持ちを、今も大切にしていると明かす。

「毎日毎日、勉強しようと思って練習していました。甲子園で優勝して、日本代表でも優勝できた。野球をするのが本当に楽しかったです。この時の練習に対する意欲は、今も忘れてはいけないと思っています。投げっぱなしだったので体力的にもしんどかったですが、プロに入った今、チーム全体が疲れてくる時に先発が踏ん張らないといけないとコーチに言われています。疲れている時に大事な試合で投げさせてもらったあの時の経験は、今でも生きています」

 21歳の右腕は、厳しい環境の中でも野球を楽しみ、アジア制覇を成し遂げた侍ジャパンでの経験を糧に、チームのエースへと成長を続けている。

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