侍ジャパン女子代表(マドンナジャパン)候補のナックルボーラー吉田えり、内に秘める夢「目標2つある」

2016.5.20

9月に韓国・釜山で開催される「第7回WBSC女子野球ワールドカップ」に向けて、代表合宿を重ねるマドンナジャパン。5連覇を狙う日本代表候補として名を連ねるのが、現在BCリーグ石川ミリオンスターズで活躍する吉田えり選手だ。日米両国の独立リーグで男子と肩を並べて競い合うナックルボーラーに、日本代表への思いを語ってもらった。

写真提供=Full-Count

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吉田えり、初代表への思い「女子ならではの団結力感じる」

 9月に韓国・釜山で開催される「第7回WBSC女子野球ワールドカップ」に向けて、代表合宿を重ねるマドンナジャパン。5連覇を狙う日本代表候補として名を連ねるのが、現在BCリーグ石川ミリオンスターズで活躍する吉田えり選手だ。日米両国の独立リーグで男子と肩を並べて競い合うナックルボーラーに、日本代表への思いを語ってもらった。

――マドンナジャパン最終候補として合宿に参加なさっていますが、意外にもこれが初めての代表参加です。

「トライアウトを受けないと代表選手にはなれないので、今まではタイミングが合いませんでした。実は、高校2年生の時に一度トライアウトを受けて、その時は2次審査で落ちてしまって。それで、その翌年には独立リーグ入り。18~21歳はアメリカに行ったりしていたので、なかなかタイミングが合いませんでした」

――日本代表選手になることは、中学時代からの夢だったと聞きました。

「そうなんです。私には目標が2つあるんですけど、1つがプロ野球でナックルボーラーとして成功すること、そしてもう1つが代表入りして日の丸を背負うことなんです。中学生から代表に憧れて野球をしてきているので、実際に選ばれたらどんな気持ちになるんだろうって。まだ想像がつかないですね」

――今まで高知と埼玉で2度合宿がありました。全員女子という環境で野球をやることが新鮮だったのでは?

「高校2年生の時に、一度女子野球でプレーしていたんですけど、それからはずっと独立リーグ。久しぶりに女子の中で(野球を)やるわけですよ。なんて言うんでしょう……ひと言で言うと、本当に楽しかった。もちろん、世界で戦うまでの強化合宿なので、練習内容はすごく濃いですし、世界一を目指すわけですから厳しいところもある。でも、やっぱり女子ならではの楽しさっていうか、それをすごく感じて、久しぶりに『野球って楽しいな』って感じられました」

実感する男子との違い、「女子と男子の線はある」

――やはり男子の中でプレーするのとは少し違いますか?

「違いはあると思います。自分は言葉に表すのが上手ではないので、表現が難しいんですけど、やっぱり女子と男子の(境界)線はあるのかなって。自分だけじゃなくて、向こう(男子)も気を遣うことがあるだろうし。でも、女子だけだとそれはありません」

――合宿をして、何か気が付いたことや新たな発見があったら教えて下さい。

「声の出し方が違いますね、女子はメッチャ声を出すんですよ。メッチャ盛り上げる。気持ちの入り方が違うのかなって。自分も、久しぶりにこんなに声出したってくらい声を出しました(笑)。試合だけじゃなくて、ウォーミングアップ中でも、ダッシュをする時にすれ違ったらハイタッチするとか、声を掛け合ったりとか、チームの絆っていうのかな。女子ならではの団結力を感じましたね」

――高校生の時に経験した女子野球に比べ、今の方が断然レベルアップしているのでは?

「確実に上がっていますね。自分が高校生の時は、女子の高校野球チームは5校しかなかったんです。でも、今は20校近くに増えているし、クラブチームもどんどん増えています。それに合わせて、女子野球のレベルがどんどん上がっている。去年初めて女子プロ野球を見に行ったんですけど、合宿で初めて試合をさせてもらって、レベルが違うなって感じました。やっぱりプロはプロのすごさがある」

――競技人口が増えたことがレベルアップにもつながっているんでしょうね。

「そうですね。レベルが高い選手が増えれば、それを超えるために頑張りますから。女子野球はいい流れで普及しているように思います」

高まる5連覇への思い「先輩たちが築き上げてきた連覇というものを守りたい」

――合宿を重ねる中で、ワールドカップ5連覇に懸ける思いの強さを感じることはありましたか?

「そうですね。声を掛け合いながら練習したり、プレーしたりするのも、その気持ちの表れだと思います。先輩たちが築き上げてきた連覇というものを守りたい気持ちはすごくありますし、今回トライアウトで落ちてしまった選手の分も、自分たちはしっかり優勝して帰ってくるんだっていう気持ちを、みんな持っていると思います」

――吉田選手個人としては、目標でもある代表入りが一歩近づいています。

「今、一応スタートラインには立てているので、次は6月に合宿があるので、そこでしっかり自分の持っている力を出して、最後まで残れたらいいと思っています。日の丸を背負って5連覇することが当面の目標。代表に選ばれたら、おそらく中継ぎだと思うんですが、それでも明日先発をやってほしいって言われたら、しっかり投げられるような準備はします」

――代表入りを果たして、9月のワールドカップでマウンドに立ったら、どんな気持ちになるんでしょう?

「ホントですね。早くその景色を見てみたいなって思います」

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