侍ジャパン、22日に運命のWBC準決勝 米国との対戦へ「勝つためにやるのが戦」

2017.3.21

野球日本代表「侍ジャパン」は21日(日本時間22日)に第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の準決勝・米国戦(ロサンゼルス、ドジャースタジアム)に挑む。東京ドームで行われた1、2次ラウンドは6戦全勝。勢いに乗って大一番に臨む。

写真提供=Getty Images

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日本の先発は菅野、小久保監督は「日本で一番いい投手」と信頼明かす

 野球日本代表「侍ジャパン」は21日(日本時間22日)に第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の準決勝・米国戦(ロサンゼルス、ドジャースタジアム)に挑む。東京ドームで行われた1、2次ラウンドは6戦全勝。勢いに乗って大一番に臨む。

 3連覇を目指して臨んだ前回大会は、プエルトリコに惜敗した準決勝の舞台。2大会ぶりの決勝進出へ、小久保裕紀監督は菅野智之投手(読売)を先発としてマウンドに送り込む決断を下した。

「今、日本で選んでいる中で一番いい投手ということで彼に託そうと思った。ある程度、試合を作るということが勝つためには必要になる」

 菅野は1次ラウンド第2戦のオーストラリア戦で5回途中4安打1失点と好投も、2次ラウンド第2戦のキューバ戦では4回7安打4失点と崩れ、先発としての役割を果たせなかった。それでも、小久保監督の言葉には、エース右腕への絶大な信頼が滲む。

 米国打線には、バスター・ポージー捕手(ジャイアンツ)、ノーラン・アレナド内野手(ロッキーズ)、エリック・ホズマー内野手(ロイヤルズ)、ダニエル・マーフィー内野手(ナショナルズ)、アダム・ジョーンズ内野手(オリオールズ)といった強力なメンバーが揃う。決勝ラウンド進出がかかった2次ラウンド第3戦のドミニカ共和国戦では、メジャー屈指の大砲として知られるジャンカルロ・スタントン外野手(マーリンズ)が8番で起用された超強力打線だ。

 ただ、菅野自身はチームのために全力を尽くす考え。「自分の力を試したいという気持ちは1ミリもないですね。とにかくチームが勝つピッチングをしたいです」と言い切る。登板2日前の19日(同20日)にはブルペンで投球練習を行い、「今さら何ができるわけでもない。確認と試合の準備。それだけです」と“平常心”を強調。決勝ラウンドから球数制限は95球まで増えるが「球数なんて気にしないで、とにかく0点に抑えることを目標に頑張ります」と誓った。

米国先発ロアークも「全てを出し切りたい」、日本は小技を絡めて打ち崩せるか

 一方、米国はタナー・ロアーク(ナショナルズ)が先発。今大会は1次ラウンド第2戦のドミニカ共和国戦で2番手として登板し、1回1/3を3安打3失点と乱れたが、ジム・リーランド監督は「この大会に自ら手を挙げて参加してくれた。先発するに相応しい投手。この上なく自信がある」と話す。

 メジャーでも実績十分の右腕だ。ナショナルズでは14年に15勝(10敗)、16年に16勝(10敗)をマーク。昨年の防御率2.83はリーグ6位の好成績だった。昨年のナ・リーグ防御率5位まではカイル・ヘンドリックス(カブス)、ジョン・レスター(カブス)、ノア・シンダーガード(メッツ)、マディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)、ジョニー・クエト(ジャイアンツ)とメジャーを代表する投手の名前が並ぶ。それに続く成績を残しているのがロアークだ。

 メジャーの先発投手として活躍する右腕は、日本戦に向けて「全てを試合で出し切りたい。相手が誰であろうと、自分の投球をするだけ」と話し、「WBC準決勝での先発は人生最大の舞台か?」との質問には「現時点でそうだね」と意気込んだ。

 今大会好調の侍ジャパン打線は、小技などを絡めて、ロアークを揺さぶっていきたいところ。ただ、鍵を握るのは、存在感を見せる不動の4番・筒香嘉智外野手(横浜DeNA)、5番・中田翔内野手(北海道日本ハム)の大砲コンビだろう。持ち味の“スモール・ベースボール”でチャンスを作り、勝負強い2人に回せば、得点のチャンスは大きく広がる。

 中田は「投手が楽に投げてもらえるような形を作って、守り勝つような野球を目指していければ」と“先手必勝”を約束。小久保監督も「先発である程度、点を取って、リードした展開で後半に持ち込まないと」と、まずはロアークを攻略できるかが大きなポイントになると見ている。

 日本と米国のWBCでの対戦成績は過去1勝1敗。第1回大会は2次ラウンド第1戦では3-4で敗れ、第2回大会は準決勝で対戦して9-4で勝利している。今大会、日本のメジャーリーガーは青木宣親外野手(アストロズ)の1人のみだが、チームとしての総合力は高い。試合を重ねるごとに結束は強まっており、メジャーのスター軍団との好ゲームが期待される。

 20日(同21日)の準決勝第1試合ではプエルトリコがオランダを破り、7戦全勝で一足早く決勝進出を決めた。日本が米国に勝てば、WBC史上初めて全勝チーム同士の最終決戦が実現する。小久保監督は「勝つためにやるのが戦だと思うので、そのつもりでやります」と誓った。2大会ぶりの世界一を目指す侍ジャパンが、運命の一戦に挑む。

【了】

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