侍ジャパン、菊池の美技が生んだビッグイニング 「みんなが流れに乗ってくれた」

2017.3.16

野球日本代表「侍ジャパン」は15日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の2次ラウンド第3戦・イスラエルに8-3で勝利し、決勝ラウンド進出を決めた。開幕から無傷の6連勝。4番・筒香嘉智外野手(横浜DeNA)、5番・中田翔内野手(北海道日本ハム)を中心とした打撃陣が好調の中、守備でチームを盛り立てているのが名手・菊池涼介内野手(広島東洋)だ。この試合でも6回に美技を見せ、打線の爆発を呼んだ。

写真提供=Getty Images

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6回のファインプレー直後に5得点、「僕が出来る範囲で仕事を」

 野球日本代表「侍ジャパン」は15日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の2次ラウンド第3戦・イスラエルに8-3で勝利し、決勝ラウンド進出を決めた。開幕から無傷の6連勝。4番・筒香嘉智外野手(横浜DeNA)、5番・中田翔内野手(北海道日本ハム)を中心とした打撃陣が好調の中、守備でチームを盛り立てているのが名手・菊池涼介内野手(広島東洋)だ。この試合でも6回に美技を見せ、打線の爆発を呼んだ。

 菊池にしか出来ないプレーだった。0-0で迎えた6回表。1死からイスラエルの1番フルドのゴロが一二塁間へ飛んだ。ライトへ抜けようかという当たり。しかし、菊池が滑り込んで掴み取ると、素早く立ち上がって一塁に送球。メジャーリーグでも俊足でならす相手のリードオフマンを間一髪でアウトに仕留めた。

 本人は「僕が出来る範囲で仕事をしっかりやりたいと思っている」と謙虚に振り返ったが、チームにとっては大きなプレーだった。今大会初先発の千賀滉大投手(福岡ソフトバンク)が5回1安打無失点と快投。一方で、打線はチャンスを作りながらも点を取れないという重い展開。そんな中で、6回から今大会好調の平野佳寿投手(オリックス)が2番手としてマウンドに上がったばかりだった。打球が抜けてヒットになっていれば、さらにチームに流れる空気が重くなっていた可能性もあったが、菊池が救った。

 そして、何よりも名手が美技を見せたことで、球場の雰囲気が変わった。打者走者がアウトになった瞬間、ファンは一気に沸騰した。

米国でも守備で存在感を見せられるか、「プレッシャーに対応できるように」

 直後の6回裏の攻撃。先頭の筒香が1ボールから2番手アクセルロッドの直球を完璧に捉え、センターバックスクリーンへ運んだ。均衡を破る超特大の先制弾。ここから打者11人の猛攻で5点を奪った。菊池も1死満塁の好機でライト前に運ぶタイムリーを放った。「みんなが流れに乗ってくれた」。紛れもなく、菊池の美技が作った「流れ」だった。

 昨年まで4年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞。広大な守備範囲、強い肩、アクロバティックなキャッチ……。今大会でも随所で好守を見せ、チームを救ってきた。

 初戦の7日キューバ戦では初回無死一、二塁の場面でセペダの強烈なニゴロを滑り込んで捕球し、素早い送球で併殺を完成させた。そして、2次ラウンド初戦のオランダ戦では1点リードの7回1死一塁の場面でボガーツのセンター前に抜けようかというゴロをダイビングキャッチ。グラブトスで坂本に送り、一塁走者をアウトに仕留めた。メジャーでもナンバーワンの遊撃手と言われるオランダのシモンズが思わずベンチから拍手を送る好プレーだった。菊池の守備がなければ、侍ジャパンの6連勝はなかったかもしれない。

 打撃では苦しんでいたが、6回のタイムリーは12打席ぶりのヒットとなった。「考えすぎていたところがある。みんなが打ってくれて、(自分も)打たせてもらった。(これまで)チャンスを潰してきたので嬉しかったですね」。大きな一本に笑みがこぼれた。

 いよいよ決勝ラウンド。すでにMLB公式サイトで動画が紹介されるなど、注目を集めている菊池の守備が、ついに米国ファンにもお披露目される。相手はどこが来ても強豪だが、菊池を中心とした日本の堅い守備からペースを掴み、メジャーのスター軍団に対抗していきたいところだ。

「凄いプレッシャーの試合が続いてきたけど、また違う雰囲気、プレッシャーがあると思う。それに対応できるように精神力が大事になってくる」

 菊池の存在が2大会ぶりの世界一を目指す日本の強みになる。

【了】

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