侍ジャパンU-12代表がアジア初制覇　元日の丸戦士を父に持つ4番が2打点「チームに貢献できた」

「自分が打って、優勝できて嬉しいです。チームに貢献できて良かったです」　準決勝から4番を任された星川心は流れを引き寄せる2打点を挙げ、日本の初優勝に貢献できたことを喜んだ。

決勝で韓国を撃破し初優勝、4番の星川は「自分が打って、優勝できて嬉しい」

　中国・広東省で開催されている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は13日に決勝戦が行われ、侍ジャパンU-12代表は韓国に4-1で勝利。5戦全勝で悲願の初優勝を飾った。

「自分が打って、優勝できて嬉しいです。チームに貢献できて良かったです」

　準決勝から4番を任された星川心は流れを引き寄せる2打点を挙げ、日本の初優勝に貢献できたことを喜んだ。

　1、2回と走者を出すも得点に至らず、日本らしい攻撃ができない苦しい展開だった。しかし3回、途中出場の8番・相澤白虎が四球を選ぶと、9番・砂頼人が三塁線へ絶妙なバントを決めてチャンスを拡大。1番・小西柚生も四球で無死満塁とすると、2番・星子天真主将の遊ゴロの間に先制点をもぎ取った。

　3番・福原聖矢は三飛に打ち取られたが、2死二、三塁で4番・星川が打席へ。1ボールからの2球目、内角直球にバットを振り抜くと、打球は三遊間を割った。三走・砂に続き、二走・星子も「心なら打ってくれると思っていました。1本でかえる準備はしていました」とホームに激走した。

　流れをつかんだ1本に「監督が昨日から4番にしてくれたけど、昨日は当てるバッティングになり、4番として情けなかったので、今日はしっかり振ってチームに貢献したいと思っていました」と星川。準決勝の中国戦はタイムリーを1本打ったものの、ライトフライと得点機で空振り三振に倒れたため、期するものがあった。

父・学さんは元大学日本代表、「野球をやらせてくれて感謝したい」

　韓国を突き放す2打点に「1点ではピッチャーが苦しいと思ったので、あそこで打てて良かったです」と笑顔。仁志敏久監督は「星川がこっちに来てからよくなりましたね。今日もいいところで打ってくれました。4番では考えていなかったんですけど、バッティングの状態がよくなりましたね」と拍手を送った。

「生まれた時からゴルフボールですけど、ボールを持たせていました」と話す父・学さんは東北福祉大4年時に大学日本代表入りし、「第28回日米大学野球選手権大会」を戦った経験を持つ。中大・阿部慎之介（現巨人）や青学大・石川雅規（現ヤクルト）、同じ東北福祉大からは石原慶幸（現広島）とのちにプロに進む選手たちと日の丸を背負った。

　大学卒業後は河合楽器でプレーしたが、休部に伴い、ヤマハへ移籍。主将も務めた。「（横浜DeNA）ベイスターズジュニアの練習で、（元プロ野球選手の）監督やコーチにアドバイスをいただいていますが、お父さんから言われることも似ています。なので、やっぱり、お父さんはすごいなと思います」と父を尊敬する星川。アマチュア野球で活躍した父から「体が硬いからホテルでもストレッチをしなさい」「レベルの高い子たちだから周りに影響されながら考えてやりなさい」とアドバイスを送られ、今大会に臨んでいた。

　初戦こそ無安打だったが、2戦目以降は全試合でヒットと打点を挙げた。準決勝、決勝は4番を任された。星川は父に「野球をやらせてくれて、そして、教えてくれて感謝したいです」と話し、父・学さんは「今からがスタート。すごくいい機会になったと思うので、中学、高校、大学と今後に生かしてほしいですね」。

　野球がもっと好きになった侍ジャパンU-12代表での日々を「自信になりました」と振り返った背番号9は「これからどこのチームに行ってもチームに貢献できる選手になりたいです。次はU-15に挑戦したいですし、そこでも結果を出せるように頑張りたいです」と、新たな目標を立てた。

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images