決勝で主将が躍動、投打でアジア初制覇に貢献 「目標」の兄を「ちょっとは越せたかな」

2016.12.14

中国・広東省で開催されている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は13日に決勝戦が行われ、侍ジャパンU-12代表は韓国に4-1で勝利。5戦全勝で悲願の初優勝を飾った。「嬉しかったです」。初のアジアチャンピオン。キャプテンを務めた星子天真は短い言葉で喜びをかみしめた。

写真提供=Getty Images

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星子の活躍で韓国を撃破、マウンドでは「強気で行こう」

 中国・広東省で開催されている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は13日に決勝戦が行われ、侍ジャパンU-12代表は韓国に4-1で勝利。5戦全勝で悲願の初優勝を飾った。

「嬉しかったです」。初のアジアチャンピオン。キャプテンを務めた星子天真は短い言葉で喜びをかみしめた。

 序盤はチャンスで得点できず、苦しかった。円陣では「まず1点!」と気合いを入れた。3回。四球と内野安打で無死満塁とし、星子に打席が回ってきた。「チャンスで振れないと点が入りません。初球から行こうと思っていました」。初球はボール。2球目のストライクを逃さなかった。強めの打球はショートに補球され、二塁は封殺となったが、三走・相澤白虎がホームイン。待望の得点に「ホッとしました」。5回には無死三塁でライトオーバーのエンタイトルツーベースを放ち、ダメを押した。

 そして、「2番・遊撃」でスタメン出場した星子は3回無死一塁からはマウンドにも上がった。グループ予選2戦目以来の登板。ヒットも浴びたが、最後は空振り三振でしのいだ。続く4回には先頭打者にヒットを許しながら、そこから3者連続三振を奪ってみせた。

「前回は弱気だったので、強気で行こうと思いました」と攻めの投球。5回に内野ゴロの間に1点を失ったものの、守備でしのいだ場面もあり、「みんながしっかり守ってくれました。キャッチャーの(福原)聖矢のリードが良くて思い切って投げられました」と感謝した。

被災地にも吉報運ぶ「熊本の人も喜んでくれると思います」

 兄・海勢は侍ジャパンU-15代表。今夏の「第3回 WBSC U-15ベースボールワールドカップ in いわき」ではキューバに敗れ、準優勝だった。その兄から「優勝してこい」と言われて日本を出発。攻守に渡って、そしてキャプテンとして日本をけん引し、初優勝を勝ち取った。「お兄ちゃんは目標の人。この優勝で、ちょっとは越せたかな」とはにかんだ。現地で応援した母・ひとみさんは「良かったです。みんな、すごいですね。小学生ですよね? 優勝云々より、すごいなーと感動していました」と喜んだ。

 アジア初優勝の栄冠に加え、表彰ではMVPに選ばれ、盗塁王も獲得した。今年4月に発生した「熊本地震」では、通う弓削小学校が避難所になり、所属する弓削キングの練習場所が転々とした時期もあった。そして、今、復興に向かっている街への吉報に「熊本の人も喜んでくれると思います」。

 侍ジャパンU-12代表の中心選手として、キャプテンとして、6度も跳ね返されてきた決勝の壁を突破し、「これからもチームの盛り上げ役で、リーダーシップのある選手になりたいです」と星子。胸元で誇らしげに輝く金メダルとともに熊本に帰る。

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