侍ジャパンU-12代表が韓国に5回コールド圧勝 2連勝&4強進出導いた3番打者
中国・広東省で行われている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は10日、大会2日目を迎え、侍ジャパンU-12代表は韓国と対戦した。前回大会3位の相手に11-1の5回コールド勝ちと圧倒。バットでチームを牽引したのが、3番を任されている内間究だった。
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打線を牽引した内間、仁志監督も「体の力が強い」
中国・広東省で行われている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は10日、大会2日目を迎え、侍ジャパンU-12代表は韓国と対戦した。前回大会3位の相手に11-1の5回コールド勝ちと圧倒。バットでチームを牽引したのが、3番を任されている内間究だった。
迷わずバットを振り抜いた。初回。1番・星子天真が四球で歩くと、盗塁と暴投で三塁まで進んだ。2番・金澤海斗も四球で出塁。韓国の先発投手が2人に9球を投じてストライクが入ったのはわずか1球。内間は初球のボール球を見て「ストレートを狙っていました」。続く2球目の直球をジャストミート。打球は左中間を割り、セカンドベース上で走者2人の生還を確認すると、右手で拳を握った。先制の2点適時打に「チームが盛り上がればいいなと思っていたのでうれしかったです」と白い歯がこぼれた。
2回の第2打席はサードゴロに倒れたが、投手が交代したばかりの5回の第3打席で日本打線に火をつけた。
「投球練習を見て、ストレートは入っていたけど、変化球が入っていなかった。だから、ストレートでストライクを取りに来ると思ったので、ストレートを狙っていました」
初球を捉えた打球は右中間へ。1打席目に続く二塁打を放ち、5番・星川心の右前適時打でホームに返った。なおも四死球やタイムリー、犠飛などで日本打線は止まらず。大量5点を奪って、再び内間に打席が回った。スコアは10-1。あと1点で5回コールドが決まることを「わかっていた」と言い、「長打はいらないので、コンパクトに振ろうと思いました」と、流し打った打球は左翼線へ。二塁走者の星子がホームを踏み、コールドを決める“サヨナラ打”になった。
「今日の試合は仁志監督から『山場になる』と言われ、やる気が出ました。また、『野球を楽しめ』とも言われていたので、笑顔で野球を楽しむことができました」と内間。4打数3安打3打点と大暴れだったが、「接戦になると思っていましたが、みんな、いつも以上にヒットを打ってくれてコールド勝ちにできました」とチームプレーを強調した。
「どんな道でも究めてほしい」の思いが込められた名前
初戦のフィリピン戦はセンター前ヒット1本と1死三塁で二ゴロを打っての1打点。思ったようなプレーはできず、夜の素振りの時間で仁志敏久監督から「左足が使えていないからもっと回して、足からパワーを伝えるように」と軸足となる左足の使い方をアドバイスされた。「そのお陰で今日、打つことができました」と感謝した内間。柔軟に適応し、この日の試合で早速、3安打を放って見せた。
仁志監督は内間について「この年代にしては、下半身が強い子。体の力が強いですね。守っても打っても体がブレず、安定しています」と評する。体の強さの秘訣を内間は「いつもお父さんにご飯を食べさせられています。肉が好きです」と話す。毎日のように夕食では白米1キロをペロリ。練習で存分に体力を使い、父・忍さんお手製の料理でパワーをつけてきた。
その父・忍さんと母・理奈さんが現地で声援を送っている。「目立ちたがりではないけど、人が多いと力を発揮するタイプですね」と父・忍さんが言えば、母・理奈さんは「口数が少なく、背中を見てついて来いのタイプ」。メイン会場で土曜日の試合とあって、観客も多い中、バットで結果を出してチームを引っ張った。
石垣島からの期待も背負っている。八重山地区で石垣市長も出席した壮行会で送り出されてきた。その際、サプライズのビデオレターもあった。スクリーンに映し出されたのは、石垣島でキャンプを行う千葉ロッテの沖縄出身選手。大嶺祐太投手や伊志嶺翔大外野手から激励のメッセージを受けた。また、今大会と小学校の修学旅行の日程が重なっており、一緒に修学旅行に行けない真喜良小の6年生からは日本の国旗にメッセージを添えてプレゼントされた。石垣空港で受け取り、「クールにもらっていたけど、後からしっかり見ていました」と父・忍さんは笑う。「全打席打ってこい」「究 チバリヨー」など、友達からの力強いメッセージは両親がスタンドに飾っている。
「サヨナラホームランとか、サヨナラ打は多いですね。去年から結構、打っています」と父・忍さん。大会直前の国内合宿で行った練習試合でもサヨナラ打を打つなど、山場の韓国戦でも実力を発揮し、予選Bグループ2連勝に導いた。
「ここからどんどん強くなるので、一番は試合に勝つこと。自分のバッティングでチームを勝たせたいです」と力強く言い切った内間。父方の祖母が「どんな道でも究めてほしい」と名付けた「究(きわむ)」の名前の通り、アジアの頂点を“究める”までフルスイングを続ける。
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