世界各国の戦力拮抗が見えた強化試合 侍ジャパン小久保監督「去年から感じていた」
野球日本代表「侍ジャパン」は13日、オランダ代表との強化試合第2戦に臨み、前日に続くタイブレークの末、延長10回12-10で勝利し、強化試合4戦を3勝1敗で終えた。4試合を終えて、侍ジャパンを率いる小久保裕紀監督は、いわゆる第2グループと呼ばれるチームが力を上げ、各国の実力が拮抗してきたことを痛感したようだ。
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強化試合4戦を3勝1敗で終えるも、いずれも苦戦を強いられる
野球日本代表「侍ジャパン」は13日、オランダ代表との強化試合第2戦に臨み、前日に続くタイブレークの末、延長10回12-10で勝利し、強化試合4戦を3勝1敗で終えた。4試合を終えて、侍ジャパンを率いる小久保裕紀監督は、いわゆる第2グループと呼ばれるチームが力を上げ、各国の実力が拮抗してきたことを痛感したようだ。
今回の来日メンバーでメジャー25人枠に入っているのは、メキシコが左腕ペレス(ナショナルズ)、右腕ロモ(ジャイアンツ)、オランダが内野手プロファー(レンジャーズ)の3人だけ。メキシコはドジャースの主軸ゴンザレスを帯同させたが、試合には出場していない。言ってみれば、両軍ともに控え選手中心のチーム構成だったが、侍ジャパンはメキシコとの初戦に3-7で敗れ、第2戦は11-4と圧勝。オランダとは連日タイブレークの延長に突入して2戦とも勝利したが、決して容易く手に入った勝利とは言えなかった。
勝ちを求めながら選手の力を見極めようとした小久保監督は、何度もハラハラする場面が訪れたのだろう。世界各国の力が拮抗し始めていることは「去年のプレミア12から感じていた」と言うが、「メジャー以外の選手がほとんどだったが、スイングスピードも含めレベルは高い。昨日今日はうまく逆転できたが、本番は難しいと思う。名が知られていないからと言って安心はできない」と、改めて警戒心を強めた。
その中で見えた、投打の収穫もある。投手では、中継ぎ起用した秋吉亮投手(東京ヤクルト)が「一番安定していましたね」。打つ方では、最終日となったオランダとの第2戦、延長10回に決勝満塁ホームランを放った鈴木誠也外野手(広島東洋)。「初めは固かったが、それ以降は今年の活躍を見ることができた」と称賛。右翼の守備も難なくこなし、初選出された22歳に大きな信頼を寄せた。
打者として活躍した大谷のさまざまな起用法「悩みしかない」
また強化試合4戦では、中田翔内野手(日本ハム)を4戦連続で「4番」、筒香嘉智外野手(DeNA)を「5番」で起用した。誰が侍ジャパンの「4番」に座るのか、大きな注目を浴びる点だが、指揮官は「またゆっくりと考えたい」と慎重な姿勢を崩さず。それでも「(中田と筒香の)どちらかというところ。2人はそれ(4番、5番)以外はない」と2者択一に絞られたことを明かした。
今回は打者としての出場にとどまった“二刀流”大谷翔平(日本ハム)も、オランダ戦では2試合ともに攻撃の起点となるなど、1人で試合の流れを変えられることを証明。打者としての魅力が増し、二刀流でいくのか、打者でいくのか、投手でいくのか、どれも捨てがたいという贅沢な悩みに、指揮官は「まったくうれしくない。悩みしかない」と苦笑い。今回の4戦を経て「打線に点が入りそうな雰囲気がある」と絶賛したが、「基本は投手で考えている」と最速165キロのストレートを武器とする豪腕に期待を寄せる。
今季の全試合を戦い終えた選手たちは、これから短いオフに入る。今回の招集メンバーには「年が明ければ真剣勝負が始まるつもりでオフを過ごすように」と声を掛けたという小久保監督。強化試合の結果を踏まえながら、世界一奪還に向けてメンバー選考に大いに頭を悩ませる日々を過ごすことになりそうだ。
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