高校生右腕の清水、決勝進出へ導く快投 5連覇へ、アジア制覇の侍ジャパンU-18代表から刺激

2016.9.10

侍ジャパン女子代表の高校生右腕がまた躍動した。「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド第3戦で、日本はオーストラリアに10-0で5回コールド勝ち。10日の韓国戦を残して、決勝(11日)進出を決めた。今大会2試合目の先発となった先発の右腕・清水美佑(埼玉栄高)は、この試合も4回3安打6奪三振と快投。

写真提供=Getty Images

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オーストラリア相手に4回3安打無失点6K、試合前に父親の力を借りてフォーム修正

 侍ジャパン女子代表の高校生右腕がまた躍動した。「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド第3戦で、日本はオーストラリアに10-0で5回コールド勝ち。10日の韓国戦を残して、決勝(11日)進出を決めた。今大会2試合目の先発となった先発の右腕・清水美佑(埼玉栄高)は、この試合も4回3安打6奪三振と快投。同じ高校生で編成された侍ジャパンU-18代表が「第11回 BFA U-18アジア選手権」で優勝したことに刺激を受けたといい、「ここで勝てば世界一なので、こっちがちょっと上かな」と冗談交じりに話した。

 清水は初回、1死から左中間への二塁打を浴びるも、続く打者は三振。4番も一邪飛に仕留めて、ピンチを切り抜けた。2、3回はそれぞれ2三振ずつを奪うなど、2イニング連続の3者凡退。4回は先頭打者にツーベースを浴びて無死二塁とピンチを背負ったものの、船越千紘(平成国際大)が三盗を狙った走者を刺して1アウト。その後、ヒットと味方のエラーで1死一、三塁となったが、後続を2者連続で中飛に打ち取り、4回無失点としっかりゲームを作った。

 日本と比べて体が大きいオーストラリアの打者たちをメンバー唯一の高校生が抑えこんだ。これでオランダ戦の先発、そしてベネズエラ戦のリリーフ登板に続いて3試合目の登板。ここまでの2試合も無失点に抑えていたが、「あまり調子が良くなかった」と明かす。ただ、この日の試合前に修正を図っていた。

 ブルペンでの投球練習中、応援に来ていた父親の重雄さんを呼び寄せ、動画の撮影を頼んだ。そして、その映像を見て、直すべき部分を確認した。「それが今回のピッチングに繋がったのかなと思います。(重心が)後ろに残ったり、左に流れたりしていたので、そこは修正するようにしました」。効果はすぐに表れ、見事に結果を出した。

清水が抱く“野望”、「U-18代表はアジア。ここで勝てばちょっと“上”かな」

 マウンド上では、笑みを浮かべる場面も目立った。強心臓の18歳は、その理由をこう明かす。

「楽しむことがモットーというか、座右の銘みたいなことでもありますし、楽しむことで自分の力が発揮できるかなと。試合前は緊張するんですけど、緊張するのが好きなので、それも楽しんでます」

 日の丸を背負っても、重圧に押し潰されることはない。むしろ、この大舞台とプレッシャーを楽しみたいという。末恐ろしい右腕は、もはや日本に欠かせない戦力だ。

 そして、清水には密かな“野望”もあるという。それは、「第11回 BFA U-18アジア選手権」でアジアの頂点に立った同世代の侍ジャパンU-18代表よりも「上」に行くことだという。

「U-18代表はアジアじゃないですか。(女子代表が)ここで勝てば世界一じゃないですか。ちょっと“上”かな、みたいな。やっぱり男子と女子なのでちょっと違いはありますけど、一番になりたいなと思います」

 10日の韓国戦は他のピッチャーに託すことになりそうだが、エース里綾実(兵庫ディオーネ)の先発が予想される11日の決勝戦では、状況次第で清水に出番が回ってくる可能性もある。5連覇へ向け、調子を上げてきた高校生右腕の存在は心強い。

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