笹沼が4回途中まで8奪三振の快投で5連勝に貢献 自己新125キロも計測し「自分でもびっくり」

2016.9.9

侍ジャパン女子代表の左腕・笹沼菜奈投手(平成国際大)が8日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド第2戦、チャイニーズ・タイペイ戦に先発した。3回2/3で8三振を奪う快投。1安打無失点3四死球に抑え、10-0の5回コールド勝ちに大きく貢献した。

写真提供=Getty Images

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チャイニーズ・タイペイ打線相手に1安打無失点、アウト11のうち8が三振

 侍ジャパン女子代表の左腕・笹沼菜奈投手(平成国際大)が8日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド第2戦、チャイニーズ・タイペイ戦に先発した。3回2/3で8三振を奪う快投。1安打無失点3四死球に抑え、10-0の5回コールド勝ちに大きく貢献した。

 立ち上がりから圧巻だった。初回、笹沼は先頭から2打者連続で三振に打ち取ると、左前打を許したものの、相手の4番打者は見逃しで三振。アウトを全て三振で奪い、無失点に抑えた。

 その裏、打線が川端のタイムリーで1点を先制すると、2回の笹沼は2四死球で1死一、二塁としてしまう。しかし、ここでも2者連続三振。ピンチになっても動じず、チャイニーズ・タイペイ打線をねじ伏せていった。

「昨日(7日)チームみんなでミーティングして、相手チームの試合をちょっと見たんですけど、監督からは『自分の球を投げ込んでいけば打たれない』と言われましたし、左バッターが多い打線なので、アウトコースの真っ直ぐだとか、外に行くカーブをうまく使って投げれば問題ないと。あとは、とりあえずテンポだけ、ちゃんとよく投げればという話だったので、そこだけ意識していきました」

 3回も1四球を出しながら無失点。4回には、先頭打者への2球目に球場表示で「自分でもびっくりしました」という自己最速の125キロをマーク。その後、三振で2つのアウトを取ったところでお役御免となり、2番手の田中露朝(尚美学園大)にマウンドを引き継いだ。

大倉監督も称賛、「笹沼がしっかりゲームを作ってくれた」

 試合後、大倉孝一監督は「笹沼がしっかりゲームを作ってくれたので、昨日(エース里が先発したベネズエラ戦)と同じですけど、しっかり落ち着いて1点1点を取っていきました」と好投を称えた。「日本の場合は先発したピッチャーがゲームを作る。その中で1点ずつ取っていくというゲームを続けていきたい」。自分たちの野球をするために、先発投手の安定した投球は不可欠。指揮官の期待に、笹沼が見事に応えた。

 実は、この日は試合前から状態は良くなかったという。ただ、そんなことを微塵も感じさせないピッチングだった。

「ブルペンはあまり良くなくて、試合前からボールがキレているなというのはあまりなかった。昨日(7日)まではちょっと体が重いなと思っていたので、ちょっとそこが心配だったんですけど、試合中はそういうのは気にせずに(投げられた)。気にしちゃうと、いつも力が入ったりしてしまうので、そこはピッチングで(ボールが)いっていなかったから何か変えるとかじゃなくて、試合になったらいつも通り投げようと思って、特に意識したとかはなかったです」

 まだ20歳だが、ワールドカップは2度目の出場。大舞台でも動じない強さがある。この試合では、審判のストライクゾーンも場面によってズレが大きかったが、「気にならないですね。そういうものだと思って。こういう大会、国際大会には付きものなので」と気にとめずに好投を続けた。

 各選手が自分の仕事を黙々とやり遂げ、勝利へとつなげる。この試合が今大会2度目の先発ながら、1安打2四球1打点と活躍したワールドカップ6大会連続出場のキャプテン・志村亜貴子(アサヒトラスト)は現在のチームについて「すごくいい状態ですし、1試合1試合みんな成長してきている」と確かな手応えを示す。誰が出ても、誰が投げても、しっかりと存在感を見せて、勝利に貢献していくだろう。

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