侍ジャパン女子代表がスーパーラウンド初戦も快勝 頂点を見据え、エースから高校生への継投が実現

2016.9.8

侍ジャパン女子代表は7日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド初戦でベネズエラに7-2で快勝。開幕4連勝で、W杯は2012年から17連勝とした。

写真提供=Getty Images

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ベネズエラに7-2で勝利、エース里→清水とつないで相手打線を抑える

 侍ジャパン女子代表は7日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド初戦でベネズエラに7-2で快勝。開幕4連勝で、W杯は2012年から17連勝とした。先発のエース右腕・里綾実投手(兵庫ディオーネ)が4回まで1安打に抑える快投。5回に変化球が高めに浮き、3安打で2点を失ったものの、その他は危なげない投球だった。大倉孝一監督は、今後を見据えて6回途中からメンバー唯一の高校生・清水美佑(埼玉栄高)を投入するなど、頂点を見据えての戦いが続いている。

 初回、先頭打者をいきなり死球で出した里だが、今大会でコンビを組む20歳の捕手・船越千紘(平成国際大)に絶大な信頼を寄せていた。「彼女はすごく肩が強いので、そんなにランナーのことを意識せずに、バッターに集中して投げられました」。ランナーは2球目でスタートを切ったが、見事な送球でアウト。船越も信頼に応えて盗塁を阻止し、しっかりと試合の流れをつかんだ。

 直後の2回の攻撃で六角彩子(侍)の先制打が飛び出すと、打線は1点ずつを加えて4回までに3点リード。さらに、5回には一挙4点を奪い、試合を決めた。

 そんな中、里は4回まで変化球を主体に1安打ピッチング。ところが、5回にその変化球を狙われ、3点を失った。大倉監督は「たまたまボールが浮いちゃったのと、向こうのバッターの目を瞑って振った打球が左中間にいっちゃった、というのが重なった感じですかね」とエースを信頼していたが、本人は「相手が最初の方は真っ直ぐ狙いで来ているというのがあったので、変化球を見せてポンポンと(ストライクを)取って、決め球で変化球(という組み立て)だったんですけど、相手も2ストライクに追い込まれてから変化球を狙いに来るように攻め方を変えてきたので、高めの甘いところにいったら打たれてしまった」と振り返る。

エース里も納得の継投、「ワールドカップは、いつ、どの場面で何があるかは分からない」

 しかし、ここから修正できるのがエースたる所以だ。

「あとは(審判のストライクゾーンが)外が広いので、そこに投げにいこうとしすぎてしまって、ちょっと体が開いちゃったというのがあったので、そこはキャッチボールでインステップで投げて、体になるべく溜めを作る意識でやっていました。それで(感覚を)つかめて、最後の6回はいいイメージで投げられたのでよかったです」

 その言葉通り、6回は打者2人を遊ゴロ、三ゴロと計4球で片付ける快投を見せた。

 すると、ここで大倉監督がベンチから出てきて、交代を告げる。これも指揮官の思い描いていたシナリオ。マウンドには、オープニングラウンドの第2戦で先発した清水が送られた。

「(イニング途中での交代は)清水にイニングをまたがせたかったので。マウンドの感覚が少し空いたのと、次のいろいろなスケージュールからいって、少し空きすぎるかなと」

 この先はさらに大事な戦いが続く。物怖じしない高校生右腕の力が、そこで必ず必要になってくると、大倉監督は感じているようだ。完投するつもりだったという里も「(交代は事前には)言われていなかったです」と明かしたが、チームとして何が必要かは十分に理解している。

「ワールドカップは、いつ、どの場面で何があるかは分からないので、私が(途中から)出ろと言われても、いつでも出られるようにしっかり準備してますし、ああいう場面で代わると言われたら、そこは他のピッチャーに任せて、と思っています」

 清水は期待に応え、振り逃げを含む打者5人を完璧に抑える快投。日本はそのまま7-2で快勝した。まさにチーム一丸。頂点へ向けて、侍ジャパン女子代表の絆は試合を重ねるごとに強くなっている。

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