「楽しかった」W杯の初マウンド メンバー唯一の高校生・清水が3回無失点の好投

2016.9.5

侍ジャパン女子代表は3日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のオランダ戦に12-0で5回コールド勝ち。開幕2連勝を飾った。この試合で先発を任されたのは、メンバー唯一の高校生・清水美佑(埼玉栄高)。初の大舞台にも臆することなく、3回1安打3奪三振と堂々たるピッチングで役割を果たした。

写真提供=Getty Images

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オランダを相手に3回無失点、試合前から大物ぶり発揮「緊張できなくて…」

 侍ジャパン女子代表は3日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のオランダ戦に12-0で5回コールド勝ち。開幕2連勝を飾った。この試合で先発を任されたのは、メンバー唯一の高校生・清水美佑(埼玉栄高)。初の大舞台にも臆することなく、3回1安打3奪三振と堂々たるピッチングで役割を果たした。

 試合前、清水の表情は少しだけ硬かった。しかし、緊張していたわけではなかったという。「緊張できなくて…。(本当は)緊張したいタイプなので、緊張できなかったから、頑張って緊張しようと思ってたんですけど…」。高校生右腕は、いきなり大物ぶりを見せていた。

 その後、国歌を聞いて「緊張しましたね。本当に始まるんだなっていう感じがして」と徐々に気持ちが高まり、初回は「適度な緊張」でマウンドへ。いきなり3者凡退に切って取ると、2回は先頭打者に中前打を浴びながら、1死一塁となってからエガスを遊ゴロ併殺打に打ち取り無失点で切り抜けた。

「やっぱり球数を多く投げたくないので、テンポもそうですし、あんまり長くなると次の攻撃につながらないので。ゲッツーを取れるというは自分の中でも大きいので、それはよかったです」

 その裏に打線が大量6点を奪うと、3回は先頭打者をニゴロに仕留めてから、2者連続三振で締めた清水。結果的に9人で相手の攻撃を終わらせ、笑みがこぼれた。

好投にも課題を挙げる清水、「初回からしっかり合わせること」

 大倉孝一監督が「最初はちょっと硬かったんだと思うんです。なので、ボールがちょっと浮いたり、ストレートが引っかかったりしてましたけど、3イニングが終わって『感覚がつかめたか?』と聞いたら、『はい、つかめました』と返ってきたので、これはこれで1つの手応えになるかなと」と評価したピッチング。本人も「楽しかった。まだ完璧だったとはいえないピッチングでしたけど。でも楽しむことができたのでよかったです」と振り返った。

「1イニング目、2イニング目はちょっとつかめなかったんですけど、3イニング目でしっかり掴めたので、次に繋がる投球だったと思います。自分の投げる球、想像している球が投げられたので、そこはちょっと安心しました。あまりストライクと思った球がボールと判定されるところもなかったので、大丈夫でした」

 国際大会のジャッジに戸惑うこともなく、しっかりと力を発揮。指揮官の期待に応えた。

 もちろん、5連覇へ向けて、向上させなければいけないところはある。「変化球の精度だったり、あと今回は3イニング目でやっと合わせることができましたけど、初回からしっかり合わせることですね。審判や雰囲気にしっかり合わせられるようにしたいです」。18歳で上がったW杯初マウンドで確かな収穫を手にした。

 4回は左腕・吉井萌美(アサヒトラスト)、5回は田中露朝(尚美学園大)とつなぎ、無失点リレーで勝利した侍ジャパン女子代表。ただ、頂点までは、まだまだ長い道のりを進んでいかなければいけない。カナダ戦で2失点完投と期待通りのピッチングを見せた里を中心に、日本投手陣がこの先も力を証明していく。

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