日の丸の重さを喜びに―― 元日本代表内野手が伝えたい「特別な舞台で戦う幸せ」
2019年を「第2回 WBSC プレミア12」初優勝という最高の形で締めくくり、2020年に突入した野球日本代表「侍ジャパン」。2017年から指揮を執る稲葉篤紀監督は着実にトップチームを作り上げてきた。悲願を目指し、稲葉監督はどんなメンバーを招集するのか注目が集まるが、選ばれし24人に「プレッシャーを背負いすぎずに、特別な舞台で戦える幸せを感じながら、思い切り戦ってもらいたいですね」とエールを送る男がいる。独立リーグでプレーする西岡剛内野手だ。
写真提供=Full-Count
野球日本代表経験を持つ西岡剛内野手がエール 「幸せを感じて」
2019年を「第2回 WBSC プレミア12」初優勝という最高の形で締めくくり、2020年に突入した野球日本代表「侍ジャパン」。2017年から指揮を執る稲葉篤紀監督は着実にトップチームを作り上げてきた。悲願を目指し、稲葉監督はどんなメンバーを招集するのか注目が集まるが、選ばれし24人に「プレッシャーを背負いすぎずに、特別な舞台で戦える幸せを感じながら、思い切り戦ってもらいたいですね」とエールを送る男がいる。独立リーグでプレーする西岡剛内野手だ。
西岡内野手は、千葉ロッテ時代の2006年に第1回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)で優勝し、2008年には北京五輪に出場。惜しくもメダル獲得はならず、4位となった。2つの国際大会を経験したが、2006年のWBCと2008年の北京大会とでは、身に付けるのは同じ日の丸であっても、感じる重さが違ったという。
「WBCは第1回ということで、大会そのものも手探りの部分があり、そこまで重みやプレッシャーを感じるものではありませんでした。だからこそ、思い切りプレーして優勝という最高の結果を残せたのだと思います。それでも、決勝トーナメントでアメリカに移動して試合を重ねるごとに、徐々にプレッシャーを感じるようになりました。反対に、北京の時は最初からすごく重みがあるものだと感じながら大会に臨みました。
これまでの大会を振り返るとアマチュア選手で臨んだ1984年のロサンゼルス大会で優勝した後はメダルに届きませんでした。そこで2000年のシドニー大会はプロアマ混成チームにしたけれどメダルが獲れなかった。シドニー大会の当時、僕は高校生でテレビ中継を見ていて、メダルに手が届かずに涙を流しながら悔しがるプロ選手の姿が強烈な印象として残っていました。そういう歴史を感じていたから、北京大会の代表に選ばれた時は、すごく重みを感じました」
侍ジャパンを「信じて応援するだけ」 選手には「貴重な経験ができる幸せや喜びを感じてグラウンドに立ってほしい」
就任以来、約3年をかけてチーム作りに励んできた稲葉監督。その集大成として、当然ながら周囲は結果を求めるだろう。その悔しさや反響の大きさを知る西岡内野手は、招集される侍ジャパンに「結果を求めながらも、結果に囚われすぎない」ことを勧める。
「野球選手に限らず、大会に出る選手は誰一人として『早く負けて帰りたい』なんて思う人はいません。金メダルを獲りたい一心で、チームが一丸となる。でも、対戦相手もみんな同じ気持ちで戦ってくるから、思うような結果が出ない時もある。それがスポーツの醍醐味です。北京では金メダルを目指し、決勝に出られないとなった時に、どうしても銅メダルを取ろうと必死に戦ったけれど負けてしまった。でも、全力は尽くしました。
侍ジャパンは、これだけ多くいる野球選手の中から選ばれし者です。プレッシャーで体が動かなくなることや吐き気を催すこともあるかもしれない。でも、貴重な経験ができる幸せや喜びを感じてグラウンドに立ってほしいですし、結果だけに囚われず、どんな結果になっても正々堂々と全力でプレーしたというプライドを持ってほしいです。そして、ファンの皆さんも含め、とにかく応援しましょう。120パーセントの力で戦う選手が集まると思うので」
日の丸の重みを知るからこそ、稲葉監督率いる「侍ジャパン」を「信じて応援するだけです」と語る西岡内野手。選手がプライドを持って堂々と戦った先には、目指すべき結果が待っているに違いない。
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