侍ジャパンU-18代表、ミス響き韓国に痛恨敗戦 永田監督は選手かばう「監督が悪い」
韓国・機張(きじゃん)で開催中の「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」で高校世代初の世界一を目指す侍ジャパンU-18代表は6日、韓国代表に延長10回、4-5でサヨナラ負け。スーパーラウンドの通算成績は2勝2敗となり、決勝進出は極めて難しい状況となった。先発した佐々木朗希投手(大船渡)が緊急降板すると、その後は投手陣が踏ん張っていたものの、終盤に失策から失点を重ねた日本。ミスが続いての敗戦に永田裕治監督は「起用した自分が悪い。選手はよくやってくれた」と全ての責任を背負った。
写真提供=Getty Images
終盤のミスが響いてサヨナラ負け、注目の佐々木は1回緊急降板
韓国・機張(きじゃん)で開催中の「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」で高校世代初の世界一を目指す侍ジャパンU-18代表は6日、韓国代表に延長10回、4-5でサヨナラ負け。スーパーラウンドの通算成績は2勝2敗となり、決勝進出は極めて難しい状況となった。先発した佐々木朗希投手(大船渡)が緊急降板すると、その後は投手陣が踏ん張っていたものの、終盤に失策から失点を重ねた日本。ミスが続いての敗戦に永田裕治監督は「起用した自分が悪い。選手はよくやってくれた」と全ての責任を背負った。
アクシデントは初回に起きた。満を持して先発マウンドに送った高校最速163キロ右腕・佐々木投手が韓国打線に向かっていったが、2死一塁で異変が起きた。永田監督と水上桂捕手(明石商)がマウンドに行くと、ボールには血がついていた。
8月26日の侍ジャパン大学日本代表との壮行試合(神宮)で右手中指に血マメができ、1回で降板していた佐々木投手。完治を最優先するために、韓国入り後も細心のケアをしてきた。しかし、この大一番でまた再発してしまった。
永田監督は「『(佐々木投手に)行けるか?』と聞いたら『投げさせてほしい』ということだったので、行かせました。でもドクターらと相談して1回で代えました」と説明。佐々木投手は続く打者を空振り三振に仕留めたものの、結局、この回限りでマウンドを降りた。
前日のカナダ戦、救援での登板準備をするために何度もブルペンで肩を作っていた佐々木投手。一夜明けたこの日の試合前の投球練習で、中指に違和感が出たという。「しっかり試合を作れるようにゼロで抑えようと思ってマウンドに行ったのですが…残念です」。本人は悔しさを隠せなかった。
永田監督は最後まで選手かばう「起用した監督が悪い。彼らは悪くない」
それでも、今大会、投手に野手にフル回転の西純矢投手(創志学園)が2回からの4イニングを無失点に抑えると、日本は7回に打線が繋がり、代打の熊田任洋内野手(東邦)と水上捕手の適時打で2点を先取。3番手の飯塚脩人投手(習志野)も好投し、あとは逃げ切るだけだった。
しかし、悪夢が訪れた。4番手の宮城投手が8回2死二、三塁から相手の5番打者を内野ゴロに仕留めたが、一塁への送球が乱れた。二者が生還して同点に追いつかれ、試合はタイブレークへ。延長10回、日本は武岡龍世内野手(八戸学院光星)の右越え2点適時二塁打で2点を勝ち越し、最後を救援陣に託した。しかし、またも送りバントのゴロを捕球後、一塁へ悪送球で1点差とされると、押し出し死球で同点とされ、最後はサヨナラ犠飛を許した。
相次ぐ守備のミスで敗戦。指揮官は「起用した監督が悪い。かなりの人間(選手)が泣いていました。彼らは悪くない」と佐々木投手らをかばい、ミスを責めようとはしなかった。そして、「まだ残り試合もある。厳しい戦いが続くので、全力で頑張りたい」と最後まで選手をかばい、気を引き締めた。
悲願の高校世代初の世界一を目指した戦い。決勝進出の可能性は極めて低くなったが、道が閉ざされたわけではない。残されたスーパーラウンド最終戦の7日・オーストラリア戦に全力を尽くすことになる。僅かな希望がある限り、一致団結し、戦っていく選手たちに期待したい。
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