侍ジャパン期待の大砲・岡本が短期決戦で見せた成長「逆らわずに素直に打ち返せた」
野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」は14日、ナゴヤドームで第5戦が行われ、侍ジャパンが6-5で逆転勝利を飾った。この日、終始追う展開を強いられた侍ジャパンを牽引したのは、22歳の岡本和真内野手(読売)のバットだった。
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第4戦まで12打席1安打「打てない中で使ってもらった」
野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」は14日、ナゴヤドームで第5戦が行われ、侍ジャパンが6-5で逆転勝利を飾った。この日、終始追う展開を強いられた侍ジャパンを牽引したのは、22歳の岡本和真内野手(読売)のバットだった。
今季打率.309、33本塁打、100打点と大ブレイクした岡本内野手のバットが、国際舞台でようやく目を覚ました。第4戦までは12打数1安打。その1本も二塁内野安打で、胸のすくような会心の一撃とはならなかった。トップチームに初選出され、若き大砲として期待が寄せられる中、初めて対戦するメジャー投手陣の動く球や力強いストレートに苦戦。なかなか打球が前に飛ばなかった。
何とか突破口を見つけようと奮闘する岡本内野手に、救いの手を差し伸べたのが金子誠ヘッドコーチだった。「金子コーチにアーリー(早出特打)で投げてもらったおかげで感覚もだいぶ良くなった」と振り返るように、早出では体の外を大きく回っていたバットをコンパクトに振り抜くことを意識した。
教えを仰いだ松井氏の前で一発「素直にうれしい気持ちです」
その結果が現れたのが、2点を先制された直後の2回裏、先頭で回ってきた第1打席だった。MLBオールスターチームの先発ジュニオル・ゲラ投手(ミルウォーキー・ブルワーズ)が1ボールから投げた2球目を捉えると、打球はバックスクリーンへ飛び込む特大ソロアーチとなった。日米野球が始まって13打席目に響いた快音。今春のキャンプで打撃指導を仰いだ松井秀喜氏が、敵方ベンチから見守る中で生まれた一発に「目の前で打つことができて、素直にうれしい気持ちです」と喜んだ。
7回先頭で回ってきた第3打席にも鮮やかな右前打を放ち、この回一挙4点を奪い、流れを変える攻撃の起点となった。試合後、稲葉篤紀監督と会見場に姿を表すと「打てない中でも使ってもらった」と感謝の気持ちを伝えるとともに、打撃の修正点について説明した。
「今までは体とバットが離れていて、体の近くを通すことを意識してバッティング練習に取り組んでいました。今日のホームランも、ヒットもそうですけど、引っ張るんじゃなく、逆らわずに素直に打ち返せたかなと思います」
MLB打線にも刺激「パワーだけでなく技術もすごい」
MLBオールスターチームの打撃にも刺激を受けている。実際にその打撃を目の当たりにし、メジャー=パワーという固定概念が吹き払われたという。
「パワーだけでなく技術もすごく高いレベル。その結果、仕留める確率がすごく高くて、生で見てビックリしました」
2020年の東京五輪での金メダルを目指す中で、今後、岡本内野手は侍ジャパンに欠かせない存在となるだろう。その第一歩として、今回の「2018日米野球」の中で見て感じた経験、そして短期間で遂げた成長は、侍ジャパンにとって大きな収穫となったはずだ。
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