W杯6連覇に挑む侍ジャパン女子代表 世界の模範になる「日本最強のメンバー」
昨年、橘田恵氏が女性として初の監督に就任し、今年8月の「第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ」で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表。橘田監督は自身初めて「フル代表」を指揮するが、走攻守でレベルの高いメンバーが世界と戦うことになった。大会は8月22日~31日にアメリカ・フロリダ州で開催される。
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橘田監督の言葉から読み解く日本の強み、投手陣は里綾実&清水美佑&田中露朝の3本柱
昨年、橘田恵氏が女性として初の監督に就任し、今年8月の「第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ」で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表。橘田監督は自身初めて「フル代表」を指揮するが、走攻守でレベルの高いメンバーが世界と戦うことになった。
大会は8月22日~31日にアメリカ・フロリダ州で開催される。4月25日に発表された代表メンバーには、若手、中堅、ベテランがバランス良く選出された。記者会見で橘田監督は「野球の実力はもちろんのこと、野球に取り組む姿勢、プレーに対する考え方など様々な観点から選手を見させていただき、熟考の結果、私が選出した現時点での女子野球日本最強のメンバーです」と、20人のメンバー編成に自信を見せた。
女子プロ野球選手、大学生、高校生と実力者が揃った。昨年9月に行われた「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」では、18歳以下のメンバー構成ながら初代王者に輝くなど、日本の実力は折り紙つき。指揮官は“フル代表”となった今回の選手選考の基準について「ワールドカップを戦う上で、投手に関してはゲームをコントロールする能力の高さ。野手に関しては打力、守備力、走力を生かしつつ複数ポジションを守れるというバランスを考慮し選ばせてもらった」と語っている。
投手陣の軸には、里綾実(愛知ディオーネ)、清水美佑(アサヒトラスト)、田中露朝(尚美学園大学)の3投手を指名。野手では、女子プロ野球で活躍する三浦伊織外野手(京都フローラ)、川端友紀内野手(埼玉アストライア)の力強い打撃に期待を込めた。
「勝つことだけを目的にするのではなくて日本の女子野球が世界の模範」
ワールドカップ5連覇中と世界で圧倒的な力を見せつけているが、慢心することは一切ない。5度のワールドカップ優勝のうち、前回大会を含む4大会で日本を世界一に導いた名将・大倉孝一前監督からバトンを引き継いだ橘田監督は、むしろ、日本の女子野球の実力をこれまで以上に世界に見せつけ、中心的存在になるという強い決意を持って大会に挑もうとしている。
「日本は5連覇中だが、勝つことだけを目的にするのではなくて、日本の女子野球が世界の模範となり、リーダーシップをとるために、レベルの高い野球(をする)だけでなく、すべてにおいてレベルの高い取り組みをしていきたい」
世界一を勝ち取ることは勿論だが、女子野球を普及させる宿命を背負っているのが侍ジャパン女子日本代表なのだ。
この10年間、世界で勝つことが“当たり前”となっていた。当然、大きな期待、そしてプレッシャーもかかる中で大会に挑むことになるが、橘田監督は力強く決意を口にした。
「6連覇するというのは、どこの国でもトライできるのではなく、日本チームしかトライできないこと。世界のチームが日本のチームに興味を持ってもらえるようなレベルの高い走攻守を披露できるようにしっかり準備していきたい」
チームは6月に5試合を含めた強化合宿を行い、8月にワールドカップの舞台となるアメリカに出発する。6連覇の偉業へ――。侍ジャパン女子代表が、いよいよスタートを切る。
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