侍ジャパン社会人代表が30-0で香港に激勝、アジア選手権2大会ぶり優勝へ好発進

2017.10.2

侍ジャパン社会人代表が出場する「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)が2日、開幕した。予選ラウンドBグループの日本は初戦で香港と対戦し、30-0と5回コールドで圧勝を収めた。打線は21安打を放ち、3投手で完封。2大会ぶりのアジアチャンピオンに向けて好スタートを切り、石井章夫監督は「初戦ということで硬さがあったが、結果的に勝ててよかった」と笑顔だった。

写真提供=Getty Images

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投打ともに集中力を切らさずも、石井監督「初戦ということで硬さがあった」

 侍ジャパン社会人代表が出場する「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)が2日、開幕した。予選ラウンドBグループの日本は初戦で香港と対戦し、30-0と5回コールドで圧勝を収めた。打線は21安打を放ち、3投手で完封。2大会ぶりのアジアチャンピオンに向けて好スタートを切り、石井章夫監督は「初戦ということで硬さがあったが、結果的に勝ててよかった」と笑顔だった。

 日本の攻撃は、なかなか終わらなかった。1番・田中俊太内野手(日立製作所)、2番・福田周平内野手(NTT東日本)が四球で出塁すると、3番の指名打者・藤岡裕大内野手(トヨタ自動車)が一二塁間を破る安打で無死満塁とした。4番・笹川晃平外野手(東京ガス)は打球を打ち上げてしまったが、これを香港の二塁手が落球。三走・田中が先制のホームを踏んだ。

 なおも無死満塁で、5番・菅野剛士外野手(日立製作所)が右前に適時打を運び、1点を追加。6番・佐藤旭外野手(東芝)、7番・伊礼翼内野手(王子)が連続押し出し四球で加点すると、8番・山内佑規捕手(東京ガス)が左前適時打、9番・北村祥治内野手(トヨタ自動車)が押し出し死球で、さらに2点を加えた。

 香港の先発投手は1死も奪えぬまま降板。2番手投手に交代したが、日本は1番・田中の二ゴロの間に1点を加え、その後も3番・藤岡、4番・笹川にタイムリー。初回だけで9点を挙げた日本だが、2回も攻撃の手を緩めず、それを上回った。

 2回。安打と失策で無死満塁とし、9番・北村がライト線へ2点二塁打、1番・田中は左中間を破る三塁打で2点を追加、2番・福田がライトフェンス直撃のタイムリー二塁打と勢いは増すばかり。7番・伊礼、8番・山内、1番・田中がそれぞれ2点適時打を放ち、得点を重ねていった。なおも2死満塁で代打・神里和毅外野手(日本生命)がセンターオーバーの三塁打を放ち、走者一掃。その後も7番・伊礼の三塁線を破るタイムリー、8番・山内の一二塁間を破る2点適時打で加点した。

打線は21安打30得点、投げては3投手が2安打無四球の完封リレー

 2回は打者22人の猛攻で18点を奪った日本。3回には2死から途中出場の若林晃弘内野手(JX-ENEOS)がタイムリーを放ち、続く神里は「前の打席でヒットを打って気持ちが楽だった。完璧でした」と、真ん中直球を捉え、手応え十分の2ランアーチを右中間にかけた。

「ゲームセットまで集中力を持っていこうと、テーマにしていたが、点差が開いても集中していい野球ができました」と石井監督。その言葉通り、日本の集中力が大量得点をもたらした。12四死球とコントロールに苦しんだ香港の投手陣。制球がよくない中、日本は高い集中力で、取りにきたストライクを逃さずに打ち返した。指揮官は「国際大会は初めて見るピッチャーが出てくる。状況や様子を見ていくよりも1球目からいく、その姿勢はいい。みんな、気持ちがゲームにしっかり集中できていた。点差が開いて雑になってもおかしくないところだが、そこはよかったと思います」と称えた。

 投げても、3投手がきっちり役割を果たした。日本の先発・谷川昌希(九州三菱自動車)は初回、1番・梁を外角低めの直球で見逃し三振にすると、2、3番打者からも空振り三振を奪い、3者連続三振で発進した。初戦の先発を告げられたのは、前日の練習中。「代表入りも初めてなので、自分でびっくりしました」と驚きながらも、「開幕戦で先発できるのはありがたい」と持ち味である強気の投球を披露。攻撃時間が長い上、イニング間に2分半のインターバルがある中、2回、3回と集中力を切らさず3者凡退に抑え、守りのリズムを作った。

 4回には平尾奎太(Honda鈴鹿)が遊ゴロ、中飛から安打を許したが、これは一塁へ飛んだ打球のバウンドが高く、一塁を守る若林が届かなかったもの。初ヒットを許したが、続く打者を中飛に打ち取り、無失点とした。5回には渡邉啓太(NTT東日本)が登板。2死から中飛に打ち取ったかと思ったが、打球に太陽が重なる不運。中堅手の佐藤が見失って三塁打とされるも、この回からマスクをかぶった細山田武史捕手(トヨタ自動車)とのバッテリーで、最後は空振り三振を奪って締めた。

 大味になりそうな試合展開ながら、投打ともに集中力を切らさずに戦い抜いた日本。2大会ぶりの優勝に向け、理想的な形で初戦を勝利で飾った。

【了】

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