侍ジャパン大学代表、ユニバーシアード初の単独優勝 7戦全勝、61得点9失点と他国を圧倒

2017.9.4

侍ジャパン大学代表が快挙を成し遂げた。8月20日から同29日まで台湾・台北で開催されていた「第29回 ユニバーシアード競技大会」で、2連覇を達成。韓国・光州広域市で開催された2015年は、決勝が雨天中止でチャイニーズ・タイペイとの2チーム優勝だったため、単独制覇は初めてとなった。

写真提供=Getty Images

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2連覇達成も前回は2チーム優勝、単独制覇は初の快挙に

 侍ジャパン大学代表が快挙を成し遂げた。8月20日から同29日まで台湾・台北で開催されていた「第29回 ユニバーシアード競技大会」で、2連覇を達成。韓国・光州広域市で開催された2015年は、決勝が雨天中止でチャイニーズ・タイペイとの2チーム優勝だったため、単独制覇は初めてとなった。

 善波達也監督が率いる日本代表は、圧倒的な強さを見せつけた。予選ラウンド初戦のロシア戦は、18安打19得点と打線が爆発。3番の中川圭太(東洋大)が2安打3打点、4番の楠本泰史(東北福祉大)が3安打4打点と中軸が打線を牽引し、19-0の快勝で日本を波に乗せた。

 2戦目のメキシコ戦も7-2で快勝。この試合では中川、楠本がノーヒットだったものの、6番の辰巳涼介(立命館大)が2安打2打点、途中出場で7番に入った長沢吉貴(日大)が3安打1打点、8番の小畑尋規(立正大)が3安打2打点、9番の熊谷敬宥(立教大)が2安打1打点と、下位打線が全得点を叩き出す活躍。投げては先発の東克樹(立命館大)が8回3安打2失点11奪三振と快投を見せ、9回は阪本大樹(関西大)が無安打2奪三振で締めた。中軸にヒットが出なければ、下位打線が打つ。まさに理想的な戦いぶりで開幕2連勝を飾った。

 3戦目の相手も強敵のアメリカ。2回に3点を失い、3戦目で初めて先手を取られる展開となった。しかし、侍ジャパン大学代表が地力を見せる。3回に相手失策で1点を返すと、打線が5回に奮起。一挙5点を奪って試合をひっくり返し、逆に3点をリードした。6回にも3得点とたたみかけ、最後は11-5で勝利。首位で予選ラウンド突破を決めた。

 そして、今大会の大きなヤマ場となったのが、スーパーラウンド初戦だ。宿敵・韓国との対戦。先発・青島凌也(東海大)は初回に先制を許すも、日本は2回に渡邊佳明(明治大)のタイムリーで同点に追いつく。その後は両チームの投手が踏ん張り、同点のまま試合が進む。日本は6回から森下暢仁(明治大)に継投。無失点に抑えると、その裏に均衡を破った。大平達樹(桜美林大)が値千金の勝ち越しソロ。貴重な1点を奪った。

韓国、アメリカにはリベンジ許さず全勝優勝

 森下は続く7回も無失点。8回からは松本航(日体大)が2イニングを抑えて、1点のリードを死守して2-1で勝利した。さらに、続くチェコ戦は、6番・小林遼(富士大)、7番・岩見雅紀(慶大)がそれぞれ2打点と、またも下位打線が機能し、8-1とスーパーラウンドも無傷で準決勝で勝ち上がった。

 準決勝は、韓国との再戦。スーパーラウンドの雪辱を期して臨んできた宿敵を、日本は返り討ちにする。2回に小畑のソロ弾で先制し、5回には中川圭太(東洋大)、6回には熊谷がタイムリーと着実に加点。先発・東は8回5安打11奪三振1四球で無失点とほぼ完璧な投球を見せた。9回は阪元、齋藤大将(明大)が締めて、4-0と快勝。

 そして、決勝も再戦となった。オープニングラウンドで快勝したアメリカに対して、日本は初回に辰巳のタイムリーで先制。すると2回にはタイムリーが次々と飛び出して一挙6得点。試合序盤で7-0と圧倒的優位に立った。8回には楠本が走者一掃の3点タイムリー。先発の森下が7回2安打11奪三振無四球と快投する中で、まさに優勝を手繰り寄せるダメ押しタイムリーとなった。

 終わってみれば、10-0で快勝。圧巻の強さで優勝を掴み取った。

 日本は全7試合で実に61得点と圧倒的な攻撃力を見せつけ、失点もわずかに「9」。まさに力の違いを見せつける全勝優勝。韓国、アメリカという実力国をそれぞれ2度撃破するなど、他国につけ入るスキを与えなかった。

 2年前とはまた違う、大学野球界にとって歴史となる初の単独優勝の快挙を果たした。

【了】

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