2023年10月から2年半…井端弘和監督が目指した新たな日本のスタイルと未来へ繋ぐバトン
野球日本代表「侍ジャパン」は3月5日から2週間にわたり開催された「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)に出場し、ベスト8という成績で終わった。大会2度目の連覇を狙っていただけに、準々決勝での敗退は志半ば。チームを率いた井端弘和監督は、決勝ラウンドの舞台となった米フロリダ州マイアミから帰国の際、「結果がすべてなので」と退任の意向を示している。
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2023年10月の就任から2年半…WBC終了後には退任を示唆
野球日本代表「侍ジャパン」は3月5日から2週間にわたり開催された「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)に出場し、ベスト8という成績で終わった。大会2度目の連覇を狙っていただけに、準々決勝での敗退は志半ば。チームを率いた井端弘和監督は、決勝ラウンドの舞台となった米フロリダ州マイアミから帰国の際、「結果がすべてなので」と退任の意向を示している。
そこで今回は2023年10月の就任以来、井端監督がトップチームを率いた2年半の足跡を振り返る。
2023年の第5回WBCで3大会ぶりに世界の頂点に輝いた侍ジャパン。栗山英樹前監督の退任を受け、新たな指揮官に抜擢されたのが井端監督だった。2015年を最後に現役引退後は、読売の一軍内野守備走塁コーチを務めると同時に、2017年からは稲葉篤紀監督の下、侍ジャパントップチームでもコーチに就任。強化本部編成戦略担当も兼任するなどし、2021年東京での金メダル獲得に様々な角度から貢献した。
早くから侍ジャパンとしてのアンダー世代育成にも目を向け、2022年からは自ら志願してU-12代表監督に就任。まずは、投手は力強いストレートで、打者は思いきりスイングすることの大切さを説き、力負けしない真っ向勝負をモットーとした。そのスタイルは、2023年にトップチームとU-15代表の監督を兼任するようになってからも変わらず。日本のお家芸とされてきた“スモールベースボール”に囚われないスタイルを模索した。
世界では球速150キロ台は当たり前…対抗策として掲げた「振り負けない」打線
現役時代は堅守の遊撃手として名を馳せ、ゴールデン・グラブ賞に輝くこと7回。打席では長打よりも安打を量産するタイプで、なかなか空振りをしない巧みなバットコントロールで評価を高めた。それだけに、U-15代表でバントをしない戦略を立てたり、トップチームでも打ち勝つことに主眼を置いたメンバー選出をしたりしたことに、意外な印象を抱いた人も多かっただろう。
だが、それはコーチや強化本部編成戦略担当として侍ジャパンに継続的に関わる中で、井端監督が感じた世界と渡り歩くための策だった。球速160キロを超える剛腕投手が各国に現れ、150キロ台の速球が当たり前となる中で、まずは振り負けないことが第一歩。そのアプローチを繰り返した結果、今回のWBCで日本は5試合で合計39点、1試合平均7.8点を叩き出す得点力を発揮し、ホームランも計10本飛び出すなど、これまで課題とされてきたパワー面でも大きな変化が現れた。
大学生や若手選手を積極的に選出、未来へ繋ぐ国際大会の経験
加えて、井端監督はプロの枠を越えて、2024年3月の「侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」では現役大学生4選手をメンバー選出した他、強化試合などでは若手選手を数多く起用。決まったメンバーばかりを選ぶのではなく、侍ジャパンのユニホームがもたらす独特の緊張感や高揚感を多くの選手が経験し、その後のキャリアに生かすことを願った。
2024年にメンバー入りした大学生4選手のうち、中日にドラフト1位で入団した金丸夢斗投手は、故障により参加を辞退した松井裕樹投手(サンディエゴ・パドレス)に代わって今回のWBCに出場。チェコ戦で2回無失点5奪三振の好救援で勝利のリレーを繋いだ。
就任からの2年半の間に開催された主な国際大会は、アジアプロ野球チャンピオンシップ2023で優勝、第3回WBSCプレミア12で準優勝、第6回WBCでベスト8という戦績を残した井端監督。WBCでのベスト8という結果を含め、狙い通りにならなかった大会もあるだろうが、井端ジャパンが得た収穫と課題は、今後の日本球界にとって大きな財産となる。侍ジャパンの未来に向け、バトンをどう繋いでいくかが大きなカギとなりそうだ。
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